補習 その2 時宗と雪
今は親父に聞きたいことがあって、月森家の親父の部屋にいた。
俺は今、小雪達の住む月光荘に住んでいる。
「親父に聞きたいことがある」
「なんだ?」
「実は鬼を封印した月森時宗について聞きたいんだ」
「ほぉ、修羅に聞いたのか?」
「ああ。修羅も少ししかあってないんだって」
「そうか。時宗様は月森最強にして、とても慈悲深い人だと聞いてるよ」
「ふーん」
親父は次のような話をしてくれた。
月森時宗。
彼は月森家最強のものだった。
そして、修羅を封印したあとも様々な事件を解決して来たらしい。
そんな彼はある悲しい出来事に悩まされていたらしい。
それはその頃にあった魔法四大一族の掟にあった。
彼は四大魔法一族の中のある一族に恋していたらしい。
しかし、掟によりその恋は叶わずに彼は人生に幕を閉じたらしい。
その話に少し触れたい。
彼は修羅を封じる前からその女性に好意を抱いていた。
しかし、掟によりその恋は叶わなかった。
その掟とは魔法四大一族内の一切の恋愛を禁じる物だった。
彼はそれを守り、彼は悲しい運命を辿るしかなかった。
そして修羅が現れた。
彼はその時、もうその運命を受け入れ婚姻を済ましており、子供もういたらしい。
時宗は修羅と戦い、封印した。
しかし、その戦いのせいで彼は生死の境をさ迷ったらしい。
そんな彼を助けたのが、日向の人間だった。
彼は彼女により、この世にまた生を受けた。
彼はそれを嘆いた。
彼の愛した女性こそ日向の人間だった。
名前をお雪と言うらしい。
彼はその後、自殺したらしい。
しかし、それは表の話で、本当は彼女を蘇らせる為に時を戻そうとしたらしい。
もちろん、天宮、海堂は反対した。
そして彼一人でのそれは失敗に終わった。
彼は死ぬ間際にこう言い放った。
『魔法四大一族の掟はなくす』と。
彼の計らいにより、掟は消えた。
そしてこうも言ったらしい。
『もし、願わくば。我が生まれ変わる後、お雪と結ばれたい』と。
彼はその後、息を引き取ったらしい。
究極の魔法と結ばれぬ恋。
もしも、俺が時宗の生まれ変わりとしたら、お雪って・・・。
「拓海。時宗様に感謝しろよ。私はお前達二人を祝福するぞ」
「祝福って、あんた・・・まだ早いだろ?」
「ははは、善は急げだぞ」
「アホっ!」
俺はそう言って部屋を出ようとした。
「あ、そうだ」
俺はもう一つ大事な用を思い出した。
俺は親父に近付き、頭に・・・
「ていっ!」
「痛っ!?」
チョップをした。
「何すんだよっ!?」
「アホ!母さんと恵魅を淋しがらせた罰だ」
「はあ?」
「もう、勝手にどこかに行ったりするなよ!」
俺はこう言って部屋を出ていった。
「はあぁあ。疲れた」
俺は急いで帰った。
〜〜〜〜〜
俺はもしかしたら時宗の生まれ変わり。
だから修羅が似ていると言っても仕方ない。
ということは、お雪もこの時代に生まれ変わってる確率が高い。
つまり・・・そんな俺が相手は・・・。
「拓海?どうしたのですか?」
「ん?いや、なんでもないよ」
「えへへ、変な拓海です」
「へっ、いつもの事だよ」
まあ、どうでもいっか!
俺は俺だ。
たとえ、俺が時宗の生まれ変わりで、小雪がお雪さんじゃなくても、俺はこいつが好きなんだ。
だから、俺は必ずこいつを守るし、死ぬまで好きになる。
だから、俺はがんばるよ。
残りの人生を無駄にしないように。
だって、俺はもう一人じゃない。
この世のこの時代に最も愛する人と一緒にいるんだから。
これで最後になります。 ちなみにわかりにくかったかもしれませんが、この小説のテーマは『幸せは自分から取りに行け』です。 ここまで来れたのは読者の皆さんのおかげです。 ありがとうございました。 また、他にも小説をここに載せさせていただきますので、そちらの方もよろしくお願いします。