第9話 気が合う・合わない
「美貴おねえちゃあーん!!」
「おぉー大我!
美貴お姉ちゃんくるまでいい子にしてたー?」
「うん!
僕ずっといい子だったよ!」
「大我は小さいのに偉いねぇ」
「お姉ちゃん!
これ保育園で書いたの!
お姉ちゃんの似顔絵!
お姉ちゃんにあげる!」
「わぁー!
大我上手だね!
ありがとー!」
「うん!」
大我は美貴さんによくなついている。
自分と似たようなものを感じ取っているのであろうか?
それなら僕に全く懐かない理由もわかるような気がする。
「真矢こんにちは!」
「美貴さんこんにちは」
「大我と違って元気ないなぁ
もっと大我を見習いなさい!」
「見習いなさい!」
あなたたちは姉弟ですか?
「ちょっとー
私のしんくんをいじめちゃダメだよ!」
「はいはーい
しんくんごめんねー
でも元気はないよりある方がいいよ
もう高校生なんだから
社会性も身につけないと」
「……はい」
美貴さんの言うことは正しいから反論する余地がない。
いつも的確なことを言ってくるから美貴さんは怖い。
「わかればいい!
よしよし!」
「ああああぁぁぁぁ!!!!
よしよしは私の専売特許なのにぃぃ!!!!」
「もう一回しちゃおうかな?」
「だめぇぇ!!!!」
この人の前では香奈お姉ちゃんでさえ子供の見える。
身長差もあるのかな?
美貴さんの身長は170は軽く超えてるであろう。
お姉ちゃんは160くらいかな?
美貴さんはボーイッシュが似合う女性。
一方お姉ちゃんは可愛い美人?
日本語が変だ……
とにかく香奈お姉ちゃんは可愛い
本当この2人はよく釣り合いが取れてると思う
「真矢もいつまでも香奈お姉ちゃん香奈お姉ちゃんって甘えてちゃだめだよ」
「僕は別に姉ちゃんに甘えてません」
「ああああぁぁぁぁ!!!!
しんくん何で人前では香奈お姉ちゃんって言ってくれないの!?」
「まだ香奈お姉ちゃんって言ってたのか?
本当真矢は昔から変わってないなぁ
体が大きくなっただけ!」
「そこがしんくんのいいところなの!!」
「……」
だからこの人のことは苦手なのだ。