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運命は3回巡る

店に入ってどれくらいの時間がたっただろう?


現実逃避ともいえる考えを持ち始めていたのは陽炎だけではなかった


かれこれ二時間は経つのではないかと思われるほどに、あの二人は店から出てこなかった


「何かあったのかなぁ?」


「亜矢椿先輩がいるのにか!?ってことは、よほどの大物か・・・・」


そう二人が言い合っている時だった


携帯の電話が鳴り、二人は直ぐ様電話をとる


「もしもし!?亜矢椿先輩!?美咲さん!?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


時間は少し巻き戻り、店内では美咲と亜矢椿が、ユリスクリムシェンと悠を見張っていた


だが、ソコで二人は大変なものを見てしまった


この店限定の超巨大パフェを30分以内に食べ尽くすことが出来たら、お代は無料+この店での無料券がついてくるといった挑戦を、監視対象のうちの一人が挑戦し、見事一人で食べ尽くしたのだ


「うん!タイムは?」


「た、タイムは12分36秒」


「ちぇ、10分以内に食べ尽くしたかったのにな」


「ゆりす。俺が見ていて胸焼けしてきた」


「あ、じゃあ出よう!テイクアウトで期間限定の苺タルト20個で」


・・・・・・・・・・・・


「アイツ・・・・・・・・よく食べられたな」


「何て言うか、こってりしたクリーム系のケーキとか食べてましたよね」


「胃袋はおかしいな。まぁ、それよりも彼らが出ていくんだ。広野江たちに連絡だな」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「って、ことで、店内からアイツ等が出ていこうとしていると」


「なんでそんなに・・・・」


人か人ならざる者か以前に、大食いにビックリした

この店の種類豊富なスイーツ全てを食べるだけでなく期間限定品にいたっては何回もおかわりし、とどめに度胸試しのような超巨大パフェを半分もいかない時間で食べつくし、得た無料券を使ってタダで食べてきたに違いない


そんな話だけでも胸焼けを起こしそうな二人だった


「あ、出てきた!」


そして、ユリスクリムシェン、遠里悠。その後ろから亜矢椿と美咲が出てきた


「悠大丈夫?」


「しばらくは甘いものを見たくも嗅ぎたくもない」


「ちぇ」


そんな会話が聞こえた所で、陽炎たちも合流。何事もなかったことを話した(胸焼け事件は含まない)


「ただの一般人ってことか?」


「でも、何回も二人でトイレに行くのは不思議だよな」


「1度だけ、彼らの後に美咲が入ったそうだが、そこで微かに血の臭いがしたそうだ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


嫌な雰囲気や気配を感じとるのはユリスクリムシェンにとっては、今までの経験上、息をするかのように簡単だったともいえる


しかし、今は守るべき(そんざい)がいる


彼自身にも負担を掛けず、彼が厄介事に巻き込まれないように最善を尽くしたいと思うのがユリスクリムシェンの思いだが、ユリスクリムシェンはわかってしまった


何かが悠を傷つける


 悠を傷つけるのなら殺さないと


  悠だけでも、絶対に守らないと


   それが


「ゆりす!!」


「!!な、なに?」


「そんなに急いでどうしたんだよ?本命は終わったんだから、後はゆっくり」


「悠・・・・」


ユリスクリムシェンは悠に抱きつく。身長差があるので、彼のお腹辺りだったが、この時点で悠には、ユリスクリムシェンがなぜこんな風に、不安そうに抱きついてくるのかわからなかった。


「ゆりす・・・・」


やさしく頭を撫でてみるとユリスクリムシェンは言葉を発した


「邪魔物がうろついているから殺す」


「なんで不安そうな顔したと思いきや、そんな物騒な言葉をだすんだ!?!?しかもいい笑顔で!?!?」


「悠のためだよ」


「なにがさ!?!?」


「悠とせっかく遠出に来たのに、それを邪魔するなんてさ・・・・赦さないよ」


「許しなさい!」


「それが例え人外であっても?」


「えっ?」



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