表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
弱虫な僕らの人類不信任決議 ~そうして、世界は滅びました~  作者: ササデササ
システムエラーを起こした、一つの理由
52/52

私の嘘

 一月十五日。日曜日。

 そして、今はその直人君と図書館で勉強中だ。

 困った事に、十七歳の二人は、年齢的に不釣合いな教科書に四苦八苦していた。

 みんなで、頑張ろうね。

 やっぱり、私は介護の道を目指している。

 具体的な方法は未定だけれども。このまま高校在学中に資格を取り、卒業して直ぐに就職するのもいいだろう。専門学校や大学も良いかも知れない。より、専門的な資格や、違う系統の資格も取れるからだ。できる事が増えるのは、良い事なのだと思う。

 そして、この仕事を目指すなら、これからも多くの別れが待っているのだと思う。

 それでも、支えてくれる人たちがいるから。

 それでも、喜んでくれる人がいるから。

 なによりも、私はディケア施設にいた時間が幸せだったのだから。

 私は介護の道を歩む。そう、決めた。

  最近の私は、物事を前向きに捉えられていると思う。

 今、こうして隣で中学校で習う因数分解と必死に戦っている、頼りない少年。直人君のおかげだ。


 私は、一つだけ嘘をついている。

 自分自身にも、直人君の心にも、弥生さんにだって。

 もちろん、無神経なお兄ちゃんには言えない。

 本当は聞こえていた。

 除夜の鐘と共に、直人君が言ったあの言葉を。

「僕は、由紀ちゃんが好きだ。だから、僕が由紀ちゃんの闇だって全部受け止めてみせる!」

 嬉しかったよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ