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チートな種族になったのに  作者: 霧島かこい
第一章
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第二話

またですが、文の量を増やします。

よろしくお願いしますm(_ _)m


 Aさんが不気味な笑い声を響かせてから、早幾日―――。遂にVRMMO《tide of the times》はβテストの日を迎えていたのだった。

 勿論Aさんの自らの邪念の為の緻密(?)な計画も並行して進んでいた。成功するかは別としてだが…。


 Aさん~side~


 来たー!!遂にこの日が来たぜぞ!

 同僚からは文句や愚痴も言わず熱心に仕事・・をしていた為、「お前熱でもあるのか?」とか「何かキモいぞ」と言われたが気にしない。

 俺は自分の夢にはインターバル無しで全力で取り組める奴だ!キリッ


 と、自慢にもならない事を心の中で叫ぶAさんだった。だがAさんが真面目に仕事をやってくれたお陰で余裕をもってαテストを迎える事が出来たのもまた事実…。例え動機が不純であったとしても、であるが。



 αテストが開始され、次々にVRMMO《tide of the times》のαテスターがダイブしていく。

 勿論その中にはこの物語の主人公である皇 帝クロス・ウォッチも交じっている。


 ここでVRMMO《tide of the times》のαテストの事を少し紹介しよう。

 VRMMO《tide of the times》はαテストでありながら、千人ものテスターを選んだのだ。

 あまりにも異例な試みの為、いちゲームでありながら一時期世間を騒がすまでにもなった。

 それなのでαテストに申し込む人は二万人を上回ったという噂も流れた。


 なのでAさんが2つも設定を任されたという事は、人手不足か食中毒かは分からないがそれだけ優秀と認められているという事だ。

 Aさんはスキル設定と種族設定の2つをやらせるなんて殺す気かと嘆いていたが、それはAさんが凄腕の主任だと周知されているという事の証明だ。


 本人は分かっていないが嫉妬した輩が度々ちょっかいをかけてくる。

 その度忙殺されそうな仕事が原因の超ポジティブ思考と生来の鈍感さで、嫌味を言われてる事に気付かず逆に周りが憤るという現象が多々起こる。



 そんな実は凄腕(?)Aさんの計画をここで公開しよう。


 なんと設定した種族以外にクロノス族という種族を作る暴挙に出たのだ。勿論自分のチームに内緒で、だ。

 そこで、クロノス族の設定をもう一度思い出してみよう。


 クロノスという種族は時空神クロノスの名が付いている事から、時空間魔法を最も得意とする。他の属性も全て並み以上に使えるし、身体能力も非常に高い。

 まず時空間魔法自体が最上級にランク付けされる魔法だ。チートなバランスブレイカーここに極まると言ったところか。

 普段は正道青春派を好むAさんは徹夜明けのテンションで男のロマンである超チートにしてしまったのだ。

 だがドジっ子Aさんである。その計画はチームに知られる事となり、Aさんは皆にこっ酷く叱られたのだった。

 しかし時、既に遅し。「クロス・ウォッチ」はどこかにシステムに流出、ランダム設定でなれる種族の一つにロックされてしまった後だった。



 そんな「クロス・ウォッチ」を皇帝が何の因果か手に入れる事になり、急遽運営の方とVRMMO《tide of the times》の中で御対面となった。




 と色々、チートな種族が生み出された理由や種族の説明をされている。そこで俺は疑問に思った事を聞いた。 


「…事情は分かりました。それでこのアバターは消去デリートですか、引き渡しですか?」


 俺は金髪でコバルトブルーの瞳の王子風な雰囲気を出している人と、赤髪で琥珀色の瞳の将軍の様な威圧感を醸し出している人に聞いた。

 ――――うん、<王子風な>とか<将軍の様な>って長いし面倒くさいから王子と将軍って呼ぼう。…心の中で。

 へタレじゃありませんよ?チキンなだけです! 


 しっかし、消去or引き渡しのどちらになっても俺に得はないな。

 キャラクターメイクに3時間もかけて造ったのに、プレイすらできずに終わるってどんな試練?!

 折角テーマ「神々の遊び(笑)」をイメージした彫刻から抜け出てきた神風に出来たのに…。やり過ぎな位の出来だったのに…。

 動かせずに終了は酷いだろ。


 まあアバターへの熱意と説明は程々にして、そろそろ現実を見ないと。俺のスマイル0円攻撃(?)を受けた王子と将軍は表面上は平静を装っているが、レーザービームの様な視線がその他諸々の努力を全てち壊していた。

 敢えて隠していないと言うよりは忘れていると言った方が正解かもしれない。…何と言うか、もう少し気張って欲しいものだ。


 意識を何処かにトばしている主従'sを放置して結構失礼な事を考えていると、王子が俺を、いや俺のアバターをボーッと見ていた目に光が戻った。

 やっと帰って来た様だ。俺が少し苦笑してしまったのも仕方ない。―――と思う。

 ――――俺の所為、だと?不甲斐ない主従'sが悪い!強い者こそ正義だ!


 おっ、将軍も帰って来てる。てかメチャクチャ睨まれてる。

 これは…、視線で人を殺せるなら殺られてるな。まあ俺から言わせると、殺気にもなっていないので怖くありませんが。


 怖くはないが少し苛付いたので、余裕を見せ付ける為に少し微笑んでみます。

 …あらあら余計に睨まれました。


 ―――何か性格変わりそうです。主に性格と言うか口調がアバターの容姿に引っ張られて敬語に変わっていきそうです。

 別にこれ以上チキンにならなきゃ良いんで、どうでもいいんですがね。クスクス

 …というか、早く質問に答えてくれませんかねぇ。今はそちらの方が重要です。元々自分で作った容姿なので、効果の程は織り込み済みですし。


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