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背が高いうえに筋肉だるまのその身体は、身長が150センチにも満たない私の倍はあるだろう。


体重があっても十分に足腰を鍛えれば、加速することによってそれなりのスピードを出すことは可能だ。


しかし咄嗟に素早く身体を移動させることは、不可能なのだ。


それに比べて私は、この小さな身体に加えて子供の頃から現在に至るまで、ずっと女子サッカーをやっている。


身体を前後左右に瞬時に動かすことは、得意中の得意だ。


女は何十回となくバットを振ったが、私はそれを一つ残らず避けた。


そのうちに避けている私よりもバットを振り回している女のほうが、息が上がってきた。


女は動きを止めて私を見た。


「くそっ、おまえ、スポーツか何か、やっているね」


低くこもり、首を絞められながらしゃべっているかのような声だった。


私は女の質問には答えずに、逆に女に質問した。


「ひょっとして三年前のあの事件、ここでの大量殺人の犯人って、あなたなの?」


女は笑った。


ように見えた。


「ふん、そうだよ。私が犯人さ」


「で、でも何故。何故何人もの人を殺すの?」


「何故人を殺すのかって? くだらないこと聞くねえ、あんた。そんなこと決まっているじゃないのさ。殺したいからさ。殺したいから殺すんだよ。そんなの当たり前だろう」


「そ、そんな理由なの?」


「そんな理由って、あんた。他に何か理由があるとでも言うのかい。殺したいから殺す。それしかないじゃないの。殺したくないのに殺すわけがないじゃないのよ。あんた、バカじゃないの」

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