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夏の冬

作者: 瑞目叶夢

ミカちゃんは夏が嫌いです

暑いし、花火は怖いし、オバケも嫌だし、カエルもセミも嫌いな女の子です


「夏なんか無くなっちゃえばいいのに!!」


ミカちゃんはお家のエンガワでムスッと文句を言いました。


「じぁ冬にしてあげる!」


ミカちゃんが声のした方を向くと、赤い手袋をした男の子が立っていました。

ミカちゃんがおどろいてパチリとまばたきをしらた、男の子は消えていて、

お庭が真っ白になっていて雪が降ってきました。


「雪だ!!雪がふってる!!」


ミカちゃんは大喜びで、お庭を走り回りました。

冬は寒いけど虫もカエルも居ません、お化けもいないし、雪はキレイで、

雪遊びは楽しいです


しばらく喜んで見て回っていたら、お庭のすみっこにさっきの赤い手袋の男の子が立っていました。

イタズラが成功して嬉しそうにミカちゃんを見ています。

ミカちゃんは男の子に、かけよっていきました。


「あなたは、だぁれ?」


「ミカちゃん、冬は楽しい?」


「とっても楽しいよ!これはあなたが冬にしてくれたの!?」


「そうだよ」

男の子は満足そうに答えました。


「素敵!!すごい!!魔法だね!!クシュンッ」


ミカちゃんはくしゃみをしてふるえだしました。


だってお気に入りのワンピースと薄手のカーディガンを着ていたのです。

すると男の子は、手袋を右手だけはずして、ミカちゃんにわたしました。


「これを着けたら、あったかいよ」


男の子に言われたとおり、赤い手袋を着けると暖かくなりました。


「すごい!あったかいね!そうだ!おれいにお庭を案内してあげる!」


そう言ってミカちゃんは、男の子を連れて花壇の方に走っていきました。


「あれ?何だかお花が元気ない」


「冬だもん、お花は冬が苦手なんだ」


「ざんねん、夏はとってもキレイだったのにな、じぁ次は、向こう行こう!」


そう言ってミカちゃんは、池の方に行きました。


「あれ?コイさん泳いでない、夏は飛びはねてたのに・・・・」


「冬だから、みんな眠くなっちゃうんだよ」


「冬って寂しいね、夏は楽しいのに」


ミカちゃんがそう言うと、男の子は、かなしそうにしました。


「そっか、じゃぁ僕帰るね」


男の子がそう言うと、全部消えて夏が帰ってきました。


ミカちゃんには右手の赤い手袋だけが残ったのでした。


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