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チートな種族になったのに  作者: 霧島かこい
第一章
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第九話

今回は突然シリアスが入ります。

入れない方が良いと思った方は、感想お願いしますm(_ _)m


 誰からともなく笑い出したので、終わるのもまた然り。

 そして訪れた静寂は決して気まずいものではなく、逆に分かり合えてるからこその静寂であった。

 

「――――で、お前等が態々来るなんて何か遭ったのか?」

 分かり切っている事だが言わねばこいつ等が何も言えなくなってしまうから、俺は静かに問う。

 それでもやはり俺から問わせる事が嫌なのか、こいつ等は顔を顰めてしまう。

「おいおい。俺のまで来て、顰め面とは良い度胸だな!」

 元気出せ的な意味も含みつつ、適度に遊んだ。

「「いやいや、マジで痛い!」」

 そう言って、堰を切らした様に泣き出した。

 やれやれ、全く何時まで経っても子供のままである。・・・これじゃあ、安心して逝けないというものだ。

 微苦笑を口の端に浮かべていると、目敏く気付いた****が悪戯が見つかった様にぷいっとそっぽを向いた。

―――――真面目にこれは大丈夫だろうか?特にこの世界が・・・・。

「いや、そっちを心配して如何どうするんですか。本格的に拗ねますよ!」

 何時もは****を宥める側の***が頬を赤らめて言ってきた。

 ――――何て可愛いんだ!流石我が子供たちだっ。

 

 変な所で親馬鹿と子馬鹿を発動させる親子である。

 

「・・・では、本題に入ります。」

 今までの会話は何だと思える位に見事な冷静ぶりであったのでした。

 おいおい、それはないだろう?!今までの引っ張りは何だったんだよっ。

「「サービスです(だ)!」」

 何得意げにドヤ顔してんだよ。俺の感動返しやがれ、このヤロー!

 とまあ、子の照れ隠しに付き合ってやるのも親の務めだよな!うんうん

 ――――何で損な憐れんだ様な目で見てくるんだ!・・・まさかっ。マジなのか、超マジなのか?!

 “分かってるくせにホントに面倒くさい親だなー。クスクス”

 まさにこの表情こそ親をこよなく愛する***と****の素顔である。

 しかし子の心親知らずな道化を演じる者に時間タイムリミットがやって来た。

 

 ~洗濯をしてから皺をのばし干して乾燥させる。そして乾いたら洗濯物は着る事の出来る物に早変わり。~

 

 遥か昔、まだ○○○が神であった頃。冗談交じりに嘯いた歌が今自分の身に起きている。

 そして思うのだ。〝昔の自分を殴ってやりたい〟と。

 考えた事があっただろうか。自らの心の赴くまま、神をやめ子に押し付け人間に生まれ変わるという未来を。

 答えは、否。このまま何不自由なく在り続けるのだと楽観的に思っていた。いや、思う事が出来ていたのかも怪しい所だ。

 今振り返ると何とも杜撰、何とも子不孝な親であった。なのに、昔の自分が決めた事で今も子を傷付けている。

 もう自分ではとおに切り捨てたと思っていた筈の昔の自分に負けている。そしてその影で周りの者を今尚、苦しめ続けている。

 こんな私は存在しない方がいいが、それでも慕ってくれる者がいる。愛してくれる者がいる。

 嗚呼、私は謝りたい。何事も適当に決めてしまった昔の自分共々に。声を高くして言いたい。思ってくれて有難うと―――――。




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