夜の出口を数え切れないほど探す
--- "いつかすべてが思い出になったとき、あなたのことを永遠に覚えていたいと思うから。」
第1章 私は子供?
「子供っぽいよね...まるで子供みたい...」
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「前方の駅-東巴北ターミナル、北京地下鉄12号線をご利用いただきありがとうございます......」
耳をつんざくようなレールとレールが擦れ合う音とともに、列車はゆっくりと停車した。 その瞬間、私はこのまま列車が前方に向かって、いつまでもいつまでも走り続けてくれることを強く願った......。
「こんにちは、ターミナルに到着しました。できるだけ早く列車を降りてください。」
スチュワードが私の思考を遮った。 いや待てよ、もうそんなに経ったのか? 今気づいたが、もう1時間もこの電車に乗っている。
そういえば、弟と一緒に地下鉄に乗っていたことを思い出した。 電車を降りて辺りを見回しても、兄の姿はどこにも見当たらない。
私は思わずペースを上げ、人ごみの中を左右に何度も見渡しながら、兄の特徴的な色である黒の閃光を見つけようとした。
駅にはいない。
なぜか少しパニックになった。 駅構内は地下室の湿ったカビ臭い匂いが鼻孔を満たしていた。普段の日なら、地下室の匂いが好きだったのでその匂いを貪欲に吸い込んだだろうが、今は空気の一筋一筋が私を引っ張り、邪魔しているようだった。
ああ、イライラする。
もうちょっと歩くだけなんて無理だ。 バッグを斜めに持つと走りやすいので、ダッフルのストラップの片方を肩から外す。
一歩、二歩と人ごみをかき分けていく。 駅を出て出口を探すのに2秒もかからなかった。 見上げると、無限に伸びる階段。
無力感。
一歩、三歩、それだけでこの階段は登れるのだろうか?
誰も答えてくれない。
私の目にはすでに涙があふれている。
驚くほどの親近感。 苛立ち、無力感、不安、落ち着きのなさ、居心地の悪さ。
「こんな些細なことで泣くことがあるのか? 自分に憤りを感じているんだろう?」 今まで何度聞いたかわからない。
もう高校3年生なんだから、一人で帰れないわけじゃないのに、なんでまだ子供みたいなことしてるの?
もうひとつ、印象的な親近感がある。
「本当に5歳児なんだね"。 さっきWMレンさんに言われた。 冗談なのか本気なのか、ちょっとわからない。
「ああ、僕はまだ子供なのか。 まだ子供なの?」 私はつぶやいた。
ああ、もうすっかり混乱してしまった。
クラッシュ。
まるで体ががっちりと縛られ、硬直して身動きがとれなくなり、もう小さな声も出せなくなった。 涙はようやく止まり、一粒一粒、塩辛く私の目尻を滑り落ちた。
理解できない! 自分が子供なのかどうか。 誰か教えてください。 何もわからないし、どうしたらいいのかもわからない。 誰かいませんか? 誰か助けてくれませんか? みんなどこに行ってしまったの?
トランス状態の私の前に、兄の背中がなぜか再び現れた。 彼は振り向きもせず、言葉も発しなかった。 まるで後ろ姿がこう言っているようだった。 どうしたんだ? 出て行かないなら、私が先に出て行く」。
私が答える前に、後ろ姿は早足で去っていった。
私は声をかけたかったが、喉が何かに引っかかっているようで、声を出すことができなかった。 待ってて」「お願い」「置いていかないで」「一人は嫌だ」。 もう一人になりたくない」。
結局、私は何もできなかった。
第2章:変わりたい、でも変われる?
周りは真っ暗だった。
夢だと気づいた。 携帯の画面を見ると、2時4分だった。「バシャッ」と画面に水滴が落ちて、目尻が濡れていることに気づいた。
目尻が濡れていることに気づいた。 こんなことが1日か2日以上続いていたわけではない。 ここ1週間、夜中に突然目が覚め、目が覚めるたびに目尻に涙が溜まっているようだ。
夜中だからか?
何でもいい。 そこで私は、わざと自分の体に逆らうことにした。眠くないのだから、どちらがよりよく起きていられるかを競うことにした。 それで原因を探し始めた。
退屈。
腹立たしいことを除けば、頭は真っ白になった。
...
実際、これ以上はっきりしたことはない。
この息苦しいほどの不安感と混乱の最も根本的な原因と言えば、日中にヴイレンが私に言った言葉、「私の忍耐力には限界があるって言ったでしょ 」だろう。 この言葉を聞くのはこれで3度目だ。 この言葉を聞くたびに、誰かに首を絞められて息ができないような、息苦しさで無力感と恐怖を感じる。
私を見捨てるつもり? 私はまた孤独に戻るの? とても怖くて、どうしていいかわからない。何かしたらあなたに怒られるんじゃないかといつも思ってしまう。 どうして?
私は本当に何もわかっていないの? 自分を疑い始めている。
イライラする。 理由が見つからない。
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「あなたは本当に変な人だ」
「何が変なの?」 と私は訊いた。
「わからないけど、普通と違う感じがするんだ」
沈黙があった。
「自我はないのか? 自分の人生でやりたいことはないのか?
「わからない」。 しばらくして、私はこう付け加えた。
「オタクになるには、勉強以外はとても勉強だよ」
「ははは」 私はぎこちなく笑った。
「勉強以外にやりたいことはないの?
「ない? バードウォッチングとか?」 私は仮にそう答えた。
「だから君はウッドチャックなんだよ」。 彼は少し焦っているようだった。 「誰のために生きていると思う?
「他人だよ。 それが私の人生観のように思えたので、私はためらうことなくそれを口にした。 「他人が幸せである限り、私も幸せだ」。
それが彼をひどく怒らせたようだった。
「君は本当に病気だ」。
私は反応しなかった。 叱られてもしかたがないという感じだったのだろうか。 私は信じられない思いで彼の目を見た。 私はカミナリを踏んでしまったのだ。
「私はロボットではなく、人間と付き合いたい。 それができないなら、私たち二人の話はやめましょう。」
私は体が火照るような感覚を覚え、頭がぼんやりし、それでも返事をしなかった。
「うーん、わかった」 私は涙が出そうになっているのを悟られないように、必死で笑顔を引き出そうとした。
また沈黙が訪れた。 私はもう何も言えなかった。
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夜は時間の経過を感じにくい。 時計を見上げると、すでに午後3時半だった。
ベッドに横たわり、枕を胸の前に置いて、音楽を聴くか漫画を読んで時間をつぶす。
だんだん目が乾いてくる。 まばたきの音さえ聞こえるようだ。 水を一口飲みたかったが、手元のグラスには一口も残っていない。 わざわざ立ち上がって水を取りに行くこともない。
このままでいいのか?
そんなことをして何になる?
わからない。
私に意味なんてないのかもしれない......だから、私はいつもそうだったような気がする。
ネガティブ。 悲観的。 自己評価が低い。
...
公園で私は白い石柱に腰を下ろした。 時折、モノクロームの冬空にカササギが1羽か2羽飛んできたり、枝の上に立って風に揺れたりした。 石柱の背の高い影が地面に青紫色の後光を投げかけ、私はその感覚が好きだった。 しばらくの間、まるで世界から抜け出したような気分だった。
しかし、私の隣に座っている学生がいることには気づいていた。 彼は一言も話さず、静かに座っていた。 私は顔をそむけ、彼を見ないようにした。
「逃げないでくれる?」
痛い。 どうして私の心を突いて、こんなに恥ずかしい思いをさせなければならなかったの?
私は頭を上げることができなかった。 何も言えない。
「私の目を見て話せる?
ああ、無理だ。何もかもお見通しなウムレンさんの目が本当に怖い。
彼は私の肩をつかみ、半強制的に振り向かせた。
「君のことだよ 彼は少し間を置いて言った。"私たちは問題を解決するためにここにいるんだから、ちゃんと解決できるでしょ?」
罪悪感。
「私のような者のためにあなたを悩ませてしまって、本当に申し訳ない。 でもいいんです、私みたいなのはこんなもんでいいんですから......」と、無理に笑ってみせた。
私はいつもこうだ。 問題を解決しなければならないとわかっていながら、勝手に人を遠ざけてしまう。 だから罪悪感を感じる。
まるで自分が嫌いみたいなんだ。
「どうしていつもそんなに自己評価が低いの?」
「どうして......?」 少し考えてみた。 小学校の頃はこんなふうではなかったのに、いつから自己評価が低くなったのだろう?
「いつも将来に期待してるけど、現実はいつも大きなギャップを与えてくるから。将来の自分にそんなに期待したくないんだ。理想と現実のギャップがすごく怖いんだ。」
「なぜそんなことを考えるのですか?」
「中学生の時、夏休みを利用してOUの勉強をしていたのですが、中学入学初日のクラス分けテストに臨んだ時、なぜか自信満々でテストセンターから出てきて、その時は「絶対に実験クラスに入るんだ」と思っていたんです。 しかし、24組に配属されたと聞いたとき、私は心の中で震え上がり、学年が始まって1カ月ほども経たないうちに、全教科の先生のところに数え切れないほど通い、「うちのクラスは成績最下位のクラスなのか」と何度もクラス平均を聞いたが、そのとき私の心は冷めてしまった。」
「それだけ?」 wmrenの生徒たちは少し混乱しているようだった。
実際、私も心の中では「実験クラスならわかるだろう」と思っていた。 でも、口に出しては言わなかった。
この2年間、自分の実力を証明するために、中間テストや期末テストが終わるたびに、先生たちに成績順位をしつこく聞いてきた。成績上位5%から落ちるのは許せない。中学2年生まで待てば、実験クラスに編入できるチャンスがあるかもしれないと考えてきた。」と続けた。 教育委員会がクラス分けを認めないという政府の「倍率引き下げ」政策がギリギリ間に合った。 案の定、2年生になっても私は24組にいた。 私は一瞬にして将来に希望が持てないと感じた。 外では頭が上がらず、かつての小学校の同級生を避け、中学校の廊下は特に広かったにもかかわらず、廊下ではいつも壁際を歩いていた。 研究室の同級生と顔を合わせるたびに、頭が上がらなくなり、いつも恨まれているような気がしていた。」
「なんというか、この格差感が自分に自信を持つ勇気を失わせたんだと思います。だんだん自己肯定感が低くなっていって、学年40位以内に入るような試験があっても、そんなに嬉しくなくて、まだ取り残されてないんだ、まだ学年のペースについていけるんだ、と少し安心する程度でした。」
「その2年間は基本的に人付き合いが少なかった。人の顔が読めなかったし、人との上手な付き合い方や話し方もわからなかったし、一緒にいるだけで周りに迷惑をかけてしまうし、自分の問題に気づくこともできなかった。 自己評価が低いことで嫌われるのが分かっているから、本当は自己評価が低いのは嫌だし、そんな嫌な自分と付き合いたくもない......だから自分が嫌いなんだ。」
人生で一番多く口にした言葉だ。
ウムレンの生徒たちはしばらく黙っていたが、「他人から嫌われるのが怖いのですか?」と言った。
またしてもその通り。
ああ、だから私はいつも、みんなに嫌われている自分をまず恨もう、自分を恨み続けることで許してもらえるかもしれない、と考えているんだ。 心から悔い改めることで、嫌われなくなるかもしれない。 そう恐れて生きてきた......。
「他人に嫌われることを恐れれば恐れるほど、他人に嫌われるようになる」
私は唖然とした。そんなことを聞いたのは初めてだった。
「それで、私はどうすればいいの?」
「わからない。 自分で考えることだ」。
私は必死に考えた。
それでもまだ、何も答えが出なかった。
彼はまた話した。 その場にいなければよかったと思った。
「こんなことを続けていたら、みんなに恨まれ、離れていくよ。 僕の忍耐にも限りがあるって言っただろう。
私は彼が本気だと知っていた。
突然、私は暗闇に包まれ、体が圧迫されるような感覚を覚えた。 自分と周囲の境界線が徐々に曖昧になり、視界が暗くなり、呼吸が荒くなり......目の前に広がる無限の闇に逃げ場がなくなった。
もう泣きそうな顔をしていたかどうかはわからないが、本当に泣きそうだった。
「おい、自分でやりたいことないのかよ、自分で何がしたいかわかってんのか?」
恐ろしい気持ち。
心が空洞だった。 失うことを恐れ、得ることに臆病になっていた。
そんなことを考える間もなく、突然ドアをノックする鋭い音が聞こえ、目がパッチリと開いた。
今度は朝の11時過ぎに目が覚め、そのまま眠れなくなってしまった。
なんというか、現実なのか夢なのかわからないほどリアルな夢だった。
第3章:本当に何もしなくていいのか?
すぐには起き上がらず、ぼんやりとベッドの上に座っていた。
「いつまで寝てるの? ご飯の時間よ!」 ドアの向こうからママの声がした。
「わかった、わかった、行くよ」
テーブルではあまり食べなかった。身体的にお腹が空いていなかったわけではなく、心の中で食欲がなかっただけだったので、急いで豆乳を飲んで中に戻った。 「お腹いっぱい
「この子、最近本当に変よ..." ドアの向こうからママの声がはっきり聞こえた。
変? え? 私が変だって?
夢を見ていたことも関係しているのかもしれないが、今の私には「変」という言葉にいい印象はない。 私は焦ってドア越しに叫んだ。"聞こえてるよ。食欲がないから食べたくないだけだよ?」
言ったとたん、ちょっと後悔した。
ドアの向こうから聞こえる他の音を聞きながら、私はしばらく考えないように自分を説得した。
元々、私は今日、化学コンクールの復習をする約束をしていた。 しかし、今日見た夢のせいで、復習する気分にはまったくなれなかった。
そこで私はパソコンの電源を入れ、この件について自分が本当に考えていることを整理し始めた。
長い間考えていたら少し疲れてきたので、気分を変えるためにマンガを読むことにした。
なぜ私たちは、まず自分が何を考え、何を感じているかを理解することから始めないのだろうか?
なぜ私はいつも謝らなければならないのか? 私が謝ったところで、人が私を嫌うのを止めることはできないようだ。
頭の中の声が響いた。「心が弱いから、叱られるのが怖いから、自分が楽になるため、だから謝りに来ようと思うんでしょ?」と。
眩暈がして吐きそうになる。
気持ち悪い。
一瞬、わかったような気がした。私はいつも逃げていて、コミュニケーションを避けていて、一人でいれば大丈夫、大丈夫と思っていて、でも同時に寂しくもなっていて、正直、どうしてこんな矛盾した、疲れる人生を送らなければならないのだろう。
変わるのが怖い。
自分にはできないと思う。でも、怖いからといってやめてしまったら、何もできなくなるのではないか? こんな単純な真実に、なぜ今まで気づかなかったのだろう?
最終章:正解のない旅に出よう
たぶん今、私はただ生きる意味を追い求めたいのだ。価値のない平凡な人生ではなく、最後に笑顔で 「後悔はしていない 」と言えるような人生を送りたいのだ。
そのために、少し苦労はするけれど、自分の価値を確立して、理想の自分に一歩でも近づきたい。
いずれにせよ、結局のところ、何が正しいかなんて誰にもわからないのだから、自分の選んだ道を全力で走っていくしかない。
恍惚とした表情で目の前を歩くWMレンさんは、毅然と前を向き、光の反射で顔の横がぼんやりと光って見えた。
もう少し待っていてください
「僕はもう自分を変える途中なんだ」 聞こえているのだろうか、私は微笑みながらその言葉を口にした。
そう思いながら、私はペースを上げてあなたに追いついた。 「おっと、待ってくれ」。 今度はあなたの目を見て言った。
明日はいつものように太陽が昇るから、きっととてつもなく明るい一日になるだろう。
今回、私は夜から抜け出す方法を見つけた。
あなたはどうですか?
最近、死が少し怖い。
物理的なプロセスとしての死が怖いのではない。 人はいつか死ぬ。 仮に誰かが死んだとしても、人々の悲しみは一瞬のもので、遅かれ早かれ誰もがその死を受け入れ、そして自分自身も死ぬ。 たとえ死を受け入れることができなくても、誰も結果を変えることはできない。 人が生きていた痕跡は時間とともに薄れ、ごく一部の人を除いて、やがて完全に消えてしまう。 絶望的だと思わないか? 死んでも何も残らない、世界は変わらない、じゃあ私は何のために生まれてきたの? 世界にとって私はいったい何なのか? ただの取るに足らない存在なら、生きている意味はあるのだろうか。 そう考えると、とても恐ろしい気がしてならない。 だからこそ、私も非凡な存在になりたい、この世界に足跡を残せるような特別な存在になりたい。
でも、痕跡を残すことよりも、大切な人たちから忘れ去られることのほうが怖い。 私はあなたの人生の通行人にはなりたくないので、どうか私にあなたの人生にも痕跡を残す権利を与えてください。
あの世界から私を引き出してくれたおかげで、あなたは私にとってとても大切な人だと言っても過言ではありません。
あなたのことはずっと覚えていたいと心から思っています」。
--- いつかすべてが思い出になったとき、あなたのことをいつまでも覚えていたいから。