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31時間目 船酔い

電車に揺られること三時間、俺らは港に着いた。


おじさんは海堂の持つ島に自分の砦を築いてるらしい。


なので、ここからは船による移動になるのである。

港には月森の使いと名乗る船頭がいた。


俺はもう電車だけでも酔ってしまった。

まあ、ここから先はお分かりになると思います。



ドドド・・・・・・。


船は音を立てて目的の島に向かっていた。


うぅぅぅ、気持ち悪い。これなら泳いで行った方がいいんじゃないか?



もちろん、船でも一時間かかる場所を泳いで渡るのは無理です。

でもそれくらいに俺は乗り物酔いが激しいようです。


「拓海?大丈夫?」


ごめん。無理です。


「ホントにキツそうだね?」


マジでキツいです。


「坊主、お前は海の男には向いてないな」


そんな道に進みたくないです。


「ったく、これじゃ先が思いやられるね」

「ですね」




・・・すんません。


「おい!見えてきたぞ」


船頭さんの言葉に二人は船の先頭の方に行った。


俺は最強の敵と戦っていてそこには行けなかった。


「あ!島だ!」

「本当だ!」


二人はそんな風に叫んでいた。


観光かっ!?


〜〜〜〜〜


島に着き、俺は早速船を下りた。


あぁ、死ぬかと思った。


「拓海、大丈夫?」

「なんとか・・・ダメ!」


ありゃりゃ。俺の弱点ですね。




「私は待っていた方がいいかのぉ?」

「いや・・・念のため戻って・・・おいてください」

「ああ、わかった。それじゃ坊主、嬢ちゃん達気をつけてな」

『はい!』

「ぐぁい」


先頭さんは今来た道(?)を帰っていった。


あぁ、死にたい・・・。


俺らは少し休むことにした。


・・・すんません。


―――――


小雪達は拓海と少し離れた場所に移動した。


拓海は一人にしてほしいとの事だった。


「小雪ちゃん、拓海君大丈夫かな?」

「さあ?どうでしょう?」


拓海は本当にキツそうな顔をしていた。


そんな事より私は気になったことがあった。



「・・・麻奈美?」

「ん?」

「麻奈美って・・・拓海の事・・・?」

「うん!考えてるとおりですよ」

「やっぱり・・・。」

「でもね、私はダメかな?」

「どうして?」

「拓海君はきっと・・・夜未ちゃんを選ぶと思うよ」

「え?でも夜未は・・・?」


「そう、・・・死んじゃったね。でも拓海君の心には夜未ちゃんがいるのよ」

「つまり・・・拓海は・・・?」

「そう。誰も選ばないよ」


拓海はずっと自分の罪と戦うんだ。

拓海は夜未が死んだのは自分のせいだと・・・口には出さなかったが、きっと後悔の念でいっぱいなんだ。

だから、拓海は夜未の父親を止めたくて・・・彼女の最後の『ヤメテ』を受け継ごうとしているんだ。

多分それは拓海の無意識の『好き』。だからそこに私達は入り込めないんだ。


拓海・・・ごめんね。


―――――


ギャーーー!!

死ぬぅぅぅう!

気持ち悪いぃぃぃい!!

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