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第17話 嫉妬

「あれー?

お兄ちゃんだぁー!」

「え?

お兄ちゃん香奈と家にいるんじゃないの?」

「でもあそこにいるよー?」

「本当だねぇ……

ちょっと大我待っててね!」


「真矢?

どうかしたの?」

「……」

「……大体わかった!

ほら入って入って!」


美貴さんは事情を把握したらしく

僕を家に入れた


「大我こっちの部屋で遊んでてなー!」

「はぁーい!」


大我は美貴さんの言うことにはなんでも従う

この2人が姉弟だったらよかったのに


「それでー?

どうせお姉ちゃんが他の子の事好きって言ったとかでしょー?」

「……」

「やっぱりそっかー

真矢も昔から変わってないね

昔もよくお姉ちゃんとの事で何かあるとうちに来てたもんねー」

「……」


それは昔

7年くらい前かな?

今と同じような理由で

真矢が私の家に来た時だった


ピンポーン


「はーい!

あら真矢くん!

美貴!!

真矢くんが遊びに来たわよー!」

「はーい!」


「……またお姉ちゃんと何かあったの?」

「……うん」


真矢は香奈との事で何かあると私の家に来る癖がある


「……お姉ちゃんが男の人にチョコ作ってた……」


あぁークラスのみんなにあげる義理チョコのことだなぁ……

女子みんなで一人一つずつ作ろうって言ったやつ


「あれは義理チョコって言ってね

本命のじゃないんだよ!」

「……僕のより先に作ってたもん……」


たったそれだけの理由かい……

あんたも可愛いこやなぁ……


「しんくーん!!!!」


香奈がきた


「はぁはぁ……

しんくん!

あれは違うんだよ!

お、お姉ちゃんは好きなものは最後に食べるタイプだから

しんくんの分のチョコも最後なんだよぉ〜」

「……本当?」

「うん!

だからしんくんお家帰ろっ!」

「……うん」


この姉弟は何なんだ……


「お姉ちゃん……」

「ん?

しんくんどうかしたの?」

「……おんぶ……」

「しんくんお姉ちゃんにおんぶしてもらいたいんだぁー?

おいでおいで!」

「……うん」





「それで今日は何があったの?」

「……

お姉ちゃんが……」


美貴さんは呆れた顔をしていた

そりゃそうだよね……


「真矢……

久しぶりに来たから何かと思えば……

あんたももう子供じゃないでしょ?

そりゃ私が香奈でもそうするよ」

「わかってるんです……

だから余計嫌になっちゃって……」

「もう真矢も高校生だから言うけど

香奈もいつかは

彼氏できて

結婚して

子供産んで

真矢のことは構っていられなくなるんだよ?」

「……」

「もしかしたら香奈が今まで彼氏つくってないのは

あんたのことがあったからかも知れないね……」


胸が締め付けられた

僕が香奈お姉ちゃんの重荷になっている

僕のせいで香奈お姉ちゃんは……

その時


「しんくーん!!」


香奈お姉ちゃんの声がした




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