気が付けば日本
いよっ!元気か?
俺は元気・・・じゃねぇ!
何かね?完全な不意打ちだったんですよ・・・。
普段ならばダンプが突っ込んで来ようと隕石が落ちてこようとまぁ、何とかなるんですけどね。今回ばかりはタイミングが不味かった。
悪戯な春の風が前の歩道を歩く女子高生(同じ学校の割と美人で有名な先輩)のスカートの裾を、えいっ!とばかりに持ち上げた訳ですよ。
こちとら健全な高校生。全てのセンサーがそこに集中するのも仕方が無いって事です。
その時だったんですよ。駐車中の車のドアが突然開き、俺様の乗る魔道自転車は回避する事無く突っ込みました。コラ、運転手!安全確認を怠るな!
その結果、体が投げ出される事に・・・それだけならまぁ良く有る事故なんですが、
その結果視線位置が通常よりも有るかに低い位置に来る事になり、吹っ飛んだ俺に気付いた女子高生(同じ学校の割と美人で有名な先輩)が振り返る訳です。
低い視線、女子高生(同じry)魅惑のゾーンが何と無く見える訳です。
そりゃもう脳内HDにすべてを書き込む訳ですよ最高画質で。そんな事をしていれば注意力が散漫になる訳で・・・はい、ご想像の通りです。後続車に引かれたと思います。
んっ?何故思うかって?それはな・・・
「おぬし、特典付きで転生せんか?」
ラノベでお馴染みの転生の間の様です・・・あー俺また死んだ訳だ。
すまん、とーちゃん、かーちゃん、妹よ!
「で、どんな特典が欲しい?魔法か?」
「いえ、もう持ってるので…」
「アイテムボックスもあるぞ?」
「自前で持ってるんで…」
「・・・前世記憶の持ち越しは?」
「繰り越し済みです…」
「・・・」
「・・・」
「おぬし、何者だ?」
「えー実は・・・」
説明中
「長い事この仕事(神)しとるが、転生者を転生させるのは初めてじゃ・・・」
「良く有ったら困るわ!」
「うむ、おぬしの事情も良く分かった・・・だがの?死んでしまったものは復活できんのじゃ、残念だが転生するかこのまま消滅するかしかないのう・・・」
「なんか、極端な選択肢だな・・・残された家族がこれ以上不幸が無いのなら、どっちでも良いわ」
「何じゃ、ずいぶん冷めとるのう?」
「まぁ、トータルではそれなりに生きましたから。それにまたあの羞恥プレイには耐えられません・・・」
「なるほどのぅ・・・それなら今の年齢からのスタートならば問題ないと言う事じゃな」
「出来るのか!」
「わしを誰だと思っとる?神様じゃぞ!」
そんな訳で歴史上初の2重転生を行うことになりました。
「で、希望の特典は有るのか?」
「こだわるね、特典…」
「まぁ、これが無いと楽しく・・ゲフンゲフン!」
「今楽しいとか言った!」
「そ、そんなことは無いぞ、不幸な目に合ったのだからそれ補う為のものじゃ」
「詭弁に聞こえるな…」
「で、どうなんじゃ。なんかあるじゃろ」
「そうですね・・・とりあえず今のままを持ち越しで」
「それはおぬしの固有能力じゃ、特典にはならん」
「じゃ、今知ってるものを何でも取り出せるってのは?」
「これまたずいぶん強欲じゃのぉ・・・まぁ、良い。何とかしよう」
「今更醤油の無い生活は無理です…」
「素直でよろしい」
「行く先については・・・すまぬの、このダーツを投げてくれ」
「つーか、ダーツ○旅かよ!」
「ちなみに、外したらタ○シに転生じゃ♪」
「なんか違うの混ざってる!」
「ほれ、ガツンと決めてしまえ!」
「えーい、ままよ!」
投げたダーツが勢いよく的に刺さる、とりあえずタワ○だけは免れた。
「ふむ、この手の話では珍しい世界じゃの?」
「どんな世界だ?」
「それは逝ってからのお楽しみじゃ♪」
「なんか字が違うー!」
「では、さらばじゃ。達者でな」
「余韻も何にもねー…」
こうして俺は光に包まれた・・・。