第1話:最悪と一人の少女
そして俺は「ステータス」と念じた。すると俺の頭の中にイメージが流れ込んできた。<PBR>
桐山正樹 17歳 男<PBR>
LV:1
体力:50
攻撃:50
防御:50
魔力: 20
スキル:課金
「えーーーーーー」
他の人達も奇声をあげていた。
そこで女王は
「みなさんのステータスを見せてください」
と言って、風間のステータスを見た。
風間 瞬 17歳 男
体力:150
攻撃:150
防御:150
魔力:200
スキル:聖剣 鑑定Lv1
風間のステータスを見て、女王や生徒たちも驚いていた。
「すごい!これは前の勇者を超えるレベルです」
俺も「こんなのチートだろ。前の勇者?てか、聖剣ってなんだよ」とか思ってた。
「ありがとうございます。女王様」
「あの聖剣とはなんですか?」
「はい。聖剣とは、勇者の中の選ばれた1人が持っている能力で魔王を倒すにはこれが必要だと言われています」
それを聞き「すげーーーー」とみんなが言った。
そして俺の番が回ってきた。
女王は俺のステータスを見て絶句した。
その声を聞き俺の方にみんながステータスを見に来た。
すると突然笑い出した。
「なんだよこのステータス。能力低すぎ」
「みんなが持っている鑑定すらないのかよ」
「女子よりも低いじゃん。それに課金ってなんだよ」
「もしかして、元の世界で課金ばっかりしてたからじゃね」
「桐山ってキモいイメージあったからね。ギャルゲーだったりして」
「それあるかもよ。あいつ帰宅部で時間あったし」
突然俺はボロクソ言われ泣きそうになった。
すると、一人の女子生徒が声をかけてきた。
「大丈夫?汚い顔がもっと汚くなっているわよ」
「ほんとあなたは元の世界と変わらず、キモいわね」
俺はその声にムカつき顔を上げた。
「うるさいんだよ!前から俺に関わってきやがって」
俺に暴言を吐いたのは氷堂玲子、黒髪ロングで学校の中では1、2を争う美人である。
だが、性格はドSで彼女に告白した人は全員、学校をやめている。
俺と氷堂は昔、仲が良かったが、突然変わってしまった。なぜだろう?
そして氷堂にはチーム玲子というものが存在し、玲子を外敵から守っている。
「玲子様にその態度はなんですの」
今言ってきたが、そのチーム玲子のトップ島崎絢香、ショートカットで運動神経抜群、こちらも1、2を争う美人である。
「お前には関係ないだろう。黙れ」
「黙れとはなんだ、玲子様にすぐ謝れ」
「はいはい。すいませんでした」
「次からは調子にのるなよ」
この辺ずっと氷堂は俺に関わってくる。よくわからん。
「みなさん。明日から剣の特訓と魔法練習、そしてこの世界の勉強をしてもらいます」
「2ヶ月後にはダンジョン攻略を予定しています」
と女王が話した。
それを聞くと一斉に歓声が上がった。
「では、みなさん部屋を用意しているので着替えて、ここに戻ってきてください。今夕食を準備していますから」
〜玲子視点〜
(あーー私はなんてことを言ってしまったのだろう。嫌われたかも、ほんと何をしているんだ私)
私、氷堂玲子は桐山正樹のことが好きである。
高1の頃私はこんな性格もあり特に男子から避けられていた。
しかし、ある日私が帰ろうと準備している時急いでいて定期を落とした。
すると、それに気づいた人が拾ってくれた。
「このバンド好きなんだ。俺もチケット持ってるんだ」
私は定期に好きなバンドのチケットを入れていることをすっかり忘れていた。
(これは誰にも言ってない秘密なのに、どうしよう)
「そうなんだ。友達からもらってさ」
「俺と一緒に行かない?そのライブ」
「えっ」
「いいの?」
「俺でよければ」
私は喜んだ。
「一緒に行こう。私の名前は氷堂玲子。あなたは?」
「俺の名前は桐山正樹」
そのあと彼とは何回かライブに行き、楽しんだ。
しかし、高2になってからチーム玲子というものが作られ行動が制限され、彼とはライブに行けなくなった。
それからというもの、彼には強くあたってしまう。
(良し。異世界では彼との距離を縮めるぞーー)
「大好き、正樹」
と私は小声でそう言った。
しかし、扉の近くには女生徒が一人立ってイライラしながら、爪を噛んでいた。
氷堂 玲子 17歳 女
体力:100
攻撃:100
防御;100
魔力:110
スキル:フリーズボール 威圧Lv1 鑑定Lv1
島崎絢香 17歳 女
体力:180
攻撃:120
防御:100
魔力:100
スキル:体術Lv1 見切りLv1 鑑定Lv1