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第24話 美男美女

練習も終わり

僕とお姉ちゃんは帰路につこうとしていた


「しんくんかえるよー!」

「うん」

「真矢君また来てね!

真矢君なら全然オッケー!」

「あ、ありがとうございます南科先輩」

「南科先輩?

若葉お姉ちゃんでしょー?」

「え?」

「こらっ!

お姉ちゃんは私の特権だよ若葉ちゃん!」

「すいませーん!

真矢君またねっ!」


家に帰っている途中

お姉ちゃんがふとつぶやいた


「若葉ちゃんもこれをきっかけになれてくれたらいいなぁ……」

「え?」

「若葉ちゃんね

男の子のこと苦手なんだよ」

「え?」


全くそんな風には見えなかったけど

そうだったんだ


「苦手というより、嫌いなのかなぁ?

吹奏楽部にも男子はいるけど全く話さないし、まぁ仕方ないんだけどね……」

「仕方ない?

何で?」

「うーん……

しんくんはまだ子供なんだからこういうこと気にしなくていいの!」


めちゃくちゃだ……

何か男性不審になる出来事があったのだろう

深く追求はしないでおこう


「そういうとしんくんは今日の夜なに食べたい?

しんくんの好きな唐揚げがいいかなー?」

「お姉ちゃんが作ってくれるなら何でもいいよ」

「しんくんかわいいぃ!!

お姉ちゃん頑張っちゃお!!」


こうして僕たちのほのぼのとした時間は過ぎて行き

入学式の日が近づく


「お姉ちゃんどうかな?

僕制服似合う?」

「うんっ!

すごい可愛い!!

小学生の男の子がお兄ちゃんの真似して制服きてるみたい!!」

「クスっ」


店員にさりげなく笑われた……


「お姉ちゃん恥ずかしいからそういうこと言わないでよ……」


今僕たちが何をしているかって?

僕たちはその日制服の採寸をしにきていた

うちはお母さんが相変わらず忙しいからお姉ちゃんが採寸についてきた


「しんくんおめめがうるうるしてるよぉー?

かわいいぃー!」

「でも弟さんもお姉様と一緒で、小柄ながらスタイルがいいので、とてもお似合いですよ!」


褒めてもらってるのかけなされてるのかわからなくなった


「よー真矢!」

「あっ、友哉……」


そこにいたのは、制服を着て少し大人びた雰囲気になった友哉

友哉は背も高いから制服も様になっていてすごい似合う

性格は子供っぽいかもしれないけど、見た目は大人っぽくて落ち着いてるから、そこもすごく制服を引き立てていてかっこいい


「ちなみに私もいまーす!」


美結もいた

もともと可愛らしい雰囲気を出しているから、漫画のヒロイン的な要素を出している美結

この2人が並ぶと本当に美男美女っていうのを思い知らされる


「友哉君も美結ちゃんもよく似合ってるねー!」

「弟さんもよく似合ってますよ!」

「それは言わなくてもわかってる!」


という友哉とお姉ちゃんのやりとりを静かに聞く僕

早く帰りたい


「真矢は女子の制服も似合いそうだね!」

「美結ちゃんもそう思う?

私も思ってたんだー!」


絶対言われると思った

早く帰りたいのはこういう理由もあったからである


「でもお姉ちゃんの制服だと大きすぎるだろうなぁ……」

「なら私の制服どうですか?私のでも充分大きいと思いますけど……」

「なら美結ちゃんの制服着せよっか!」

「真矢がんばー!」


おいおい何3人で勝手に話し合ってるんだよ……


「僕着れないよ……」

「私は別に真矢なら気にしないよ?」

「でも……

別に着たくもないし……」

「しーんくん!

無理やりか自分で着るかどっちがいい?」


お姉ちゃんがにやにやしてそう言ってくる


「……わかったよ……

着るから……」


結局無理やり女子用の制服を着ることになってしまったのである


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