第一話
後半は第一話に繋がります。
まだ文の量を増やすかもしれませんので、宜しくお願いしますm(_ _)m
俺の名前はクロス・ウォッチ、しがないプレイヤーの一人だ。
まず初めに言っとくが、俺の種族は人間じゃない。
勘の良い人は名前を聞いて分かったかもしれないが、『クロノス族』って言う時空神クロノスの名前を冠した種族だ。
見た目は人族なので周りには人間だと思われている・・・・。まあ、訂正するつもりはないがな。
初めにクロノス族について説明しよう。
クロノス族は時空神クロノスの名が付いている事からも分かるが時空間魔法が得意だ。
四大属性や派生属性、特殊属性も全て並み以上に使えるし、力を悪用されないため過酷な環境で生活している事から身体能力も非常に高い。
分かり易く説明すると森人並みの魔法特性に竜人族並みの身体能力を持っているという事だ。
これを聞くとなんてチートな種族なんだと思うかもしれないが、まだまだチート種族のバランスブレイカー設定は続く。
この世界の種族寿命はその身に宿す魔力で決まる。
クロノス族の平均的な魔力はエルフの約1000倍。この時点でクロノス族はハイパーミラクルウルトラ超長寿なのは分かって頂けただろか?
一応言うと10万年は軽く生きる。個人差はあるが約2万歳位で一人前だと認められるようになる。
何故2万歳「くらい」なのかは理由がちゃんとある。クロノス族にとって年齢というものはそんなに重要ではないからだ。
クロノス族で言う一人前になるとは、時空間魔法を完璧に掌握したという事だ。
クロノス族は時空間魔法を完璧に掌握すると瞳の色が紫から碧に変わる。それが一人前の証になるのだ。
紫の瞳は時空間魔法を無意識のうちに使っているか不安定だという事を表している。
碧になったというのは完璧に掌握した証で今後は時空間魔法を使っている時は紫に変わる。
さて『クロノス族』のあれこれを説明したがここで気付いて欲しい。
何故こんなに詳しく説明できるのかという事に。
別にキャラメイクの時に書かれている情報ではない。余りにバランスブレイカー過ぎるし、こんなのいたら物好きプレイヤー以外全員が選ぶよ。
そう!只今クロス・ウォッチこと皇 帝は何故だか知らないが「GMと御対面からの」というチートな主人公の小説的セオリーを飛び越して、いきなり運営の方に「御対面」というチキンな俺にとってはもう病院送りじゃ済まされない的な感じなのだ。
そして色々な説明をされているわけだが、少し情報整理をしてみよう。
クロノス族諸々の事は上記の方で説明しているが、問題は何故こんなチートな種族がゲームにいるのかである。
その前に言わなければならない事がある。
ゲームと言うのは良くも悪くも人を惹き付けて放さない。それは運営の方であっても例外ではない。もしかしたらゲームを作る方が余計にその魅力にとり憑かれるのかも知れない。それを肝に銘じていて欲しい。
まず初めに、本来のVRMMO《tide of the times》にはクロノス族は存在しない。
そう先程の説明と前振りから分かると思うが、余りにチートなバランスブレイカーっぷりを発揮し過ぎている。
てかこんなのは邪道だろ。だんだん強くなっていくのがRPGの醍醐味だと俺は思っちゃうわけですよ。
…えっ、俺の醍醐味いらない?あはは、最近の読者様は厳しいなー。
エー、コホンッ。
先程の説明と前振りからなんとなく分かるが、これは完璧に運営側のアクシデントだった。
事の始まりはそう、運営の開発部のある一人の男性の一言から始まる。この男性の事は以後、Aさんと呼ぶ事にする。
「あー。ヤバイな、肩の凝り具合と電波的脳内が。」
いつも冗談半分、本気半分の発言をするAさんは同僚から「何時も通りだろ(笑)」という返しを貰った。
いつも通りの何て事ない仕事が殺人級に忙しい日常。←何て事ない?
しかしその時のAさんは肩の凝り具合と電波的脳内の比率が1対9で真面目にヤバかったのだ。
Aさん~side~
ヤバイ、マジでこれはヤバイ。
ずっと徹夜でキャラクター設定と種族設定してるからゲームする時間がない!
誰だよっ。普通二つもするか?!まず有り得ねえよ。というかこのままじゃ、マジで死ぬ。
…死んだら天国でゲーム三昧な死生活送れるかな?
はっ。今、何かとんでもない事を考えていたような?
同僚に言ってもお前はアホかってつっこまれるだけだし、普通ならやらないんだろうけど俺には耐えられないっ。
は~…。ゲーム好きだったのが高じてゲームを作る仕事に就いて早五年…。こんなにゲームに深く関わっているのに、こんなにゲームをできないなんてっ。酷過ぎる、ゲーム好きにとっては酷過ぎるぜ!何か案はないものか…。
あれをこうして―――いや、これは無理があるな。こうすれば―――いや、これでは俺が倒れるな。
傍目にはブツブツと言いながらキノコオーラを発している様にしか見えない。と言うより、それ以外に如何見えると言うのだろう…。おっ、結論が出たようだ。
そうだ…!何だ、とても簡単な事だったじゃないか。そうだ、そうすれば俺が満足できるな!!!
―――――自己完結+情緒不安定な発言の数々で、周りの人から完全に可哀想なモノを見る目で見られていた事に気付かないのだった。
というか仕事頑張って、一段落したらやろうと思わないのか…?てか、まだブツブツ言ってる―――!?
よし!そうと決まれば、忙しくなるな。だが全てはおr…ではなくゲームの為。うおーっ、燃えてきたぞ!
こうしてAさんはVRMMO《tide of the times》開発部に「あいつ大丈夫か?」的な微妙な空気を振り撒いていたが、自分の邪念に妄想を膨らまし周りの空気を読まず花をとばしまくる。
しかしそんなAさんの狂行は開発部にとって突っ込まないのが暗黙の了解であり、既に日常茶飯事だったので見逃されてしまったのだ。