-報告書-
「アルティメットナンバーズ NO.224におけるおおまかな概要」
研究機関 カルティキプロジェクト(「切花」および「らせん図書館」による合同プロジェクト) 技術第二課
検体:UltiMate224
性別:男
年齢:20
かつて弊研究所の創立者の一人だったユリアナ・メーステルの遺伝子と記憶を受け継ぐ媒体として育てられていた。
当時、ユリアナ・メーステルの死体からの遺伝子の採取は困難を極め、継承は難しいとされたが224の場合、検体224人目にして初めて継承に成功した。
これは、ユリアナが生前に発表した植物を媒体とした生命体「錆鉄御納戸」に身の回りの世話をさせていた結果であると立証された。
継承は成功といえども遺伝子サンプルの少なさから記憶部分に若干の不安定要素が生まれ、ユリアナ・メーステルがかつて溺愛していた息子の性格を投影した性格を約2週間演じる。
ユリアナの息子は長い間行方不明とされていたが数々の情報から生存が確認されており、224には迅速かつ有効適切に捕獲するよう命令が下された。
(※これは本人に直接下された命令ではなく、世話役の「錆鉄御納戸」を通して間接的に伝えられたものである。)
224はエミリオ・メーステルの懐柔に成功するも「錆鉄御納戸」のミスにより捕獲に失敗。
高度の汚染区域に長時間滞在した影響で肉体の活動が停止。
ユリアナの遺伝子も完全に破壊され、採取のみも不可能とされる。
検体としては、生存20年というまずまずの結果を残した。
※エミリオ・メーステル
性別:男
実年齢予測:90歳前後
外見年齢予測:22歳で成長停止
元は生命力の弱い地上人、「アフ・プチ」であったが母親であるユリアナ・メーステルの手により、絶大な生命力を持つ人間として肉体を造りなおされた。
ユリアナ・メーステルとの血縁関係はなく、義理の親子として「下」に登録されているが、本来イシュタムとアフ・プチの養子縁組は認められておらず、エミリオの経歴については若干手が加えられているものと思われる。
幼さ故のその場の感情で、10歳でユリアナ・メーステルを殺害、自宅を放火。
検体である「錆鉄御納戸」1個体および全ての種子、自らの手術時の一部始終を納めた糸巻きを持ち出し、行方不明となる。
その後、当時から換算して約32年前に完全封鎖された高度の汚染区域で生存を確認。
その驚くべき生命力はまさに天才ユリアナ・メーステルの残した遺産であり、これを捕獲すべく「カルティキ・プロジェクト」は全勢力を費やしたが、
エミリオの他に汚染区域で存在が確認されている植物を媒体とした生命体、「錆鉄御納戸」の妨害により捕獲作戦を一時凍結する。
数年後、地上の海岸付近で「錆鉄御納戸」と見られる生命体を発見。
この生命体はエミリオが存在する汚染区域から来たものと推測され、長い間行方不明になっているミユキ・フィッツジェラルド博士の姿と酷似していた。
「カルティキ・プロジェクト」はこの生命体を利用し、アルティメットナンバー224におけるユリアナ・メーステルの遺伝子継承に成功。
「錆鉄御納戸」と224を使ったエミリオ捕獲作戦を再開する。
・経過
その後「錆鉄御納戸」から連絡はなし、現在も汚染区域に留まっているものと思われる。