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シーナリーエッセイ集  作者: 由木 ひろ
5/23

勇気を出して!!

 幼稚園の敷地の隅にある、大きな銀杏の木の下で、一人の女の子が、何やらそわそわしている様子・・・。

 彼女の名前は可憐かれん5歳。


 昨日彼女は夕食の後に、お母さんと一緒にエプロンを付けてチョコレートを型に流し込んでいた。

 そう、今日は2月14日、バレンタインデーなのである!!


 同じクラスのレンジ君に手作りチョコを渡そうと思っていたんだけど、実際にその時が来ると、どうしても彼の前まで行く事が出来ないで、銀杏の木の下で迷っていたのである。


 レンジ君は、みんなとサッカーをして、楽しそうに走り回っていた。


 可憐にとっては、お父さん以外の人に、初めて贈るチョコなのだ、まして、人生初めての愛の告白である。

 緊張と、もし受け取ってもらえなかったら、なんて考えたら足がすくむ。

 何度も足を踏み出そうとするが、迷いで足が止まり、そのたびに心臓の鼓動が高鳴る。


 どうしてもあと一歩が踏み出せない、銀杏の木に背中をあずけぼんやりしていると、どこからか、1匹のモンシロ蝶が可憐の前に飛んできた。

 蝶は可憐の頭の上をぐるぐる回り、やがて可憐の鼻に止まった。


 可憐は【鼻に止まった蝶をより目で見つめた】


 程なくして顔を軽く左右に振ると蝶は飛び立った。


 蝶は可憐の前を飛んでいると、どこから来たのか、もう1匹の蝶と合流した。

 2匹はじゃれ合ってるのか、しばらく同じ所を旋回しては、一匹がその場を離れると、それを追ってもう一匹が追いかけては、又じゃれ合いを繰り返して、いつしか可憐の視界から消えた。


 それを、ぼーっと眺めていた可憐は我に返った。

 何を思ったのか可憐は、手に持った、プレゼントのチョコが入った箱を胸に抱きレンジ君の元へ歩き始めた・・・・・・。




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