デート3
俺が今日行こうと思って居たのはオムライスの店だ。
アリシアがこの店のオムライスが美味しかったと言ってオススメしてくれたので行こうと思っていたのだ。
ちなみに俺とアリシアは四六時中ずっと一緒に居るわけでは無い。
同じベッドを使って寝ているが、冒険者ギルドでクエストを受けて依頼をこなしている時以外は別行動な時も多い。
治安が悪い場所とかだったら考えるけど、四六時中ずっと一緒にいるのもどうかなって思うし。
束縛しすぎるのはどうかとも思う。一緒のパーティーを組んでるからこそ適度な距離感が大切な気がする。
「私オムライス大好きなの〜♪」
「それなら連れてきて良かったよ。俺もオムライス好きなんだ」
俺も昔からオムライス好きなんだよな。大きいのを頼みすぎると単調な味に飽きてくる事もあるけど。
あの美味しそうな見た目が食欲を誘うし、お店で食べると魚介が乗ってるやつだったりクリームソースが乗ってたりして、色んなレパートリーが合って楽しいんだよな。
「私は食べたいやつ決めたの〜!」
「了解、俺も頼むやつ決めたよ」
「それじゃあ注文するの〜」
店員の女性に注文を頼んだ俺とマキアは再び雑談を始める。
「ユウヤはこのお店に来たことがあるの〜?」
「いや、俺は来たことが無いんだ。ただ、一緒にパーティーを組んでる仲間がこのお店のオムライスが美味しいって教えてくれたんだ」
「そうなの〜、ユウヤは冒険者をやってるの〜?」
「あぁ、俺もマキアと同じで冒険者をやってるんだ」
「私と同じなの〜」
「マキアはこの街に来るの初めてって言ってたけど、何か用事でもあったの?」
「ギルドから受けた依頼を達成するためにこの街に来たの〜」
依頼を受けてこの街に来たのか。護衛の依頼でも受けたのかな?
まぁ、俺に関係する事でも無いのなら、依頼について深く聞くのは良くないだろう。
「もし良ければ喋っても問題の無い範囲で戦い方とか聞いてもいい?」
冒険者に取って自分が持つスキルなんかは生命線だしなるべく話したくはないだろう。
だから喋れる範囲で聞ければな良いなという感じだ。
「いいの〜。私の戦い方はシンプルなの〜」
「シンプル?」
「そうなの〜、魔力を纏って殴るだけなの」
魔力って纏えるんだ。初めて知ったけどコレはかなり有益な情報だ。
異世界人の間では常識なのかも知れないが俺的には魔力を纏って強度が上がるというならスキル身体強化(極)と噛み合って更に強くなれるだろう。
もしかしたら習得するのが凄く難しくて使い手が少ないのかも知れないけど。
後は持っている魔力量によっても使い勝手は変わりそうだ。
とはいえ、魔法スキルを習得した時に魔力増強(極)という魔力量が上がるスキルも取った。
上手く魔力を体に纏うことが出来たらさらに強くなれるはずだ。
「ユウヤはどうなの〜?」
「俺は遠距離も近距離もやるかな。魔法での攻撃もあるし、接近戦も少しは出来るかな」
「そうなの〜。オールラウンダータイプなの〜」
と雑談をしていたら店員のお姉さんから注文していたオムライスが届いた。
「美味しそうなの〜!」
俺は魚介にクリームソースがかかったオムライスを注文した。
オムライスの周りには真っ白なクリームソースと山盛りの魚介が乗っていて、上から全体を見た時の見栄えも良くとても食欲を誘う。
さっそく一口食べて見たがとても美味しい。ご飯にはケチャップライスではなくバターライスが採用されているのだが、クリームソースとマッチしていて最高だ。
次に大きめに切ってある海老のような見た目の魚介を口にしたが、コレまた魚介の旨味とクリームソースの相性がとても良い。
さらにオムライス、クリームソース、複数の魚介を贅沢にスプーンに乗せて食べてみた。
そうすると全ての旨味がミックスせれていてとてもやみつきになる。
やっぱりバターライスが食材を繋ぐ良いアクセントになっていると思う。
マキアは王道なケチャップのみが上に乗ったオムライスを食べている。
彼女の表情を見ていると美味しいんだろうなーという事が分かる。表情だけではなく食べるペースだいぶ早い。
こうして俺とマキアの昼はオムライスを食しながら過ぎて行った。




