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マキア



「じゃあ、次モンスターが出たらマキアの番だね」




「任せてなの〜!シュッシュってやつけるの〜!」




 そんな事を話しながら歩いているとだいぶ森の奥まで来ていた。

 俺とアリシアもここまで奥まで来るのは初めてだ。この街に来たばっかりのマキアも当然の事だが知らないだろう。




「敵なの〜!」




「上だ!」




 俺の気配探知でもモンスターがこちらに向かって来ている事には気付けた。

 敵は上からこちらに向かって接近して来ている。今まで戦ってきたモンスターは陸にいる相手ばかりだったので、飛行能力を持つモンスターは初めてだ。




 さっそくモンスターは先頭にいたマキアに上空から鉤爪で攻撃を仕掛けて来たが彼女はバックジャンプでかわしていた。




「あれはロックバードなの〜!」




「強いのかしら?」




 どうなんだろう?見た目は3メートルぐらいの巨大な鳥だ。

 俺もアリシアも魔法が使えるとはいえ、上から攻撃されるのは厄介だ。




「そこそこ強いの〜!」




「次はマキアの番だけど1人で大丈夫?」




 まぁ、一応聞いただけで心配はしてない。だってドラゴンとソロで戦えるのにちょっと大きいだけの鳥には負けないだろう。




「余裕なの〜!」




「ドラゴンを1人で相手に出来るのだから、このくらいのモンスターは平気そうね」




「うん、じゃないとこの鳥がドラゴンより強い事になるからね」




「行くの〜!!」




 そう言った彼女はとてつもないスピードでロックバードの前まで移動して顔面を殴った。

 その瞬間マキアに殴られたロックバードの頭部が潰れた。




「一瞬だったねアリシア」




「えぇ、それにあのロックバードというモンスターはそこそこ強い部類に入ると思うわ」




 うん、俺もそう思う。

 ロックバードが弱すぎたんじゃなくてマキアが強すぎたんだと思う。




「さすがはAランク冒険者だね」




「そうね」




 当の本人は無邪気に喜んでるけど。




「倒したの〜」




 その後も、複数の違う頭を持つキメラやコカトリスなど俺たちが出会った事のない手強そうはモンスターが出て来たが全てマキアに瞬殺されていた。




 攻撃パターンはロックバードを倒した時と変わらずに凄いスピードで相手の前に行き殴ったり蹴りを入れたりする。

 それだけで強そうなモンスターが抵抗する間も無く滅されていく。




 まぁ、そういう倒し方が楽なのは俺もやるから分かる。




 そうこうしている内にドラゴンが居る場所にたどり着いてしまった。

 正直に言えば俺も戦えば良かった。ついマキアのモンスター討伐ショーに魅入ってしまったが、そのせいか戦いたくてウズウズしている。




 実は戦闘狂気質のあるアリシアもウズウズしているかも知れない。

 戦闘狂というのは言い過ぎかも知れないけど、交戦的でモンスターと戦う時は少し表情も楽しそうな気がする。




 とにかくついに御目当てのドラゴンまで辿り着いたわけだ。


 


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