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回想編 後編 (美結主観)

私はそのまま男の子をおんぶし保健室に向かった


保健室で手当てを受けた後、再び男の子をおんぶし、男の子の教室へ向かっていた


「ねー君名前はなんていうの?」


「真矢……西崎真矢です」


「私は桜井美結!」


「今度からはいじめられたらお姉ちゃんに言うんだよ!」


「え?……うん」


「ところで真矢君は1年何組かな?」


「え?」


「あ、もしかしてもう少しお兄ちゃんだったかな?」


「真矢君小さいから1年生にみえちゃった!」


「2年生?」


「えーと……」


「ちなみにお姉ちゃんは4年3組!」


「美結お姉ちゃんって呼んでいいからね!」


「……」


男の子は黙ってしまった


恥ずかしいのかな?


でもこのままじゃ教室まで送っていけないな


途方に暮れていると


「しーんくーん!!!」


男の子を呼ぶ声がした


「はぁはぁ……」


「しんくん大丈夫?」


「保健室の先生から聞いたよ」


すごく可愛い子だった


多分私より上の学年であろう


「あ、ごめんね」


「私は西崎香奈」


「しんくんのお姉さんです!」


「あなたがしんくんを助けてくれたんだよね?」


「本当にありがとう!」


「お名前は?」


「桜井美結です」


「美結ちゃんだね!」


「しんくんのおんぶ大変でしょ?」


「私が変わろうか?」


「あ、大丈夫ですよ!」


「真矢君軽いですし!」


「しんくん小さくて可愛いでしょー?」


「私の自慢の弟だもん!」


「あのー、真矢君を教室まで連れて行きたあのですが、真矢君って何組ですか?」


「お、お姉ちゃん……」


「真矢は4年2組だよ!」


「え?4点2組?」


「言っちゃやだよぉ……」




その後私たちは、グラウンドの一角のベンチに座って話していた


「あはは!じゃあ美結ちゃんしんくんのこと1年生だと思ってたんだ!」


「はい!まさか同学年だったとは思いませんでした!」


「しんくんはおそとだとたまに幼稚園児に間違えられたりしちゃうからなー」


「……」


「ほらしんくん泣かないの!」


「お姉ちゃんが抱っこしてあげるから!」


「嫌だ……」


「え?美結お姉ちゃんの方がいい?」


「同級生の前で抱っこなんでやだ」


まぁそうだろうなー


真矢君は同級生の私におんぶされたのが相当恥ずかしかったらしい


別にこんな小さいんだから気にしなくていいのに



他にもいろいろなことを聞いた


香奈さんは2つ上の6年生


真矢君のことを溺愛している


真矢君は見た目の割には大人っぽく、そこが同級生にとってはイライラする要素になってしまっていじめられてしまうとのこと


心を許した人の前では涙を見せたり、何気なく甘えたりしてくるとのこと


「どうやら美結ちゃんのことは気に入ったみたいだよ!」


「……」


「え?そうなんですか?」


「いくら助けてもらったとは言って、信用してなかったらしんくんはおんぶなんて絶対にしてもらわないし泣いたりもしないと思うから!」


「……」


「しんくんそうだよね?」


「……うん」


「///」


私は真矢君のそのたった一言の「うん」というか言葉になんとも知れない感覚を覚えた


別に恋をしたとは言ってない


ただ単に、なんかほっとけない、この子は私が守っていかないといけないなと思った


「しんくん美結ちゃんにお礼言った?」


「……まだ言ってないかも」


「じゃあ、いつもお姉ちゃんに言うみたいに美結ちゃんにお礼言おうか!」


「え?……恥ずかしいよ」


「助けてもらったんでしょ?」


「ちゃんとお礼言わないとダメだよ!」


「う、うん……」


「み、美結お姉ちゃん……真矢のこと助けてくれてありがとう……真矢嬉しかったよ……み、美結お姉ちゃん大好き……」


「///」


「しんくん可愛いでしょ?」


「お姉ちゃんが溺愛する理由もわかります」


「よく言えたね真矢くん♪」


そう言い私は真矢君の頭を撫でた


どうやら私もこの小動物にはまってしまったらしい


「それとなんだけどね」


「何ですか?」


「私は6年生でずっとしんくんのこと見て上げれないし、来年卒業しちゃうからさー」


「よかったら美結ちゃん、しんくんのお友達になって上げてくれないかな?」


「私ですか?」


「心配しないでください!」


「私も真矢君のこと放って置けなくなっちゃいましたし!」


「だって!よかったねしんくん!」


「……うん///」


「あ!しんくん顔真っ赤っかにしてるー!」


「し、してないよー!」


その後私と真矢は、休み時間とかはいつもいるようになった


周りからは付き合ってるなどと言われ、真矢は恥ずかしくがっていたが、私はなんか気分が良かったな


5年生になると、運良く真矢といっしょのクラスになってずっと一緒に入れるようになった


その後私は、また転校しちゃうのかなという事に悩まされたけど、運が良かったのか、その後転校の話はなかった


そして……





「懐かしいよね!」


「真矢最初同級生におんぶしてもらってたんだよー!」


「はずかしーー!」


「あれは美結が無理やり……」


「あと5年生の時」


「私が転校するって真矢に嘘で言ったら」


「美結転校しちゃやーだぁー!!!って大泣きしちゃったこともあったよね!」


「……美結が嘘ついたから……」


「あのあと香奈さんにはたくさん絞られたけどね……」


「でも……」


「どうしたの?」


「美結には本当に感謝してる」


「いきなりどうしたの?」


「美結がいたから……あのあといじめられなくて済んだし」


「いっぱい話す人もできた」


「今は友哉も友達だけど、美結は特別」


「僕の最初の友達で、僕の一番の親友」


「真矢……」


「だから……美結」


「これからも……と、友達でいてね……///」


「……あー!!」


「もー何で真矢はこんなに可愛いの///」


「あー私我慢できない!!」


といって私は真矢に抱きついた


真矢の頭を胸に抱き寄せる


「よしよし♪」


「やっ、美結恥ずかしいよぉ……」


これからもずっとこの小さくて可愛い男の子と一緒にいたいな


これからもずっと

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