初日
「で、お前さんはここに来て働こうってわけか。」
やばい、殺される。
「まあ、専門学校を出てスミレ様の執事やれるとはどれだけの才能かと思ったら
ただ成績が良かっただけだとはな。」
え!成績以上に必要なものってあるの?
というか、この状況だけでも俺はもうこの仕事辞めたい。
いやいや、まだ始まったばかりだぞ。何を弱気になってんだ。
「まあまあ。いいところもあるんじゃない?うちの亭主が雇ったんだし」
「・・・・・同感。」
仕方ない。状況を説明しよう。
俺は今ここにいる執事3人に囲まれている。
たぶん相当な実力と信頼をもった。
まあ、俺も普通の執事だったらここまで怖がらないよ☆
だって、武器見えてるんだもん。
『嘘だろ(笑)』とか思ったでしょ。
いやいやマジのほうで。
日本刀にナイフ、銃とかチラチラ見えてるの。
「まあ、俺達はお前さんが慣れるまでの間の世話係にたいなもんだ。」
あっ、あんまり怖くもないのかな?ていうか世話係って?
「これからよろしくな。」
「よろしくね」
「・・・・・同感。」
「あの、こちらこそよろしくお願いします。」
言えたぁ。お願いします。って言えたぁ。
「まあ、お前さんに教えることはたくさんあることだが。」
教えること?
「まあ、自己紹介といくか。」
「俺は、晃騎。 主に戦闘とかだな。教えることは。」
えっ、戦闘???
「俺は、裕。 君に教えることは家事とかだね。」
やっぱり聞き間違いだったかなぁ。戦闘。
「・・・・・蒼。 料理を教える。」
料理かぁ。
「類能 夜魅です。」
「じゃあ、まずはじめに、お前さんの武器を・・・」
「え?」
「? 暗殺一家だし、いつ襲われるかわからないからな。
武器は持ってて当然だ。」
だから武器が見えていたのか。
「お前さんの武器は、これだな」
渡されたのは、棒?のようなもの。
「これは、相当固い物質だからコンクリぐらいは壊せると思うぞ。
まあ、使い方は日本刀みたいなもんだ。ただ切れないがな。」
詳しく説明すると、黒い色をして、簡単にいえばステッキのような。
あ、ご丁寧に手を掛けるところもついている。
まあ、ステッキというのが一番わかりやすいと思う。
「俺ら仕事あるし、まあ頑張って。」
「まあ、あれだ。疲れただろうから、今日は休め。寮に先に帰っていいぞ。
スミレ様には俺から言っておくから。明日からは、ちょっとの間は
地獄だ。今のうちに身体休めとけ。」
「あ、はい。ありがとうございます。」
「おう、休んどけ」
「おやすみ」
「・・・・・同感。」
えっと、僕の部屋は・・・ここか。
疲れた。殺されるかと思った。
明日から・・・大変そうだなぁ。
今日は、寝よう。
こうして、僕の初日が終わった。
日記「 今日は、疲れた。
明日から地獄だから、早く寝ようと思う。
俺の武器は『黒光りするステッキ』みたいなやつ。
使い方は、晃騎さんに教えてもらおう。
明日から、頑張りたい。 」
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