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卒業試験 はぴねすでいず!!

「ふわぁあ、眠いなぁ」


俺は欠伸をしながら雲の流れる空を見ていた。


この十年間以上で俺らは和彦達とまた再会したり等の色々な事があった。


『なあ、拓海?』

「なんだ?修羅?」

『余はまた月森の一族に助けられたのだな』

「バカ。これからはお前が俺らを助ける番だよ」

『そうか。そう言ってくれると助かるぞ。時宗』

「だから、俺を御先祖の名前で呼ぶなって」

『ふふふ、すまなかったな。拓海』

「まったく、似てるだけで名前変えられちゃ困んよ」



俺は一眠りしようと目を閉じた。


「拓海?」


誰かが俺に話し掛けて来た。

俺は閉じた目をまた開いた。


そこには小雪がいた。



「あ、小雪だ」

「ふふ、また授業サボってますね」

「仕方ないだろ?実際過去にやったことなんだから」

「そうですね」



小雪はこう言って俺の隣に腰を降ろした。


「拓海。あれから色々な事がありましたね」

「そうだな」

「みんな、記憶がないけど変わってませんね」

「そうだな。まあ、あの場にいた俺らぐらいしか過去の記憶なんてないからな」

「そうですね」



・・・。


「拓海?あの・・・」

「なあ、小雪?」


俺は小雪の言葉を中断させた。


「小雪、世界って広いんだよね。でもその奥にはもっと大きな世界があるんだよね。その中にいる俺達ってすごくちっぽけなんだよね?」

「拓海?」

「でもそんなちっぽけな存在は様々な経験をするんだよね。それは楽しかったり、悲しかったりする。でもね、俺は今幸せだよ。だってみんながいるんだもん」


十年間。長いような短い時間。


「でもね、俺まだ完全な幸せは手に入れてないんだ」


しかし、心はそう簡単に変わらない。


「俺ってかなりの強欲だなぁって思ったよ」


そう、あの頃から俺は何も変わってない。


「でもね、これだけは絶対に手に入れたいものなんだ」


そう、何も・・・


「だから今それを手に入れるよ」



俺は小雪の肩に手を置いた。


「小雪・・・こんなちっぽけで強欲な俺だけど、好きになってもらってもいいかな?」

「えっ?」


小雪は驚いた顔をしていた。しかし、その目には段々と涙が浮かんできていた。


「ダメ、かな?」


小雪は首を横に振った。


「拓海?いいのですか?」

「当たり前だろ?お前だけを見ていたいんだ」


小雪の目から涙が零れ落ちた。そして、俺の胸の中で小雪は泣いていた。


俺も小雪を強く抱きしめてあげた。




〜〜〜〜〜


こうして、俺は最高の幸せを手に入れた。

この後俺らがどうなったかはみなさんのご想像にお任せします。


でも、これは俺が自分の足で手に入れた幸せであり、また仲間がいなければこのような形にはならなかったでしょう


おそらく、俺はこれからもあの仲間達と一緒に様々な事を経験するでしょう。


それは運命という名の道を歩けば当たり前のことでしょう。


俺はこの運命の道を歩いた日々をこう呼ぶだろう。


俺達の“はぴねすでいず”と。


またお会いする機会もあるかもしれません。

その時はまたよろしくお願いします。

では、またその時まで。

ごきげんよう。

本編はここで終わりです。しかし、まだ裏の話が二つありますので、そちらも見ていただければ有り難いです。

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