四大一族(嘘)
え!?まだ、四大一族について知らない点がありすぎる!?
しょうがない…あの会議の話でもしてやろうかのぅ。
円卓会議。四大一族のトップである、四長人による会議のことである。
告村分子。
中分分解。
村結花菜。
神功家有理。
上記の四人により、今、まさに会議が行われている。
「えー、では、昨夜、分子様が翼上を名乗る男に奇襲を受けた件についてですが…」
司会役を任されている男が議題を取り上げた。
真っ先に発言したのは、分子だ。
「その問題については私と花菜で上手く対処しました。もう、終わった事柄では?」
分子は、あくまで、有理の方から目を離さないようにして、言った。
神功家有理は、宗家の宗家。詰まるところ、最高権力者である。
円卓と言っても力関係は存在する。
それが現実だった。
だから、あえて、分子は少し強くキツめに発言したのである。
有理は、少しけだるそうに言った。もちろん、分子のことなど、気にしていない。
「解っているの?貴方達の独断で、まあ、四長人の一角とはいえ、敵対勢力を受け入れるなんて。」
分子と花菜はこの日のため、口裏を合わせていた。
翼上を家族として受け入れることを…
すると、今まで沈黙を貫いていた、分解が口を開いた。
「争うのは良くないですよ。御三方。唯一の男性長人から言わせて頂きますと…麗しき御三方の傷つくところは見たくないです。」
分子は困ったような笑顔で分解に返す。
「キモい発言はやめてほしいです。今時、麗しき、とか過去に生きすぎなのよー。やめてほしいですよね?二人とも?」
「ええ。今のはちょっと普段とのギャップがあり過ぎてキモかったですわね。」
「議題変えるか。もう、三長人で良くね?これだから、男はッ。」
繰り出される罵詈雑言に心的ダメージが入る分解。
「え…嘘…自分フツーに傷つくんですけど…」
しゅんとした分解の身体から、紫色の影が伸び出した。
(毒の化身)
それが分解の二つ名である。
その毒は人の体と心を病ませる。
分解の心的ストレスによって強さが変わるのが特徴である。
今まさに、毒、が発動した。
彼女たちは解っていながら、分解を軽くいじっていただけ。
司会役の男は悲鳴をあげる。
「ひぃー!?助けて!あの毒はダメなんだ!」
分子たちは笑顔だ。
まるで、裏切り者を排除できたかの様に…
「…まさか、嘘?!円卓会議っていうのも。俺を割り出す為の…」
ニコニコ。分子たちは笑顔だ。
「ふざけるな!たかだか半神風情が!俺は文人様の部下なんだぞ!」
毒影が濃くなってきた。
名もなき男は必死に抵抗するが、影の方が早い。
男は最後まで抵抗していた。
「がはッ!げふぅ!こんな、こんなぁー!」
男の声が聞こえなくなった。
毒影が身体を蝕み、死んだのだろう。
分子たちは笑顔だ。
一族の本質は残酷なのである。
泣いていた。花菜は、ただ、涙をこらえていることしか出来なかった。
残酷無慈悲。それが現実。ファンタジーも例外ではない。
裏切り者には粛清が…あるのか?…