第25話 女装
「……着替えれたよ……」
「おっ!
では、西崎真矢君の女装姿のお披露目です!」
「ひゅーひゅー!!」
「真くんの女装……」
みんな盛り上がってる
この場でただ1人テンションが上がっていない僕
みんなのテンションを分けて欲しいよ
「では、我が友達真矢こと、西崎真矢君、どうぞ!!」
友哉がそう言ったと同時にカーテンが開かれる
もう覚悟しよう
どうにでもなれ
「おっ……おぉ……」
「私の制服なのに私より似合う……」
「真くん女の子みたいで可愛い!!
これからはしーちゃんだねっ!
もぉー本当可愛い!!」
友哉は動揺し
美結は嫉妬し
お姉ちゃんは興奮している
男が女の子の制服着た姿を見てどこがそんなに面白いのだろうか
「もうこの制服真矢にあげようかぁー?
あ、でも真矢には156cmの小柄な女の子の制服もぶかぶかだからまだ早いかな?」
「みーゆーちゃん!
しんくんに体の小さいこと気にさせるようなこと言わないの!
しんくんはこのままでいいの!!」
その言葉だけでも充分気にしちゃいますよお姉様……
「まー真矢は小さいところが可愛いですもんね!
私より大きくなっちゃったら真矢じゃない気がします!」
「そーそー!
美結ちゃんわかってるぅー!
あっ!でもしんくんのことはあげないからねー!!」
「はいはーい」
「あのー……そろそろ着替えてもいいかな?」
「あっ!そうだ!みんなで写真撮りましょうよ!
しーちゃんを真ん中にして!」
「ちょっ
友哉何言ってるの?」
「友哉ナイスー!」
「友哉くん名案だね!」
「えー……」
「じゃあしんくんが真ん中で
隣が私!!」
「じゃあ右隣が私!」
「じゃあ俺は美女三人の邪魔にならないように後ろにいましょうかね!」
「はぁ……」
「しんくん!!
美女2人に囲まれてるんだからため息なんてしたら罰が当たっちゃうよ!」
「じゃあ店員さんお願いしまーす!」
「はいっ!チーズ!」
パシャ
「あーもう今日は恥ずかしかったよ
学校で会ったら美結と友哉覚えてろよ」
「しんくんそんなこと言わないの!
お姉ちゃんしんくんの女装姿みれて嬉しかったよ!
お姉ちゃんが嬉しかったことに免じて2人のことも許してあげてね!」
「……お姉ちゃんがそこまで言うなら」
「しんくんありがとう!
しんくんはやっぱりいい子だねー!
よしよし」
「お姉ちゃんこんな場所で恥ずかしいよ……」
「誰も見てないから大丈夫!
じゃあしんくん
お姉ちゃんと家まで競走だぁー!!」
「え?
ちょ、ちょっと待ってよ!!」
お姉ちゃんは運動もできて足も速く
運動ができない+制服を持ってる僕がコテンパンにやられたのは言うまでもなかった
そして、着々と高校の入学式の日は近づいていった




