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第18話 お姉ちゃんはお姉ちゃん

「はぁはぁ……

しんくん!

あれは違うんだよ!

好きなのは蒼汰くんだけど

一番好きなのはしんくんだよ!!

どっちが好きって聞かれたら蒼汰くんだけど

一番好きなのはしんくん!」


お姉ちゃん……

無理してるのかな……


「お姉ちゃん……

ごめんなさい……」

「え?

しんくん!?」


涙が出てきた

本当情けない


「しんくんどうしたの?

何で泣いてるの?」

「だって……

僕はお姉ちゃん重荷になってるから……」

「え?

誰がそんなことを?」

「僕のせいで彼氏も作れなくて……」

「……

美貴何か吹き込んだでしょー?」

「香奈お姉ちゃんは真矢のせいで彼氏作れないのかもよーって言っただけだよー!」

「美貴!!

私はしんくんにしか興味ないって言ったでしょ!

他の男はどうでもいいって!」

「ごめんごめん!

泣きそうで可愛かったからいじめたくなっちゃって!」


よく話についていけない


「でもお姉ちゃんもそのうち結婚しちゃうんでしょ?

僕がいると……」

「もー!

その時はその時だよ!

今お姉ちゃんにとってはしんくんが1番なの!

だからお姉ちゃんのこと嫌いとか言われるとお姉ちゃんすごく悲しい……」

「ごめんなさい……」

「なら本当はどうなの?」

「え?」

「今のままじゃしんくんはお姉ちゃん嫌いなままだよ?」


……

お姉ちゃんは意地悪だ

さっきの表情とは一転

小悪魔的な表情で僕を見つめている


「お姉ちゃんのいじわる……」

「そんな可愛い顔してもだめっ!

好きなのかな?

嫌いなのかな?」

「……好き」

「誰を?」

「……お姉ちゃん」

「よく言えましたぁー!」


そう言ってお姉ちゃんは僕を抱きしめる


「よしよし!」

「本当ブラコンシスコン姉弟だなぁ……

これじゃ大我も懐かないわけだ……」

「大我も可愛いよ!

ただしんくんはほっとけないからっ!」


そう言われても仕方が無いことを今日実感した

大我より僕は全然てのかかる子だ


「……お姉ちゃん?」

「んー?」

「蒼汰はまだいるの?」

「蒼汰くんはもう帰ったよー!」

「そっかぁ……」

「しんくん!

蒼汰くんはまだ子供だから

しんくんもさっきみたいな時は我慢しようね!

お兄ちゃんでしょ?」

「うん……」

「あ!

しんくんは1人じゃねんねできないし、すぐえーんってしちゃうから赤ちゃんだねっ!」

「真矢1人じゃねれないの!?」

「この前お化けが怖いって言ってたんだよ!」

「……美貴さんの前で言っちゃやだ……」

「しんくん!

えーんえーんしないの!」

「泣いてないもん……」

「ほらっ!

こんな日くらいお姉ちゃんに甘えなさい!

何なら美貴お姉ちゃんのところでもいいよー?」

「だめっ!

美貴は危ない!

しんくんこっちだよぉ!

お姉ちゃんのところまで上手にあんよできるかなぁ?」


歩けるに決まってるよ……


「お姉ちゃん……

お腹すいた」

「あ、しんくんまんままだだもんね!

帰ろっか!」

「うん」

「お姉ちゃんのおんぶしてもらって帰りなさい!」

「帰りません……」


こうして僕たちは美貴さんの家を後にした


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