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15話 大富豪は何故か虎をペットにしているヤツが多い


ダンジョンのマスタールームではネロがフロアで戦う冒険者の様子を観察していた。


こうして監視水晶で観察し冒険者のパーティー編成や魔法使いや魔道具を持っているかなどを鈴々やカーミラに伝える。

そのようにして勝率をあげるのもダンジョンマスターであり司令官であるネロの仕事の一つだ。


「今回の冒険者は一人か、武器も持ってないようだし魔法使いか?」


モニターに映っている冒険者はやけに軽装で武器の類いも持っていないようだった。ということは魔法使いだと思われるが前衛を連れていないのはおかしい。


「前衛がいらないほど凄腕の魔法使いなのではないか?」


「いや、それにしても杖すら持っていないのは変だ…って何してるんだカーミラ」


ネロの隣からモニターを覗き込んでいるのは本来ボスの間で待機している筈のカーミラだ。


「たまにはいいだろ、ボスの間はすぐそこだし冒険者がたどり着く前には戻るさ」


「まったく仕方がないな」


「お、ゾンビ達とエンカウントしたみたいだぞ」


モニターに目を向けると冒険者はゾンビ達に囲まれているようだった。

これを切り抜けるには範囲魔法を二、三発ぶちこまないと厳しいだろうなとネロが考えていると冒険者は懐から丸いガラス玉のような物を取り出して宙に投げた。


ガラス玉が空中で光を発するとそこには牛頭の筋骨隆々の鬼、ミノタウロスが現れていた。


「なんだこれは?ガラス玉から魔物が出てきたぞ?」


「ありゃ、魔物使い(テイマー)だったか。ミノタウロスを使役してるとはなかなか凄腕だな」


魔物使いは特殊な魔法で魔物を捕獲し命令に従わせることができる魔法使いの一種だ。


「魔物を使役するということはマスターのようなネクロマンサーに近いのか?」


「んー、魔物に命令を聞かせるのに似たような魔法を使うが俺がアンデッドを造るのに対して向こうのは魔物を捕獲するからな。そこが決定的に違うかな」


魔法の術式や技術的な事など本職からすればテイマーとネクロマンサーは全然違うが、一般人には魔物を使役する魔法使いという認識で一括りにされてしまう、その魔物が生きてるのか死んでいるのかなどは些細な差なのだろう。


現にカーミラも両者の違いを明確には分かっていないようだ。


「んー、何となく分かったような分からないような」


「まぁ、専門的な部分が大きいからな仕方がないさ。それより鈴々が負けたみたいだ、冒険者が来る前に持ち場に戻ってくれ」


「あぁ、了解した。さて、一仕事するかな」


そう言いながらカーミラはマスタールームを後にした。



「ふむ、矢張この手の魔法使いは距離を詰めると楽勝だな」


爪に付いた血を払いながらカーミラが床の血溜まりに倒れているテイマーを見る。


「ん?これは…」


テイマーの懐から転がり出てきたのは魔物を使役するのに使っていたガラス玉だ。

一つ拾ってガラスの中を見てみるとミニチュアサイズの魔物がガラス玉に埋め込まれている。


「おーい、片付けにきたぞ」


「ウガガ(カーミラさんお疲れさまでした)」


ボスの間にネロとゾンビ達が冒険者の死体を片付けに来た。


「マスター、これはどうするんだ?」


魔物を閉じ込めているガラス玉はどう見ても魔法のかかった物だ、ならば魔法使いであるネロに判断して貰ったほうが一番だろう。


「クリスタルか、確か壊せば魔物は解放される筈だぞ。流石に放置する訳にもいかないし解放してやるしかないだろう」


「ふむ、そうだなこのままは可哀想か」


見ず知らずの魔物とはいえガラス玉に閉じ込められているのを見て見ぬふりは出来ない、カーミラとネロは手当たり次第にガラス玉を床に叩きつけて魔物を解放し始める。


合計で数十個ものガラス玉を破壊し、解放した魔物達を見送った頃にはすっかり日が暮れてしまっていた。


「ふぅ、ようやく終わったな。まさかあんなに魔物を捕まえていたとは驚いた」


「そうだな、ミノタウロスを捕獲(テイム)していたし腕の良い魔物使い(テイマー)だとは予想していたがあの魔物の数は俺も予想してなかったよ」


解放された魔物達は日も暮れて人間に見つからないうちにそれぞれの元のダンジョンなり住みかなりに戻るそうだ。

感謝の極みとでも言うように魔物達からハグをされまくった二人は若干ぐったりしているように見える。


「しかしサイクロプスにハグされた時は死ぬかと思ったぞ」


「それを言ったら私は人間サイズのハリネズミだぞ。まだ喉の奥から血が登ってくる感覚がするよ」


人助け、もとい魔物助けをしたというのに中々酷い目に会ったようだ。


「なんか疲れたし俺はもう寝るよ。おやすみカーミラ」


そう告げてネロは自室の方へと向かって行った。


「ん、私も寝るとするよ。おやすみマスター」


カーミラも疲れた体を引きずって自身の部屋へと歩くが途中で何かに躓いて歩みを止めた。


「ん?これは…」



いつも通りネロがモニターでダンジョン内を見ていると、マスタールームにゾンビが巨大な箱を抱えて入ってきた。


「ウガヴ(マスターまた荷物が届いてますよ。今回は巨人の里からですね)」


「またか、ここんところ毎日の様に届くな」


ネロはゾンビから箱を受け取り、包装を開け始める。

何をしているのか気になったのか部屋の端で雑誌を読んでいた鈴々も寄ってきた。


「なんじゃこのでっかい箱は?」


「ほらあれだ、ちょっと前に俺とカーミラが魔物使いに捕獲された魔物を助けてやったろ?そしたら感謝の印だってこうしていろいろ送ってくるんだよ」


「ほー、あの時の連中かえ。して今日は何が届いたんじゃ?」


これ程大きな箱ならば中身が気になるのも当然だろう。


「今開けるから待ってろ。そういえば、巨人の里の名産だとギガントマスカットが有名だったな」


巨人は人間や通常の魔物の何倍も大きい種族が多い為、食している野菜や果物などもそれに比例して巨大化された品種の物が殆どなのだ。

名産として有名なギガントマスカットはその名称の通り味も大きさも通常のマスカットの百倍と言われている果実だ。


「おぉ~、ギガントマスカット!ささ、マスター早く開けてたも!」


女子というのはアンデッドになっても甘味に惹かれるらしい。鈴々が早く開けろとネロを急かす。


「分かった分かった。よ、いしょっと、おぉ!ギガントマスカット以外にもいろいろなフルーツが入ってるぞ!」


「キングアップルにアリゲーターバナナも入っておる!」


箱の中は巨人の里で栽培されている高級フルーツの詰め合わせだったようだ。普段ならばお目にかかる事すらできない希少な果実に鈴々のテンションも天井しらずに上がっていく。


「落ち着け鈴々。冷蔵庫で冷やしておいて仕事が終わったら皆で食べようじゃないか」


「ぬふふ、そうじゃのー♪生温いと美味しさ半減じゃしの。これ全部冷蔵庫に入れといておくれ」


鈴々はゾンビにフルーツ詰め合わせを預けるとスキップをしながら冒険者の撃退へと向かった。



その夜


戦闘を終え死体の処理などの後片付けも一段落した鈴々は小躍りしながら談話室へと足を運んだ。


お目当ては冷蔵庫で冷やされている高級フルーツである。


「ぬふふッ♪マスターも娘っ子もまだ来ておらぬしちょっとくらい摘まんでも良いじゃろ」


辺りを確かめ慎重に冷蔵庫の扉を開ける。が、中にギッシリと入っている筈のフルーツが影も形も無い。

鈴々が思わず二度見をする、しかし何度見ても冷蔵庫の中が空っぽであるという現実は覆らない。


「のぉおおおー!?!わしのフルーツがないじゃとーーー!!!?」


鈴々の叫びはダンジョン全体を震わせる程だった。暫くして何事かとゾンビ達やネロ、カーミラが談話室へと駆け込んできた。


「どうした鈴々!?」


「何かあったのかチャイナゾンビ」


答えるように鈴々が震えながら冷蔵庫を指差す。ぞろぞろと談話室に入ってきた彼等もそれに釣られるように冷蔵庫へと視線を向けると何が起こっているのか理解したようだ。


「ウガガ(フルーツが消えた!?)」


「私の楽しみにしていたキングアップルまで無くなっているじゃないか!」


全員ショックを隠しきれていないようだ、それもそうだろう、皆が仕事終わりの高級フルーツを楽しみにしていたのだ。

ゾンビの何人かはショックで放心状態となってしまっている。


「誰が食べたんじゃ?」


鈴々がぽつりと呟いた。感情のこもっていない冷たい声だ。


「え?」


ネロが思わずそう口から洩らした瞬間、鈴々がほぼノーモーションで距離を詰めネロの眼前に立つ。その距離は鼻先から僅か五ミリだ。


「フルーツが消え、ダンジョン内にいるのはわしらだけ。ここにいる誰かがやったに決まってるじゃろ」


触れあいそうな程の距離にある鈴々の瞳は一切の光が消えドロドロとしたどす黒いものが渦巻いているように錯覚する。


「ヒィッ!お、落ち着けよ。俺達はずっとダンジョンで冒険者を撃退してたじゃないか。あの大量のフルーツを完食するような時間は無かったって」


ネロの言うとおりだ、鈴々やカーミラはもとより直接戦闘に関わらないネロも死体の片付けや何やらで常に何体かのゾンビと行動を共にしていた。

ここにいる全員がアリバイがあるのだ。


「なら、なら誰がフルーツを取ったんじゃー!」


「ウガ(もしかしてダンジョン内に侵入者が…?)」


全員にアリバイがあり犯行は不可能となるとそう考えるのが自然だろう。


そもそもあの大量の巨大フルーツを周りの目を掻い潜って完食するなど現実的ではない。


頂点を飛び越えた怒りで最早正常な思考が出来なくなってしまった鈴々はゾンビの発言にビクリッと反応する。


「なるほど侵入者か、そいつがわしのフルーツを盗んだんじゃな。フッフッフッ!ほれゾンビ共ついてこい侵入者を見つけ出して生皮を剥いでやるのじゃ!」


鈴々はそう言いながら数体のゾンビを引き連れ談話室を後にした。


たかがフルーツでここまで殺気立つものかと半ば呆れているネロ。

しかし本当に侵入者がいるのだろうか?ダンジョンの入り口からフロアまでネロはずっとモニターを通して監視していたのだ、それを回避し従業員エリアまで侵入する術などあるのだろうか。


考え込んでいると足元に何か光を反射する物が落ちているのに気づいた。


「ん?これは…何だ?」


やけに軽く硬い、その上独特の光沢を持ち合わせている。金属ではないようだが材質がよく分からない。


「なぁカーミラこれ何だと思う、ってあれ?」


いつの間にかカーミラもいなくなっていたようだ。



「どこじゃ~!どこにおるのじゃ~!?大人しく出てこんかぁー!」


鈴々は血走った瞳を見開き、ダンジョン中を駆けずり回っていた。

その迫力は正にドラゴンさながらだ。


「ウガガ(あの、やっぱり侵入者なんていないんじゃないですかねー、なんて――)」


ゾンビの発言を遮るように鈴々の手が彼の首を締め上げる。相当力を込めているようでミシミシと首が軋む音まで聴こえる。


「あ?お主が侵入者がどうたらと言ったんじゃろうが。嘘をついたのか?わしに嘘をついたのか?…嘘吐きは舌ごと内蔵を引っこ抜いてやろうかの」


「ウガァ(ヒィーー!?!?か、勘弁してください!!!)」


ブラックジョークにしか聞こえない事を実行に移そうとしている鈴々を周囲にいたゾンビ達が必死に宥める。

止めなければ次の生け贄は自分かも知れないのだ、皆怖がりながらも鈴々を何とか止めようとしている。


「おいおい何やってるんだよ?」


鈴々達を探して歩き回ってたネロが処刑寸前の場面に出くわした。


ゾンビ達は救いの神を得たようにネロに助けを求める。


「ゾンビを虐めるのはやめてやれよ、それでそっちは何か見つかったのか?」


「虐めとる訳じゃないわ。こっちもなーんにも見つからないの。マスターの方はどうじゃった?」


「俺も同じだよ。後はカーミラだが、あいつ単独で動いてるみたいでなかなか捕まらないんだ」


「ふむ、何か見つけたかもしれんしわしらも探してみるかの」


漸く鈴々が落ち着きを取り戻してくれたようだ。ネロと共にカーミラを探し始める。


談話室、マスタールーム、食堂、各自の自室エリアなど見て回るがカーミラはどこにもいない。


後探していないのは誰も近づかない物置部屋ぐらいだ。冒険者用の罠の予備やガラクタなどしかしまっていない部屋だ。


『こら、勝手に出歩いたらダメじゃないか。フルーツまで全部食べてしまって、皆がお前の事を探してるんだぞ』


誰もいない筈の物置部屋から聞こえてきたのは探していたカーミラの声だ。誰かに話しかけているのだろうか。


そして“フルーツ”という単語にいち早く反応したのは鈴々だ。


「フルーツを~?食べた~!??許さん!!」


「あ、おい待て」


ネロが制止する間もなく鈴々は物置部屋のドアを蹴破ると中に突入する。慌ててネロとゾンビ達も後に続いた。


「な!?チャイナゾンビ!それにマスターも!」


「ドアの外まで聞こえておったぞ、まさかお主が裏切っていたとはのう!さぁ誰を匿ってるんじゃ!!?」


ネロや鈴々など全員が勢揃いな上に先程の会話も聞かれていたとあってとても言い逃れ出来るような場面ではない。

鈴々の鋭い視線を受けてカーミラの額から汗がたらりと垂れる。


「カーミラそこに誰がいるんだ?」


カーミラが体で庇うように立っているガラクタの山に視線を向けるネロ。


よくよく見るとガラクタの寄せ集めの山が何やら蠢いているように見えるのは気のせいだろうか。


「だ、誰もいない!本当だ!」


カーミラが必死にガラクタの山を隠そうとするがうず高く積まれたそれを隠すことはできない。


「あ、こら出てきちゃダメだ!」


その時ガラクタの山ががらがらと崩れながら何かが出てきた。


カーミラの背から覗く大きな曲線を描くフォルムに赤く幾つもある複眼、そしてカサカサと細かい節足。それは正に巨大なダンゴ虫だった。


「ぎゃーー!む、虫じゃないか!!」


たまらず鈴々が悲鳴をあげる。普通サイズなら可愛げのあるダンゴ虫だが人間よりも大きい化物ダンゴ虫は視覚への衝撃が多大なようだ。


しかしこのダンゴ虫はどこから入り込んだのだろうか。このサイズを見るに普通の昆虫とは思えないし魔物の一種なのだろう。

魔物がダンジョンに入ってきてネロやゾンビ達が誰も気づかない筈がない。


「そいつはもしかしてこの前の…」


ネロが思い出したのは少し前に殺した魔物使いの件だ。

もしや解放してやった魔物の一匹だろうか?と考えたのだがこんな魔物がいたら覚えてる筈だ。しかしまったく記憶に無い。


考えているとカーミラが観念したように全てを話し始めた。


「…そうだあの時私達が助けてやった内の一匹だ。他の魔物達に怯えていて可哀想でな、少しの間だけ面倒を見てやろうと思ったんだ。最初はもっと小さかったんだが、餌をあげる毎にどんどん大きくなっていってかってに出歩いて食べ物を漁るようになってしまった。黙っていてすまなかった」


カーミラはダンゴ虫を優しく撫でながら皆に頭を下げる。


ネロもゾンビの達も不審な輩がダンジョンに押し入って来た訳じゃないと分かり、カーミラの謝罪もあってか、もういいんじゃないか?と互いに顔を見合わせている。


「まぁ、黙っていたのは怒ってるが過ぎたことだ。皆も気にしてないから――」


だが一人、今だに激情を滾らせる者が残っていた。


「ほうほう、つまりそこの虫けらがわしのフルーツを食べたということなんじゃな?」


鈴々だ。一件落着といった雰囲気をものともせずに血走った瞳でカーミラ達を見つめている。


「そのような虫けらに肩入れするとは小娘、頭に蛆でも沸いておるんじゃないのか?どれわしが虫けら共々頭の中身を確認してやろう」


鈴々はそう言いながら爪を光らせ、カーミラとダンゴ虫にゆっくりと近づいていく。

ネロにもゾンビ達にも誰にももう止められない。


「さぁ、大人しくしておれば直ぐに済むからの」


「ふざけるな!こんな可愛い魔物を切り刻むつもりか!?」


カーミラが叫ぶ。巨大なダンゴ虫は可愛いのだろうか?女子の感性はネロやゾンビ達には理解しがたいものだった。


「ほらこんなに人懐っこいんだぞ!無害な生き物を殺すなんて恥を知れ!」


ダンゴ虫は懐いているのかカーミラにスリスリとすり寄っているように見える。


「それがどうしたんじゃ?虫けらは虫けらよ、人と畜生とは相容れぬものなのじゃよ!」


鈴々が飛び上がりカーミラとダンゴ虫に爪を振るおうと腕を振り上げる。

そして次の瞬間カーミラの頭から血飛沫があがった。


「は?」


思わずそう口から洩らしたのは鈴々だ。目の前でカーミラの首が無くなったがそれをやったのは彼女ではない。鈴々の腕は今だ振り上げた状態のままだからだ。


「ウガガ(ま、まさかそいつが)」


一体のゾンビが恐る恐る指を指したのはカーミラの横にいたダンゴ虫だ。

よく見るとダンゴ虫が口部分が何やらもごもごと動いて血がポタポタと滴り落ちているのが確認できる。


「カ、カーミラを喰いやがった!」


ネロが悲鳴染みた声をあげる。


どうやら魔物といっても虫は虫だったようだ。先程カーミラにすり寄って懐いているように見えたが、捕食可能か匂いや大きさを確かめていたのだろう。


そもそも昆虫が人に懐く訳がないのだ。


「…マスターどうするかの?」


その衝撃的な状況に鈴々も怒りを忘れて冷静になったようだ。


「それは…」


駆除しろと言いたいところだが吸血鬼を一撃で仕留めるような魔物だ。捕食の瞬間も鈴々ですら捉えられなかったのにどうしろというのだ。


誰も動き出せずにいるなか最初に動いたのはカーミラの頭部を咀嚼し終えたダンゴ虫だ。

奴はゆっくりと周りを見渡し歯をカチカチと鳴らしながらネロ達に向かってきた。


明らかに捕食してこようとしている。


「全員でかかれーー!!!」


殺るしかない、ネロの号令で一斉に攻撃に移る鈴々とゾンビ達。


この後、ダンゴ虫との激闘は今までのどの冒険者との戦いよりも熾烈を極めたという。






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