第八話
「・・・お前等うるさい。」
静かにだが明確な〈殺意〉と言うよりは死ぬ前のダルさから来る八つ当たりで睨みを利かすと、さっきまでこれが二つの物体で出せれるのかと言う位大きな音をたてていたモノ(・・)が瞬く間に黙った。
「「本気の殺気をとばさないでください!!後、モノ扱いは酷いです(ぞ)っ。」」
――――そうかな?結構ふざけて殺ったんだけどな。
「文字がぜってーちげえ!」
「そえです!てか、言葉使いが汚いですよっ。何回言えばいいんです?!」
・・・・チッ。やっと静かになったと思ったのに。
ああ、・・・ヤバイ。マジでだるいから殺っちゃおうかな?
そうだそうしよう。そうすれば楽になる!
「「ブラック過ぎです(だ)!!」」
こいつ等何時の間に俺の思考を読んでいやがったっ。口論してて気付いていない筈なのに―――――!!
「「全部口に出てます(るよ)!!」」
わざとに決まってるだろ'ε'
「「何かムカつく!!」」
ふっ・・・。遂に***の化けの皮を剥いでやったぜ!敬語キャラだと思わせといて実は乱暴者な鬼蓄キャラだってのは、他の奴に隠しきれていても俺は騙されないぜっ。
「・・・・そんな事の為に私をオチョクッたのですか?」
何を言う。それ以外にどんな理由があると言うのだ!
答えは、否っ。人は誰でも猫を被っているが、それに合わせてやる心算は無い!
「へぇ・・・。言い訳はそれだけですか?」
ん・・・?何か寒気がしてきた。 ガクブルガクブル
「うわ~、魔王降臨しちゃったよ。―――――俺は隠れておくとするか。」
何いそいそと隠れようとしてるんだ!死ならば諸共だぞっ。
「やめろ~。俺を巻き込むな!」
お前はなんて薄情な奴だ!部下としても友としても、果ては親としても(・・・・・)愛情を注いでやったのにっ。
恩を仇で返すとは何事だ!!!
「それは魔王とは関係ねぇ!ここで逃げなきゃ命が無くなるのは目に見えてる。ここは逃げるが勝ち精神の活躍場だっ。」
な、なんとっ。親を見捨てる子供があるかー!ホントに逃げるとは心底見損なったぞっ。
俺はそんな子供に育てた覚えはなーい!
「・・・・そうですか。そんなに二人仲良く一緒に逝きたいなら、お望み通りにして上げますよ。」
語尾にニコッとでも付きそうな位、不気味に笑った***は両手に光魔法【光剣】で造られた西洋剣を握り、○○○と****を追い駆け始めた。
***は天使を彷彿とさせる様な笑顔だが、目が全く笑っていない。逆に妖しく底光りしている。
逃げている○○○と****もふざけている様に見えるが、目がマジである。マジもマジの大マジである。
それからどれ位か経つと、どちらからともなく追いかけっこ(?)をやめ、互いに感慨深い笑顔を湛え静かに笑い声を上げた。