冒険者ギルド
今日は朝から冒険者ギルドに向かおうと思っていたが、高級ホテルのベッドが気持ち良すぎて昼過ぎまで寝過ごしてしまった。
取り敢えず気を取り直して冒険者ギルドに向かうとする。相変わらず活気のある街並みを歩きながらも今後のことを考える。
これからの方針としては余程気に入った場所を見つけない限りは同じ所に住み着こうというのは今のところ考えてはいない。冒険者として資金を稼ぎながらも護衛の依頼なんかを受けながら色々な場所に行く事が出来れば良いと思っている。
それに異世界転移したのなら1度は冒険者になってみたい。高難易度クエストをクリアすればお金が大量に入るイメージもあるし、素材を売り捌いて資金を得るという方法もある。
そんな感じで夢を膨らませながら街を歩いてると冒険者ギルドの前に到着した。ギルドの前では冒険者らしい5人組のパーティが雑談しながら去って行った。
この扉を開けたら異世界系の物語に良くある先輩冒険者に絡まれて、返り討ちにしたりするイベントが出来たりするのだろうか。
いや、でも良く考えたらそんな状況になったら面倒臭いな。そんなどうでもいい事を考えながら開けた冒険者ギルドには10人ぐらいの人間がいた。依頼を吟味していたり昼食を食べている者。昼間から酒を飲んで酔っ払っている人物などがいた。
俺はそのままギルドの受付らしき人物に話しかけに行く。ここで働いている受付嬢はおっとりとした雰囲気の可愛いらしい女性だった。
やっぱり冒険者ギルドの受付嬢と言えば可愛い女の子って言うのがテンプレだからね。別に青年でもおっさんでもまともに会話が出来れば問題は無いんだど、俺も男なので可愛い女の子に対応して貰えた方が嬉しい。
「あの、すいません」
「はい、初めてまして。ご依頼ですか?それともクエストの受注をされますか?」
さっそく受付嬢の子に声をかけたら、可愛いらしい声とニコニコ笑顔で質問をしてくれた。流石は接客のプロと言うべきか良いスマイルだ。
「いえ、登録をしたいのですが大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。ご登録ですね、かしこまりました」
「はい、お願いします」
「そうしましたら、こちらの紙にご記入をお願い致します。宜しければ、代筆を承りますが?」
「ご親切にありがとうございます。自分で書くことが出来るので大丈夫です」
そう、何故か不思議な事にこの世界の文字を読む事が可能だし書くことも出来るのだ。とていうかやり取りがだいぶ硬くなってしまった、いつかはフランクに話せる時が来て欲しい限りではあるが。
早速貰った紙を見ると名前や年齢に戦い方などの項目が書いてあった。
「これって、全部埋めないといけないものなんですか?」
「いえ、大丈夫ですよ。そちらの紙に書かれている内容を私達が知っていることで貴方に合ったパーティを進める事が出来たり、戦闘面で困った時に似たような戦い方をする先輩などを紹介する事が出来ます」
「なるほど、ありがとうございます」
何となくそんな気がしてたが記入欄を全部埋めなくても問題は無いらしい。にしても、パーティとか人を紹介するのに使ったりするのか。でも、もしかしたら危険人物が登録しているかも知れないし、冒険者の情報は出来るだけ持っときたいだろうな。それで国に指名手配とかされたら情報を渡すのかな。
取り敢えず渡された紙には名前、年齢、戦い方などを記入して提出した。
その後はランクについてやギルドの細かいルールなどを聞いてギルドカードを受付嬢から手渡された。
ちなみにランクはfからsssまであるらしい。普通ならfランクから始まるところだか、この町に来る時に助けた商人のアラインさんからの推薦状のお陰でcランクからスタートする事が出来た。
あの人に冒険者になろうと思ってると伝えといて良かった。宿にしろギルドしろ彼には感謝しないといけないな。