vsミノタウロス
オークキングを討伐してから1週間。緊急事態も終わり冒険者達もすっかりといつも通りの生活に戻っている。ちなみに、俺とアリシアは特に依頼も受けずに街を観光したりホテルでゴロゴロしていた。オークキングを討伐してお金はあるからね。いざ!夢のニート生活。
そして、そんな自堕落な日々に終わりを告げて今日はミノタウロスというモンスターを狩りに行く。
はぁ〜、働きたくないでござる。
実は今日戦う事になるミノタウロスはこの辺に出る魔物の中では強い方らしく難易度はcランクらしい。
ちなみに、単体だとオークがDランクでレッドウルフはEランクだ。ただし、レッドウルフは群れで行動する事が多い。そのため、5匹以上いると難易度が上昇してcランクの危険度になる。
そんでもって俺とアリシアが今日討伐する予定のミノタウロスの難易度はcランクだ。まぁ、油断は良くないとは言え、Bランクのオークキングを討伐した俺達ならそんなに問題の起こる相手ではないだろう。
「アリシア昼は何を食べる?」
「私はパンケーキを食べるわ」
アリシアと出会った日に食べた女性客で賑わっていたパンケーキ屋。彼女はあの店にハマっていて毎日のように通っている。何故か売り子として働いてくれないかと店長らしき人間にスカウトされていた。
まぁ、元々の可愛さプラス美味しいそうにパンケーキを頬張って居る姿はまさに天使だ。正直なところ俺が一緒にこの店に同行する理由の10割はそれが理由だ。
「本当にあの店のパンケーキ好きだね」
「えぇ、あなたはどうするの?わざわざ私に合わせなくても大丈夫よ」
「いや、俺も行くよ。アリシアと一緒に居たいし」
「そう」
「あ、あれミノタウロスじゃない」
遠目からでも良く見える筋肉質で強靭な肉体。そして、人間と牛が合体したような見た目で体毛が濃く大きい角を持っている。
何だか見た感じ圧が強いしオークキングと同じくらい強そうだ。というかタイマンしたら良い勝負をしそう。
まぁ、オークキングは単体性能だけではなくてオーク達を統率して集団戦を行えるからね。ミノタウロス1体と戦うよりも遥かに面倒臭いだろう。
「じゃあ、お願いアリシア」
「えぇ、任せて。ウォーターランス!!」
まずはアリシアの魔法で先制攻撃。こちらの攻撃に気付いたミノタウロスは腕を顔の前に持って行き攻撃をガードする。そして、その間に素早くミノタウロスの後ろに近づいた俺が無防備な頭を蹴り飛ばす。
「アクアキャノン!!」
そして俺の攻撃で地面に倒れたミノタウロスにアリシアが魔法でトドメを刺す。
「さすがアリシア!」
にしても、やっぱりアリシアの魔法って破壊力がある気がする。やっぱり水魔法の強力なスキルを持っていたり、他人よりも魔力量が多かったりするのだろうか。
まぁ、他の魔法使いをあまり知らないから何とも言えないけど。
「ふふっ、これぐらい当然よ」
ちょっと得意げなアリシアも可愛い。自分の魔法でミノタウロスを倒せたのが嬉しいんだろう。
「じゃ、ミノタウロスの回収も終わったし帰ろうか」
「そうね」
そうして歩き出そうとした瞬間
「死ね!!」
俺を目掛けて3本の矢が飛んできた。




