5時間目 俺だけ?
朝です。
いい天気です。
そして・・・眠いです。
ああ、まだ寝ていたいです。
しかし、月曜です。
憂鬱です。
あーあ、週休5日制にならないかなぁ。
もちろん無理な事は知ってます。
はぁ・・・・・・よしっ!
俺は全身全霊を込めて起き上がった。
実は前回の話で母さんに飛び付かれて腰を少し痛めたようです。
主人公なのに面目ないです。
さて、俺はいつも通り制服に着替えてしたの居間に向かった。
っていうか本当に毎回これがあるなぁ。
居間にはまだ母さんしかいなかった。
「拓海ちゃん、おはようございます。」
「あ、うん。おはよう。・・・。」
俺は迷った。
それは母さんにツッコむか否かだ。
母さんはウェイトレスの姿で俺と向かい合っている。
これは母さんのボケ?
それとも真面目なのか?
いや、この人に限って真面目はないな。っつーかどこにそんなもんがあったんだよっ!!
俺等は数十秒間、向かい合っていた。
・・・いや、考えるまでもない。
結局俺は、第三の選択肢『無視』を選んだ。
俺は母さんの横を通り自分の定位置の席についた。
母さんはまだニコニコした顔で俺と向かい合おうと俺の目の前に移動した。
俺はわざと違う方向を向いた。
そっちには母さんがいた。
・・・えっ!? 速っ!!
俺はまた違う方向を向いた。母さんはそれでも視界に入ってこようとした。
俺は段々と意地になってきた。
そして始まった。
俺は母さんから視界から追い出そうとぐるぐる回った。
母さんもそれを追い掛けてぐるぐる回った。
・・・・・・っぅう!
気持ち悪くなってきました。
そんな俺の頭に“下を向けば母さんは視界に入ってこない”というアイデアが浮かんだ。
俺は動きを止め、自分の足を見た。
しかし、甘かった。母さんはなおも俺の視界に入ろうと、イナバウ○ーのポーズを取った。
母さん、体柔かっ!!
もちろんここまでは予想の範囲内だ。
俺は天井を見た。
そう、上さえ向けばいくら母さんでも・・・。
しかし、甘かった。(パート2)
母さんは椅子に立って無理矢理視界に入ろうとしてきた。
もう潮時か。
「母さん、なんでそんな恰好してるの?」
「ウフフ。気分よ。」
はぁ、そんな事のために俺は頑張ったのか。
ハァ・・・疲れたぁ。
俺はおそらく今日一日分の体力を使った気がする。
〜〜〜〜〜
はぁ、朝から無駄な体力使っちゃったなぁ。
俺は玄関のドアに手を掛けた。
・・・あれ?
「母さん、恵魅は?」
俺は居間にいる母さんに声を掛けた。
「まだ寝てるわよ。」
・・・えっ?
「起こさなくていいの?」
「うん!」
・・・えぇぇぇ!
「いいの?」
「うん!」
「あ、そうですか。」
俺は自分の事を考えたら恵魅の事を無視をせざるを得ないので、俺だけで学校に向かった。
っていうかアイツ寝過ぎじゃないか?
〜〜〜〜〜
んー、やっぱり登校中は何事もないため平和に登校できた。
それにしても魔法課の校舎って一番奥にあるから遠くないか?
俺は靴を上履きに変えて真っ直ぐ教室を目指した。
・・・・・・教室? あれ、何か忘れてる気がするなぁ?
・・・ま、いっか。
教室に着くと扉は閉まっていた。
中からはこの間の騒がしさは聞こえない。
あれ? みんな休みかなぁ?
・・・そうか!
今日は休みなんだ。だから恵魅も寝てて平気だったんだ。
何だよぉ。俺損した気分じゃん。
俺は今来た道を引き返そうとした、その時、
「お、待ってたよ。月森君。」
俺は目の前の人を見た。
そこには担任の太田先生がいた。
「あ、おはようございます。」
「ああ、おはよう。」
「今日は休みですか?」
「いや、違うよ。」
心なしか先生の口調には少し刺があった。
「え、でも教室は静かですよ。」
「うん、毎度の事だよ。」
「??」
「いやぁ、今日は月森君がいてよかったなぁ。だって」
ガラガラと先生が教室のドアを開いた。
すると、さっきの忘れてたものの意味がわかった。
教室は壁が壊れていたり、机が散乱していたりしていた。
もちろん犯人はわかっている。
・・・俺だ。いや、正確には俺と裕司だ。
前々回に俺は裕司と楽しい鬼ごっこ(?)を教室で行ったのだ。
そしてそのままの状態で帰宅してしまったのだ。
もちろん散らかす人間がいれば片す人間も存在する。つまり、俺はその前後者なのだ。
あぁ、なんかタチ悪いなぁ。俺。
そしてその瞬間、恵魅並びにみんながいない理由がはっきりした。
みんなはこの事を知っていたのだ。
うわぁ、タチ悪いなぁ。みんな。
「さぁ、月森君。頑張って掃除しようかぁ。」
先生。顔が鬼になってますよぉ。
先生はその顔でモップを持っていた。
『悪い子はいねぇーかぁ』と暴れ出しそうな勢いだった。
〜〜〜〜〜
結局、この後俺は一人で掃除をするはめになった。
【今回の教訓】
一、教室では暴れないこと
二、散らかしたら片付けること
三、みんながいざという時に助けてくれないこと
四、・・・この先生には逆らいたくないとです