3、まだ1歳ちょっとですが、魔法を教えてもらってます。
いつのまにかブックマークを6人もの方にしてもらっていて、感謝、感激、雨、あられです!
にーちゃんに動物とか、庭の植物について庭師のおじいちゃん(ジョゼフ)の補助をもらいながら教えてもらったり、ねーちゃんに魔法について教えてもらったり…
あ、逆じゃねっていうツッコミはなしで!
私も思ったけどさ…
「ティア?よく見ていなきゃダメじゃない。ほら、もう一回ね。3,2,1」
今はねーちゃんの魔法講義です。
なにしてるのかって言うと、魔法の使い方ってゆーか魔力の出し方。
魔法を使うためには、体の中を巡っている魔力を外に出す必要がある。
で、外に出した魔力を物質に変換する。
で、魔法が使える。
という感じ。原理はよくわからん。
中には、外に出した魔力を精霊に与えることで、魔法を使う、精霊術というものもあるらしい。
さらに稀な人はこの世界には魔力の素、魔素が漂っているんだけど、それを利用して契約した妖精を使役する、妖精使いってのがいるらしい。
妖精と精霊の違いなんだけど、もとは同じものだとか。
精霊はこの世界中に溢れていて、魔力が一定以上あるものにはキラキラと属性に合わせた光(例えば、火だったら赤とか、オレンジ)を纏っている蛍のように見える。色は力の強さや性質に合わせて異なるらしい。
精霊はその中でも特に力が強いものが形を取った物なんだって。
精霊は妖精よりも数は少ないけどそれなりにいる。
個体差も結構あるけど、属性によってある程度共通部分があるんだ。
例えば、風の始原妖精なら、淡い緑色をした、30~50cmぐらいの半透明な少女の姿で風を纏っている。あとは、イタズラ好きが多い。とかね。
そうそう、精霊と妖精には光と闇の属性を持つ者はいない。
なんか、最初の神様の司る力だからっていうことらしいけど…
…ちなみにねーちゃん、妖精使いです。
普通に魔法も使えるんだけどね……
あと、にーちゃんは精霊術が使えます。
我が家チートだね!
さすがにパパとママは精霊術とか、妖精使いじゃないけど、魔法のレベルが半端ないです。
マジ強!
あと、パパは騎士、なのかな…?一回剣の稽古をにーちゃんにつけてるとこを見たけど、キレがヤバかった!
…ごめん、話がそれたね。で、今ねーちゃんがしてるのは妖精を使役して、魔法を使うこと。
……え?稀にしかいないのに、そんなの見る必要あるのかって?
…実は私も妖精使いの素質があるらしいですよ?
最初に蛍みたいなのががめっちゃ舞ってんな~とか、なんかちっちゃい人型のもんがちょっかいかけてくる(ねーちゃんのシルフだったんだけど)的なことをぽろっと言ったら、めっちゃ驚かれて素質があるってことがわかったんだよね。
精霊や妖精が見えるってこと自体は、そこまで珍しいことじゃないんだって。
精霊はともかく、妖精は力が強いだけあって、見えやすいらしい。
ただ、それらと対話する(この時はちょっかいをかけてきてたんだけど)ってなると、話は変わってくる。
見えても、そういう能力や素質がある人間じゃないと、妖精は興味を持たないと…
あんの神様め…
容姿も普通じゃないんですよ…
とろりとした光を含んだ蜂蜜色の髪。
光の当たり具合で蒼から碧へ色を変える翡翠の大きな瞳。
白磁の肌。
幼い可愛らしさと同居しつつも、不思議と目を引かずにはいられない独特な美貌。
…ええ、自分で言ってて恥ずかしいですよ!
でも、ほんとなんです!信じてください!
もとの面影は一切ないなぁ
あと、パパとママにつくづく似てないなって思う。
顔のパーツとかは若干似てるところがある気もしないけど、色とか全然違う。
まず髪の色。ママの髪の色こんなに濃くないし…
次に瞳。色合いが変わるってだけでもおかしいけど、他のみんなはもっと明るいっていうか、透き通った色をしているのに対して、私のは若干黒い…う~ん、正しく言うなら、不透明?なんだよね。
…ほんとに……あの神様殴るしかないよね!
平凡の意味わかってないでしょ!!
…と、思考のほとんどが別の方に傾いているのを悟ったねーちゃんは諦めたように苦笑すると、
「今日はここまでね。」
と言った。
ごめん。ねーちゃん。
「ねーね…」
「いいのよ…難しかったかな?」
ねーちゃん優しい!
とりあえずむぎゅっと抱きついておく。
「ふふ、ティア!」
機嫌がよくなったようで何よりです。
なかなかティアが喋らない…