彼との朝
「あなた、おきて」
やさしく声をかける。
時間は8時5分前。
そろそろ起こさないと、
私が彼に会える時間が減ってしまうな。
朝は決まってそう思うようになってしまった。
彼が会社にいってしまうと、
私は一緒に過ごせないので、
朝は少しでも一緒にいたいから出勤前の40分前に起こしてしまう。
とにかく眠そうにしている彼には申し訳ないけれど、
40分前だから許してほしい。
もうすでに私は朝のコーヒーを飲んでいるのだけれども、
改めて彼が私の為にカップにコーヒーを入れてくれる。
一度飲んでいるはずのコーヒーなのに、
もう一度のむコーヒーは改めて身体の全部に届くような、
吸い込まれていくような、とても美味しい飲み物に代わる。
「おはよう。」
彼にそう言える事がうれしい。
朝に大切な人との時間が過ごせる。
私の幸福はここにあるんだな、、、
いつも少しの飲み物を飲むだけの彼だけど、
気が向いたら朝食をとる事もある。
そんな時はパンをトーストしてみる。
焼きたての食パンにバターを控えめにぬる。
ほんのすこし、
朝の食パンで彼の健康を意識しちゃう。
食事をとるのなら、、、
って思うと食べやすい形にカットした果物もそっと添えてしまう。
私は欲張りで、一緒にいる事がもっと長く続けばいいと、
すぐに考えてしまうから、
なんでもない食パンを彼と食べるのもとっても美味しい。
1人で食べる朝食はあまりにも生きる為だけの行為に思えてしまうけれども、
大切な人と食べる食事がこんなにも心の中から満たされるとは知らなかった。。
明日も、この朝の時間がつづけばいい。
私の彼は時間になると、会社へいってくれる。
またこれも思いやりにあふれた行動なのもわかっている。
ありがとうがとまらない。
ありがとう。
今日もいってらっしゃい。
私は今日もこの家でまっています。
はやくかえってきてね。