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9/12

影響9 新たな伝染病

 こんばんは、7時になりました。ニュースの時間です。

 今夜は、まず最初に新たな伝染病に関するニュースをお伝えします。

 かつて、熱帯、亜熱帯地方にしかいなかった昆虫類が、地球温暖化のために、今や日本の至るところで見られるようになりました。

 この中には、伝染病を媒介する昆虫もいるため、国内では新たな病気が広まる可能性が高く、専門家は注意を呼びかけています。

 今、昆虫類を取り扱っている研究施設と中継がつながっています。

 研究施設にいます、イヌマキさんどうぞ。



 はい、イヌマキです。

 私は今、昆虫類を採取している研究室に来ています。

 こちらの実験机の上には、10枚程度のシャーレが並んでいて、中には昆虫の標本が入っています。

 私の隣には、昆虫の専門家で、この施設の所長をつとめております、イチイ教授に来ていただいております。

 イチイさん、よろしくお願いします。


 よろしくお願いします。


 それにしても、本当にこれらはかつて日本にいなかったものばかりなんですか?


 はい。おっしゃるとおりです。50年前には赤道に近い熱帯地方か、またはそのまわりの亜熱帯地方にしかおりませんでした。しかし、地球温暖化の進行に伴って、次第に北上し日本に到達しました。

 そして、日本の気候にも順応出来るように進化したものが増殖していき、今のような状況になったと考えられます。


 この昆虫の中には伝染病を媒介するものがあると聞きましたが、それはどれですか?


 いくつかありますが、今私達が最も警戒しなければならないものが、こちらのハマダラカと呼ばれる蚊です。

 この小さな蚊は、マラリアという病気を媒介するマラリア原虫を保有しております。

 マラリア原虫はヒトの体内に入ると、赤血球中で増殖していきます。

 一旦病気を発症すると40℃近くの高熱に襲われ、死に至ることもあります。


 病気を防ぐ方法はあるんですか?


 まず、蚊に刺されないようにすることが大切です。そのためには虫除けスプレーや蚊取り線香などを使用することが有効です。


 もし発症してしまった場合、薬はあるんですか?


 薬としては、キナの樹皮に含まれるキニーネなどがあります。

 しかし、日本国内では手に入りにくいため、海外から輸入するしかないのが現状です。

 また、そのような薬を持っている国も、現段階では自国民を保護するために輸出に関しては消極的な姿勢を見せています。

 仮に輸出を許可した場合でも、日本で買うとなれば保険が適用されないため、かなり値段が高くなることが予想されます。

 結局、病気になってから治療するよりも、病気にならないように、事前に予防策をとるのが得策と言えます。

 テレビをご覧の皆さんも、この黄色っぽい蚊を見かけたら、ぜひ注意をしてください。

 また、他にも病気を媒介する昆虫はいますので、今まで見たことのないものを見かけたら、注意をお願いします。


 分かりました。イチイさん、今日はお忙しい中、わざわざありがとうございました。


 こちらこそ、ありがとうございました。


 それではスタジオにお返しします。



 はい、スタジオです。

 地球温暖化による影響は、このような形でも現れています。

 すでに手遅れだと言う声も聞かれておりますが、それでも私達は少しでもこれ以上の温暖化を食い止めるべく、さらなる省エネなどの努力をしていかなければなりません。

 では、次のニュースです。

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