18時間目 過去
自分的に悲しい話です。
俺の親父は恵魅が生まれてすぐにどこかに消えてしまった。
最悪だ。
俺の魔法を封印するだけして、自分はどこかに蒸発してまっているのだから。
いや、俺はまだいい。
問題は母さんと恵魅だ。
母さんはどういう気持ちで親父と籍を入れたのかしらないが、少なくとも嫌いでなかっただろう。
恵魅はもちろん自分の父親を知らない。
全てを知る母さん。
中途半端に知ってる俺。
何も知らない恵魅。
俺が一番マシだ。
俺が一番父親を恨める立場にいるのだから。
俺は親父を恨んだ。
自分の魔法を封じたから、そんなのは二の次だ。
俺が本当に恨んでいる理由は、母さんや恵魅を置いて消えてしまったことにある。
どんな理由であれ、母さんや恵魅を置いて消えたのは事実。
俺は親父を恨んだ。
それと共に母さんや恵魅を守ると決めたのはあの時だった。
そして俺の爺さんの知り合いにその筋に強い人がいるということで、俺はその人に弟子入りした。
キツかった。しかし、恨む気持ちと守る気持ちが俺を動かしたのだ。
俺は一度も弱音は吐いてなかったと思う。
そりゃ、吐きたかったさ。
しかし、吐いたらそこで終わりだ。
だから、俺は諦めたくなかった。
だから、親父を憎み、その矛先を月森家にも向けた。
だから、頑張れた。
だから、守ってきた。
だから・・・今までやって来れた。
多分これからも俺は恨みと守りの正反対の気持ちを持って生きてくつもりだ。
例え・・・俺がどんなに不幸になったとしても・・・。
・・・確か俺にはもう一つ強くなりたかった理由があったはずだ。
しかし、それすらも親父は封印していったのだ。
しかし、俺にはどうでもいいことだ。
確かに大切な記憶だったと思う。
しかし、俺が親父を見つければ記憶も、そして魔法も戻ってくる。
その前に俺は親父をぶん殴ってやりたい。
俺等を・・・母さんと恵魅を置いていった恨みの気持ちを存分に込めてだ。
ま、それも近いような気がする。
だって親父は最後に、
「拓海、俺はこれからと遠くに行く。だから、お前は母さんと恵魅を守れ。お前が俺を恨むならそれでもいい。だから、二人を頼んだぞ」
そう言って親父は俺等の前から消えた。
親父・・・俺はあんたを充分に恨んでるぞ。
だから帰って来たら俺のように腰を悪くしてやる。
だから、帰ってくる前に死んだら末代まで呪うから覚悟しやがれよ!!
あ、末代までって俺も入るのか。
なら、地獄に突き落としてやるからな。
覚悟しやがれよっ!!
・・・はあ、もう桜が散る季節だな。
なら、もうあの時期だな。
〜〜〜〜〜
「恵魅?俺、明日学校休むわ」
「はい?どうしてですか?」
「眠いから・・・かな?」
「別にいいですよ」
「いいんだぁ」
「ええ、それじゃ皆さんにも言っときますから」
うわぁ、すげぇ心配だぁ!!
ま、いっか。
さて、明日に備えて今日は早く寝るか。
では、皆さん今回はこの辺で。
ここからコメディー消えていきます。(今まではあったのか?)