16時間目 久しぶりとお見舞い
前回俺が至福の一時を味わっているときに、何か知らんが俺は誰かの見舞いに行くことになってしまっていたらしい。
てな訳で俺はその子の家に着いた訳で、俺は四谷さんの正体に納得した。
確かにこの子は最近登場してなかったな。
「拓海さん、麻奈美さん、小雪ちゃん、本当にすいませんでした」
そう、四谷さんの正体。それは、
「気にしないでよ。俺等の方こそお邪魔しちゃてるし、風邪大丈夫?花月ちゃん」
そう、四谷花月ちゃんでした。
「ええ、なんとか。・・・けほっ、けほっ」
大丈夫に見えないんすけど・・・。
「花月ちゃん、ホントに大丈夫?」
「ええ。けほっ、けほっ」
だから、大丈夫に見えないってばぁ。
「私、氷取ってくるね」
「あ、小雪も」
「あ!大丈夫ですから」
「ダメだよ。風邪なんだからちゃんと寝てなきゃ」
まあ、俺等がいるから寝られないのかもしれないけどね。
二人は氷を取りに部屋を出ていった。
「拓海さん?」
「ん?」
「あの時はホントにすいませんでした」
「あー、いいよ」
「いえ、いきなりあれでは拓海さんがあのクラスを嫌いになってしまいますから」
「大丈夫。嫌いになんかならないよ」
「本当ですか?でもあれで拓海さんがみんなのことを嫌いになったら、私生きてけません」
そこまで?
「あはっ、大丈夫。俺あのクラスのみんなが好きだから。もちろん花月ちゃんもね。だからそんな心配しなくてもいいよ」
「あ、ありがとうございます」
あはは、なんか人の命助けた気分だよ。
・・・ん?俺今なんか変なこと言ったような?
「拓海さん、これからもあのクラスにいてくれますか?」
「当たり前だよ」
ってか逃げられないよ。
「そうですか。これからもよろしくお願いします」
「ああ。こちらこそ」
それにしても、
「花月ちゃん、氷もらってきたよ」
なんでみんな、
「ありがとうございます」
花月ちゃんが
「はい!これでできましたよ」
いないことに
「ホントにすいませんでした」
気付かなかったのかな?
〜〜〜〜〜
「それじゃ、花月ちゃんまたね」
「ええ、今日はありがとうございました」
あれから俺等は花月ちゃんと雑談をしただけだった。
なんの為に来たんだか?
でも、花月ちゃんは久しぶりに友達と話したらしくて笑顔になっていた。
「バイバイ」
「じゃーね、花月ちゃん」
「ええ、また学校で」
俺等は四谷家を背に帰路についた。
「花月ちゃん、元気そうでよかったね」
「ああ、そうだね」
「拓海?花月とは仲良しになれましたか?」
「えっ?」
もしかして、俺を連れて来たのってそれが目的だったのか?
「ああ、まあまあかな」
「そう、よかった」
ふふっ、ありがとね。二人とも。
・・・あれ?そういえば?
「ねぇ、二人とも花月ちゃんが休みだって気付かなかったの?」
「え?」
「え?」
二人の動きが止まった。
「まさかぁ」
「そうですよ。まさかわからなかったはずがないですよ」
「へぇ」
嘘だな。
「そういう拓海君は気付かなかったの?」
「うん!」
「え?即答!?」
「だって最近忙しくてぇ」
「・・・」
「・・・そうだよね。あはは・・・」
「あはは・・・」
あはは、やっぱりこの二人忘れてたんだな。
花月ちゃん・・・忘れててごめんね。