僕の答え
洋介が帰ってから、しばらく誰も来なかった。
この静かな、何もない、いつも通りの長い空白の時間に思い出していた。
僕は突然の世界の変化で忘れていた、あの夢のことを思い出していた。
いつもなら夢のかけらも覚えていないのに、あの日見た夢は細部まで思い出せる。
『人類は必要か』だって?
そんなものは、決まっている。
人は自己の欲求のために多種を持て遊ぶ、地球のガン細胞だ。
食糧のためと、医療のためと、多種の命をもて遊ぶ。
利便のためと、地球を破壊尽くす。
何より、それらの恩恵を確かに受けながらも、気付かないフリをする、直視したがらない、その他大勢の奴らと僕。
まぁ、部屋からテレビとパソコンを片付けたのと一緒だ。
僕が引きこもりを正当化するために生み出した、自己弁護のための理論にすぎない。
人は醜いんだ。汚いんだ。悪者なんだ。
僕だけじゃない。
そう思うためのね。
でも、人が地球のガン細胞って言うのは、あながち外れてないと思う。
人類が憎むガン細胞こそが、地球にとっては特効薬なんだろう。
僕は地球のガンの特効薬になる権利を手に入れたんだ。
一ヶ月待つまでも無い。
人類は世界に必要ない!