デート1
「私のクレープ……」
ソフトクリームの美味しさに夢中になっていた俺は同じく食べ物に夢中になっていた少女とぶつかってしまった。
まぁ、お互いに前を見ずに歩いていた訳だからどちらも悪いのだが……
俺のソフトクリームは無事だったが、少女が食べていたと思われるクレープらしき食べ物はぶつかった衝撃で地面に落ちてしまった。
流石にこれはお互いに非があるとはいえ、何だか申し訳ない気分になってくる。
多分相手がおっさんとかじゃ無くて美少女だからと言うのと、この少女が悲しそうに落ちたクレープを未だに未練がましく見ているからだろう。
「あのー、何かごめん」
取り敢えず謝って見た。
「しょうがないの〜、私も前を良く見てなかったの〜」
おー、良い子だ。ちゃんと自分にも非があった事を認めている。
ただ悲しそうにそんな事を言われると何とかしてあげたくなる
「あのさ、良ければ奢ろうか?」
「ほんとなの〜!!」
思っよりも食い付いてきたな。よっぽどクレープが食べたかったんだな。
「うん」
「じゃあ、お願いするの〜!」
「了解」
「ありがとうなの〜!」
グハッ!
上目遣いが眩しい。彼女の身長は150cm中盤ぐらいで俺よりも30cm程低い。
故に俺を見て喋る時は必然的に上目遣いになるのだが、可愛い系の見た目も相まって破壊力は抜群だ。
綺麗な青髪と大きなアーモンド型の瞳にふさふさのまつ毛にプルプルな唇。身長は日本人の平均身長よりも低そうだがとある一部分はそれなりのものを持っていそうだ。
独特な喋り方も見た目とマッチしていて可愛らしい美少女だ。
こんな美少女と一緒に行動出来るなんてラッキーだ。
うん、きっと日頃の行いを見た神様がくれたご褒美なんだろう。
ありがとう神様。
・・・
あの後、彼女が落としたクレープをもう一度2人で買いに行った。
彼女は前回とは違う味のクレープを頼んでいた。さっきはストロベリーがたくさん入った物を購入したらしいが、今回はキャラメルバナナを選んでいた。
ついでに俺もチョコバナナのクレープを買った。
出店の前からは美味しいそうな匂いがしていて誘惑には勝てなかった。
さっきソフトクリームを食べたがまた甘い物を食べたくなってしまった。
クレープを焼いて生地にしているところを見ると食欲がそそられる。さらにそこからチョコバナナを乗せるんだから美味しいに決まっている。
生地は暑すぎずちょうどいい温かさを保ちながらもパリパリで美味。
チョコレートは甘すぎずにバナナの美味しいさとマッチしていて最高だ。
ここのお店のクレープは中々に美味しかった。今度はアリシアと一緒に来て食べさせてあげたい。




