呼び出し
「この死体どうする?」
「別に放置してても魔物が食べるんじゃないかしら?」
「一応死体ならスキルで収納出来るんだよね。生きてる人間は無理だけど」
一応、このまま放置するよりは適当な湖にでも投げて隠蔽した方が良いのかなって思ったけど。
ここは冒険者も来る場所だし、この死体が見つかった事で面倒なことになったら嫌だし。
「もうあそこで魔物が涎を垂らして待ってるわ。放置で良いとは思うのだけど」
「うん、アリシアの言う通りにしようかな」
「そう」
確かに血の匂いに釣られたのか複数のレッドウルフの気配があるしね。今回は彼等に掃除をしてもらおう。
彼等は俺とアリシアに狩られず食事にありつける。俺たちは後始末をしなくて良い。
うん、俺達とレッドウルフでお互いにウィンウィンの関係だね。
「領主が呼んでる?」
あの後、俺とアリシアは冒険者ギルドへ依頼の達成を報告する為に来たのだが。
「お疲れ様です。実はユウヤさんにスクワー伯爵からのお呼び出しが来てまして。ご足労ですが伺って頂けると助かります」
と受付嬢にこのような事を言われてしまった。正直なところ貴族に会うのとかめんどくさいんだよなぁ。
まともな貴族だと良いけど、バカ貴族だったらダルいな。
「どんな用件で呼ばれてるんですか?」
そもそも何故に俺は目を付けらるてるんだ。変な意味で俺ではなくアリシアに用があるなら貴族だろうとなんだろうと処分するけど。
「どうやらオークキングを討伐した冒険者の噂を聞いたらしく面会を求めてるそうです。一応この街の領主様という事でなるべく会って頂きたいと言うのが本音です。ですが、あまり良い噂を聞かない方なので会わない方がいいかもしれません」
良い噂を聞かない領主って何か面倒くさい事になりそうだな。ていうか、別に行かなくても良いしな。それでも絡まれたら消えてもらえば問題無いし。
「ちなみに、行かないと何か不都合があったりします?」
「そうですね、行かない場合は速めにこの街を出た方が良いかと」
まぁ、それはそうだよね。
「速めって言うと明日ぐらいですかね?」
「それが良いかと」
まぁ、アリシアの意見を聞いてからだけど、とりあえず会ってみようかな。この先もこう言う事がないとは限らないし。
まぁ、貴族がビビって何も出来ないぐらいの実績と冒険者ランクがあれば楽になるのかも知れないけど。




