「たまにはこう言う事もある」
「拙者、下忍と申す」
『知ってます』
・・・
そこはよく呼ばれる真っ白な空間ではなく、空に浮かぶ島にギリシア神殿のような物が立ち並んでいた。
『私の名前はクロノス、大地および農耕の神です』
「ゼウスの息子だっけ?時間の神じゃなくて?」
『そちらはカイロスですね、私も時間を司るとは言われていますがそれほどでもないですよ』
「一応聞いておこう、召喚した理由は?俺に何をさせたいんだ?」
『用件は一つ・・・暗殺です』
「物騒な話だが何故俺に?」
『理由としては殺害して欲しい人物の子孫が私の領域を犯すからですよ神が直接手を下せばタイムパラドックスの修正はかなり面倒になりますからね』
「暗殺できる人間ならだれでもいいと言う事か・・・それで報酬についてだがそうだな・・・デロリアンくれ!」
『・・・流石にあなたの望みは叶えられません空飛ぶほうでしょう?』
「最悪プルトニウム使う方でもいい」
『ですから無理ですって・・・』
「時間移動系のアイテムは無理か・・・なら時間移動のスキルやギフトでもいいんだが」
『可能か不可能かで言えば可能です、ですが今回の仕事程度では報酬が勝ちすぎています』
「・・・・・・・・・分かった、ならこういうスキルはつくれるか?」
『なるほど、『自分の時間を加速させる』スキルですか』
「出来るか?」
『それくらいならいいでしょう』
「なら引き受けた」
『では彼の時間の彼の地へ・・・』
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
中世ヨーロッパ風と言うかヨーロッパだな。
十五世紀フランスか特にみるべきものも無いな、この時期ならイタリア遠征のせいで国家自体が疲弊してるしな。
一瞬この時代のワイン持って元の時間に戻ったら大儲けできるなと思ったが
『熟成しないですから無駄ですよ』
あいつ見張ってやがるな・・・暇な神だ。
ターゲットの居城に入り込み様子を伺う・・・
「マルグリット・ドートリッシュ!お前との婚姻は破棄させてもらう!」
いきなり修羅場である、こんな時にどういう顔をしていいかわからんな。
「わかりました、政治的後ろ盾を失ったわたくしより、アンヌ様ならブルターニュ公国が後ろ盾となっていだだけるのですから・・・」
マルグリッドは涙を浮かべながら退出していった。
「すまぬ・・・すまぬ」
政治がらみは非常にめんどくさい、一つの問題を解決すると絶対に別の方面から問題が発生するからだ、いっそ貴族の首を全部飛ばした方がよくなるんじゃないかと思う。
『修正がひどく面倒になるから勘弁してくれ』
やっぱそうか、嫌がらせするなら『ヤメテ』まぁ勘弁してやろう・・・
しかし離婚されたマルグリッドは城に居るままだ、普通送り返すものだろう?
『なんか自由伯領の問題がどうたらとかWI○Iに書いてある』
神様WI○I読むんだぁ・・・すげぇな、そしてインターネット有るんだな。
そもそもなんで何年も前に転移させたんだ?普通享年に送るだろうに。
『今から資料送るからターゲットの子供たちもそのように殺ってね』
やっぱ貴族だけでなくそこらへん歩いてる一般人まで巻き込んで自爆『勘弁してくれ』じゃあこっちのNGも知ってて言ってるんだろ?
もういいや時間系の能力はレアだが主義主張まで曲げるほどの物でもない、残念だが今回は降ろさせてもらう。
『待て、神の依頼を、報酬を、そんな下らんことで断ろうと・・・』
「下る下らんはそっちの都合だ、あんまりウダウダ言うなら主神・・・じゃなくて奥さんの方にチクるぞ!」
『うぐぐ・・・』
「さて・・・」
暫し思案したのちにクロノスへ『召喚眼鏡』を召喚するよう伝える。
あいつが過去に戻りたがってるのは何となく察していた。
だがあいつの便利なユニークスキルを手放すのが惜しく、時間系の神との接触できないよう『先生』が色々画策していたのは知っている。
漫研の同士が減るのはさみしいがあいつの選んだ道だ・・・
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
変わらぬ学園に戻り『召喚眼鏡』に今回の仕事の話を伝えておいた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「おや?『召喚眼鏡』はお出かけ中~?珍しいわねぇ」
「『広域破壊娘』か、珍しいなここに残ってるなんて」
「もう、香ちゃんってば『先生』の付けた名前で呼ばないでよ、アリーシャって呼んでいいのよ(はぁと)」
同好の士が居なくなりそうで落ち込んでるときにこんな奴の相手をするのも億劫なので速攻逃げる。
好かれてるのは分かっているがこいつは苦手だ。
何がどうと言う訳ではないが苦手だ、本能が逃げろと叫ぶからしょうがない。
考え事をしていると足元に召喚陣が現れる、気分を切り替え、衣装を変えて召喚に備える。
まぁまだまだ俺の目指すあの人には遠く及ばない、更なる精進が必要だ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「拙者、下忍と申す」
「・・・えっと忍びの物で良いのかな?」
とぅびぃこんてにゅー