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1月3日


◆今日の花……水仙


◆花言葉………うぬぼれ

◆1月3日 水仙 うぬぼれ



「おはよー」

「はよー」



宗田は教室に入るやいなや、カバンを持ったまま親友・高元の元へと行く。



「なあなあ、今の見た?」

「は? なにを?」

「俺が教室に入った瞬間、三吉がこっち見てた!」



何を言うかと思えばそんなことか、と高元は心の中でため息をつく。

ここ数日、親友兼悪友の宗田ハジメがおかしい。

クラスメイトの三吉という女子から、熱視線を感じると言っている。



「そうかー?」



チラリと三吉のほうを見る。

三吉は女子の中でも大人しく、男子と喋っているところを見たことがない。

そんな三吉が、サル同然の宗田を見ている………?



「絶っっ対そうだって! ここ3日ぐらいずっとだって!」

「うるさい、声」

「俺って罪な男……!」

「あほか」



話している最中も宗田は三吉のほうをチラチラ見ている。

対する三好は、宗田には気付かずおしゃべりに夢中。



(ないと思うんだけどなー)



口には出さず、心の中で思う。

宗田の勘違いだとしても、高元が指摘をしたところで何も思わないだろう。

むしろ、「お前、もしかして三吉のことが好きなのか!?」とさえ言いそうだ。

単純な幼馴染を横目で見つつ、高元は授業の準備を始めた。



「なあなあ、俺今日の放課後三吉に聞いてみるわ」



が、宗田の思いもよらぬ一言で手が止まる。



「………は? ちょっとお前どうしたの」

「どうもしねぇよ」

「いや、おかしいって。そこまで気にすることないんじゃね?」

「気になるだろ!」

「え、もしかして三吉のこと気になり始めてんの?」

「そっ、そんなことねーよ!!」



いや、そんなことあるだろう。

真っ赤になって否定する宗田を見て、高元はツッコんだ。

ああ、こいつほんとに単純なんだろうなあ……。



まあでも、自分で確認するのもいいことだ……きっと。



「まああれだ、がんばれよ」





放課後。

高元は下駄箱で宗田を待っていた。

HRが終わると同時に三好を呼び出し、どこかへ行ってしまった親友を待っているのだ。

することがないので、他校の彼女とメールをする。

20分ほど待ったころ、下駄箱に宗田が現れた。



「おー、どうだった?」



高元が声をかけると、宗田は目に涙を浮かべてケータイを取り出した。

そして、カチカチと何かをしている。

宗田がケータイを閉じたと同時に、手に持っていたケータイがブルブルと震える。

ケータイを開けば、メールが届いていた。

送信元は宗田。



「?」



不思議に思いメールを開くと。



《俺の勘違いだった……。三好に笑われた》



と書いてあった。

ああ、思ったとおりだと高元は思った。

だがしかし、声には出さない。



「……マックでも行こうぜ」

「ぐすっ」



三好のことには触れず、二人はマックへと向うのであった。





    終



青春って良いなあ……

高校生に戻りたい。

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