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ビフォアストーリー
これは、[一族]と呼ばれるものの物語。
もう、成って、しまった、物語。
「綺麗な目だ」
彼は私にそう言った。それは、嘘かもしれないし、本音がただ漏れてしまっただけなのかもしれない。
私こと、村結花菜は、彼こと、お師匠様に対してそう思った。
私たちは、人間ではない。
そう、彼から教えてもらった。
それは、10年ほど前に遡る。
(10年前)
「ねね。なんで、わたしまでおとーさんとおかーさんに付き合わなくちゃいけないの?」
母と父。私には、家族が居た。