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独身男にだって権利はあるー「仕方ない」有給休暇の演出は必要か?ー

 ひねくれているボクは、長い独身生活で職を転々としている。

 職場は現在で5場所目になるが、これまでに経験してきた「独身対象シャドー攻撃」をひねくれた見方で一般化したい。今回紹介するのは、「それは仕方ないね」という同意を求める有給休暇取得論。

 誰でも取得したことがあるであろう有給休暇。

 「旅行に行きたい」

 「ライブに行きたい」

 「家でゆっくり寝たい」

 さまざま理由のもと、取得することと思うが、その理由は、人それぞれ自由である。そして結局は、「ただ休みたい」ことを理由に取得できるのが、有給休暇なのである。というのも、特別の理由、例えば、生理や介護、子どもの看護等で休みたいときは、別途、特別休暇制度で対応できる職場が多いからである。当然ながら、特別休暇を取得する際には、その「特別の理由」が必要である。

 ただ、有給休暇は違う。取得するときの理由は、「ただ休みたい」でよい。業務の都合をつけて、「○日に有給休暇取得してよいですか?」と伺って、「OK!」という上司の了解でだいたい完結する。「ただ休みたい」を実現するのが有給休暇なのだから、上司が理由を聞くこと自体がナンセンスなのである。もちろん、ほかの職員と休みのタイミングがかぶって業務に支障をきたす場合には、取得時期をずらして、対応することもある。

 いずれにせよ、有給休暇の取得は、「ただ休みたい」という土俵で調整するものなのである。

 しかしながら、こういう人がいる。

 「○日、嫁が家にいなくて、小学生の子どもが一人になるから、すみませんが休みます」

 上司は、「それは大変だね、わかりました」という。どこにでもある光景だが、ちょっと引っかかる。

 若干、「特別の理由」を匂わせているのである。

 この人は、一瞬、「特別休暇」感を出している。そして、上司も「子どもの面倒をみるのだから仕方ない」と思っている。家族持ちの職員も「大変だね」という。

 この人は、「特別の理由だから、仕方なく休まざるを得ない」ことを暗に主張し、そのことについて、周囲に暗黙の同意を求めているのである。

 しかし、この人が取得するのは「有給休暇」である。「有給休暇」は特別の理由などいらない。「ただ休みたい」を理由とするのが「有給休暇」であり、「特別の理由でどうしても休まなければいけない」に対応しているのが「特別休暇」なのである。

 「ただ休みたい」を理由とする「有給休暇」に「特別休暇」のエッセンスを入れてくる職員がいるとその職場で何が起きるのか。暗黙の要件として、「有給休暇」の取得に「特別の理由」が加わるのである。

 「ただ休みたい」の土俵に、「特別の理由」がのっかってくると、「有給休暇」の取得が「取得理由」によって調整されることになる。

 それはおかしい。なぜなら「有給休暇」は「ただ休みたい」を取得理由とするものだからである。「有給休暇」を取得する人は、皆同じ「ただ休みたい」という土俵にいる。もし、取得タイミングがかぶってしまって調整が必要なときは、お互い様の精神で、うまく折り合いをつける。だからこそ、有給休暇明けに、同僚にお菓子を配ったりする光景が見られる。

 「ただ休みたい」を理由に取得できる「有給休暇」が「ただ休みたい」では取得できなくなると、すべからく独身職員は、不利益を被る。

 子どもがいる人は「そんな穿った見方をするなんてひどい。子どもがいないからわからないんだ」と思うだろう。そのとおりである。ボクには子どもがいないから、子育ての大変さはわからない。ボクはそういうひねくれた人間なのである。

 ひねくれた独身男の自論。御容赦願いたい。

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