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第21話 合否

そしてとうとう

運命の日がやってきた

合格発表当日

制服だと緊張を助長するということで

お姉ちゃんが今日の私服を準備してくれている


「じゃあこのスカートとこの……」

「それお姉ちゃんの服じゃん……」

「しんくん絶対女の子の格好似合うと思うもになぁ……

一回だけやってみない?

もうすぐ女の子の格好も似合わなくなっちゃうよ!」

「やらない……」

「昔はお姉ちゃんのお下がりばっかり着てたのに……」


さすがにこの年でその格好は変態だと思う……

しかもお姉ちゃんの小学校の頃の服を着れるなんて情けなすぎる……


「僕部屋で服きてくるね」

「じゃあここで脱ぎ脱ぎちまちょうねぇ〜」

「……部屋行ってくるね……」

「うん……」


そういって部屋に向かう

最近お姉ちゃんは僕をすごく子供扱いしてくるような気がする

そう思った


そして服を着替え

お姉ちゃんのいるリビングへと向かった

「相変わらず可愛い格好だねぇー」

「僕の体格だと子供用しかないから……」


僕の身長は144cm

しかも少し痩せてる分

150cmのサイズは着れないから140cmのサイズを着ることになる

140cmでメンズの大人用は全く売っていない

だから必然と子供用になる


「お姉ちゃんは制服だけど気にしなくていいからね!」


お姉ちゃんは

この後に部活はあるから制服をきている


「しんくん可愛いから年上のお姉ちゃんたち襲われないようにね!」


大丈夫でしょ

いちようお姉ちゃんっていう防御壁があるし


「ならいこっか!」


僕たちは家を後にした


銘城に向かうにつれて

だんだん緊張してきた

歩く速さが自然と遅くなる


「しんくん?

やっぱり不安かぁ……

でもこれだけはお姉ちゃんにもどうにもできないからなぁ……」


そうだよね

お姉ちゃんに余計な心配かけちゃったな……

僕から大丈夫ってところ見せないと


「お、お姉ちゃん!

僕もう吹っ切れたから

行こ!」

「しんくん……

お姉ちゃん嬉しいなぁ……

大丈夫だよね!」


お姉ちゃんが笑顔になった

僕はこれだけでなぜか合格するより嬉しかった


そしてとうとう

合格発表の現場にやってきた

すでに友達同士騒いでる人、泣いてる人、親と一緒に元気なくとぼとぼ帰る人

いろんな姿があった


「じゃあ見てくるね……」

「うん……

しんくん?

どんな結果でも受け止めるんだよ?」

「うん……」


そして僕は掲示板の方へ向かった

2046

2046

……

あった……

やばいあった!

合格してた!!

僕はお姉ちゃんの方へ戻って行った


「……」

「どうだったの?」

「あった……

合格してたよ……」


僕はすでに泣いていて

声が思うように出ない


「しんくんよかったねぇ

でもえーんえーんしないの!」


お姉ちゃんも泣いてるじゃないか……


「でも本当によかった……」


そういってお姉ちゃんは僕を抱きしめる

僕もお姉ちゃんを抱きしめ返す

周りが異様な目で僕たちを見る

こうして10分間くらい

僕たちは抱きついていた

すると


「あ!香奈先輩だぁ!」


そう言って数人の女の子が近づいてくる

香奈の部活の後輩かな?

僕はそう考えた


「あ、みんなー!」

「今日弟さんの合格発表だったんですよね?

どうだったんですか?」

「合格してたよー!」

「おめでとうございます!!」

「お兄ちゃん合格しててよかったねぇ〜

よしよし」


ん?


「若葉!

よしよしは私だけの特権!!」

「あ、ごめんなさい!」


そう言って若葉と言われる子は僕から離れる


「香奈先輩四人兄弟だったんですか?

香奈先輩に中学生の真矢くんに大我くん

それに小学生のこの子と!」


どうやら小学生に見えているらしい


「この子がしんくん!

小学生じゃないよ!」

「え?そうなんですか!?」

「私の小学生の妹より小さいですね!」


そりゃ悪かったね……


「一つしか年かわらないけどちっちゃくて可愛い……」


そう言って若葉と呼ばれる子が僕を抱きしめ頭を撫でる


「わーかーばーちゃん!!」

「あ、ごめんなさい!

私小さい子見るとなでなでしたくあげたくなって……」


若葉ちゃんと呼ばれる子は再度僕から離れた


「じゃあしんくん

お姉ちゃん部活行くから

1人で帰れる?

えーんえーんもうしない?」


お姉ちゃん恥ずかしいから本当にやめてくれ……


「うん……大丈夫……」

「じゃあお姉ちゃん行ってくるね!」

「真矢くんまたねっ」


そう言ってお姉ちゃん達は部活に行った

とりあえず合格しててよかった

そう思いながら僕は帰路についた

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