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それにしてもすぐ目の前にいる彼女に対して、あんなにも大きな声が必要なのだろうか。


頭が悪いから仕方がないのかもしれないけど。


そうこうしていううちに夕食の準備が整い、正人と二人で食べた。



夕食をすませて正人が用意した花火を終えると、特にすることはない。


あとは二人で会話をするだけなのだが、それもはずまない。


隣のわけあり家族の会話は夕食前から完全に途絶えてしまっている。


その先のDQN男の声は必要以上によく聞こえるが、女のほうの声は未だに一度も耳にしていない。


それにしても七人もいて開放的な野外で、一人しか声を出していないなんて。


DQN男の大きな声は浮きまくり、わびしさを余計に増しているだけだ。


実は私はキャンプに来るのは二度目で、場所もいっしょに行った男も違うけど、あの時は十四人ほどの人がいて、さかんに交流が行なわれて、たいそう賑やかだったのを覚えている。


それなのに今回はどうだ。


――やっぱり来るんじゃなかったかも。


でも私には一つだが大きな希望があった。


それが頭からはなれずに、正人との会話がはずまない。


正人は正人のほうで、何か強く気にしていることがあるようで、それゆえ私と同じように会話がはずまない。


この欠点だらけの男には、一つだけいいことがある。


なにせわかりやすいのだ。


うそはすぐにばれるし、隠し事なんて不可能だ。


だから美咲との浮気も、私にはすぐにわかった。


それとなく探りを入れたら、これ以上はないくらいにぼろが出まくりだった。

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