買い物
オークに殴られて死んだドッキリを実行して頬にビンタを食らった俺は結局街に着くまでアリシアに余り口を聞いて貰えなかった。
いや、それはね俺だって本当は良くない事だなーとも思ったよ。それにやったら後が怖そうだな〜とも感じた。
でも、どうしてもやりたくなったと言うか。何か身体が勝手に動いてしまった。
そんな感じでツンツンしたアリシア(可愛い)と街に到着した。当然の事だが持ち物を盗られたアリシアは無一文なので俺が色々と買って上げなければ。まずは美味しいご飯を食べて貰って機嫌を直して頂きますか。
「まずはアリシアの服を買いに行かない?」
とはいえ、先ずは彼女の洋服を買わなければ。今着ているものは大分汚れてしまっているから、これでは他の店にも入りにくい。
「良いの?」
「もちろん!任せて」
アリシアなら何を着ても似合うだろうし楽しみだな。とはいえ、正直に言えばこの街には来たばかりでお店の場所なんてよく分からない。ましてやアパレル系の店なんて知るわけがない。
取り敢えず街の中央にあったお店に入った。ここでは1着購入できればいい。流石に風呂に入って無いだろう現状のアリシアが試着するのはどうかと思うし。まずは服を買ったらホテルでシャワーを浴びて着替えて貰おう。その後でまた買いに行けばいい。
「取り敢えず、ここでは今日着る服と下着何かを買う。その後に一回シャワーを浴びてからまた街に繰り出そう」
「分かったわ」
「他にも服が欲しいだろうから、それはまた直ぐに買いに行こう。はい、これお金!僕は店の外で待ってるから終わったは教えて」
「ありがとうユウヤ。お金は冒険者になって直ぐに返すわ」
「別に気にしなくても良いのに。俺が好きな女の子の為に好きでやってるんだし」
「正面からそう言われると照れるわね。それに、それじゃあ私の気持ちが納得できないわ」
全くもって照れてなさそうに言ったアリシアはそのまま服を見に行った。それから大体10分ぐらいでアリシアは買い物を終えて戻ってきた。
「お待たせ」
「うんうん、それじゃあ俺の滞在しているホテルに行こっか。ちゃんとお風呂もあるよ」
「そう、それは嬉しいわね!」
そう言ってアリシアはお風呂に入れる事を凄い喜んでいた。さっきの照れてる発言より明らかに感情が表に出てきている。
やっぱり年頃の女の子だしお風呂に入れない事を気にしていたのだろう。自分の身体が汚れたままなのは精神的にキツいし。女の子じゃなくても、自分の身体が汗まみれで服にベタついたりするのは、日本で生まれた今時の男子高校生である俺だって嫌だ。
そんなこんなで、取り敢えず俺とアリシアはホテルに向かうことにした。ラブなホテルで一夜を過ごしたい所だが、残念ながら俺が期待するような事にはならないだろう。