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働くママ日記 しあわせ時間  作者: あじさい
12/13

いつだって君たち

お尻の骨にヒビが入って、

全治2か月と離婚したショックで1年の引きこもり、

この1年間が1番うれしい時間だといってくれたね。

私もそうだったよ。


働いてばかりで、家にいる事が少ない私によく付き合ってくれたね。

理由は最悪だけど、

お尻のケガと心のケガのおかげで自宅にいる事ができた。



復帰するまでに1年かかったけど、

この時間はママにとって最高の年だった。



可愛い君たちをおいて働く事がつらく感じる時もあったけど、

それでも生活の為に働く事はやめるわけにはいかなかった。

ごめんよ、


そんな家計だったから、

私の事をいつも仕事だと言い聞かせて甘えるのを我慢していたのも知っている。


本当に今までの生活があるのはあなたたちのおかげだよ。

ママがいつだって元気に働く事が出来たのは、

あなたたちがいてくれたから。



家でいる時は、あなたたちが学校から帰ってくるのが楽しみで仕方なかった。

ケガが治るまでは立ち上がる事も出来なかったから、

あんまり家事が出来なくて色んなご飯が作れなかったけど、

3人で工夫して調理したね。

時間だけは沢山あったから、家のことをみんなでするのが楽しかった。


ケガが治って、身体が少しずつ元気になってきたら、

今までできなかった理想のママをするのも楽しかった。

初めての長い休暇でしたい事は、

一番したかったのは、

「おかえり」を学校から帰ってきたら言う事。


どのくらい言ってないだろう。

そう考えちゃうくらいの記憶は昔にさかのぼる。


出産してすぐ復帰していたから、ずいぶんな時間がたってるね。

仕事をしている時には絶対に言えなかったから。

私には言えない事だったから。


毎日、毎日言えるのがうれしかった。


そうそう、あれも忘れてはいけない。

心が元気な時はクッキーを焼いた。

憧れの手作りクッキーを子供がかえって来たら、

おやつに出す事。


夢だった。

心の病気ともう少し家計に余裕があれば、

毎日のように焼きたかったよ。

熱々のクッキーを食べながら、

学校であった話しをきくんだ。


幸せな時間はあなたたちがくれたね。

私一人では絶対に手にいれる事なんてできない大切な時間だった。


家にいて、大切な子供たちとの時間を過ごす事が、

こんなにもこんなにも幸せな事だと改めて思う。


倒れて途方に暮れる毎日になりそうだったけど、

もう一度、立ち上がる事が出来たのはあなたたちのおかげだわ。


ママはもう一度、ママに戻る事ができた。

この1年間がきっとこんなにも一緒にいる事ができる最後の年なんだと思うと寂しい。

もっと、もっと一緒にいたいと思うけれども、


残念ながらママにはそんな力はない。

これからの幸せのためには働きに行かないと。


もう今は働いてしまっているから、

あの時の気持ちを思い出しながら書いているから、

余計に懐かしくて、もっと一緒に今いたい気持ちになった。


数年で君たちはもう私のところから巣立っていくんだね。

そう思うと、なんだかとってもやりきれなくなる時がある。



私の愛しい君たちともっと一緒にいたくて涙が出そうになる。

自分の時間をお金に変えて生活しているけど、

失う時間がやるせない。



このやるせない気持ちはまた薄れてゆくのだけれども、

あの1年があまりにも楽しくて薄れるのには時間がかかりそう。


愛しくて、愛しい君たちを私は守る事が出来ているのかって思う時があったけど、

守られてるのは私の方で、幸せな時間をたくさん用意してくれるのはいつだって君たちなんだね。


いつもありがとう、心をこめて

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