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影響1 世界終末時計11時59分

 20世紀末から21世紀半ばにかけて、我々は経済の発展のために大量のエネルギーを消費してきた。

 それと引き換えに、我々は深刻な地球温暖化問題を引き起こしてしまった。

 21世紀になってから半世紀以上の間、世界の人々は、出来ることをしながら何とか食い止めようとはしてきた。

 しかし、各国の間にはエゴや妥協が飛び交い、足並みはそろわなかった。

 市民の間には、自分達が生きている世代さえ良ければ、後は野となれ山となれ。後の世代なんて自分達にはもう関係ないという意識が少なからず蔓延していた。

 そのため、地球を救うための十分な対策は数十年もの間、とうとうされることはなかった。

 結果として、21世紀始め頃に生きていた人達は、負の遺産を子の代、さらには孫の代に引き継がせてしまった。

 その結果が、このような結果を招いてしまった。


 20××年のこの日、ついに世界終末時計が11時59分を指してしまった。

 これまでこの時計は、21世紀初頭は11時53分〜55分を指していた。

 20世紀において世界の終末を意味する12時に最も接近した時は1953年に記録した11時58分であった。

 これは世界が核戦争の危機に陥った時の時刻だった。

 しかし、それから100年以上が経過した今では、行き着くところまで来てしまった地球温暖化と、それによって世界中を襲った悪影響のために、結果として核戦争以上に深刻な時刻になってしまった。

 

 21世紀後半のこの時代でも使用エネルギーを節約し、地球温暖化を食い止めようとする人はいた。

 しかし、すでに北極の氷は全部とけてしまい、ホッキョクグマはいよいよ絶滅が秒読み段階になっていた。

 海面の上昇のために、近い将来海に沈んでしまう国では、深刻な環境難民問題が浮上していた。

 プロ野球は、平日でもデーゲームでなければ開催出来ない状況になっていた。


 かつて日本に食料を輸出していた国では、自国民保護のために輸出を規制するようになっことが影響し、日本との関係がギクシャクしていた。

 一方で、輸入に頼っていた日本では、食料の自給に奔走する人達が続出していた。

 ガソリン車は、今や人々からねたまれる存在になり、自動車業界はいよいよ追い詰められていた。

 これまで熱帯にしか存在しなかった昆虫類が、日本にも上陸するようになった。

 畜産業界ではメタンガスを削減するために、牛を駆除しようとする動きも出ていた。

 二酸化炭素を排出せずにエネルギーを確保する事に関して、政府と市民の間で駆け引きが繰広げられていた。

 挙句の果てには、生命維持装置を使って、地球が再び住みよい星になるまで眠ろうと考える人も出てきた。

 それでも私達は生き続けなければならなかった。


 これは、地球温暖化が原因で、私達が生きている間に本当に起きてしまうかもしれない事例を集めた作品である。

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