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15時間目 授業と至福の時

1時間目の授業が始まりました。と言っても、このクラスは年齢がバラバラなので、自己学習が主になります。


先生は太田先生が多いですが、他にも先生が来るとのことです。

さあ、今日はどんな教師が来るのでしょうか?


ガラガラ


静かにドアが開いた。


・・・あれ?

誰も入ってこない?


何?あれ?あの・・・幽霊って奴ですか!?



「拓海君、久し振りぃ!!」


後ろからいきなり、


「ハンギャーー!!」


抱きしめられた。

俺は思わず驚いて・・・いや、腰が痛くなった。


「イッテーー!」


俺は床に伏せながら、腰を摩った。


「大丈夫?」


俺に抱き付いてきた人物、留美さんは笑いながら俺と同じ視線になるようにしゃがんだ。


「痛くて死にそうです、腰がぁ。・・・ってかなんで留美さんがここに?」

「拓海、留美っちは小雪達の先生でもあるんですよ」


へぇ、そうなんだ。

・・・ってか留美っちはないだろう。



「えへへ、そうなの」


えへへ、じゃねーよ!

知らなかったぁ。ってか知るはずないだろ!!



〜〜〜〜〜


ってな訳で俺達は自習である自己学習をはじめました。


「拓海?ここはどうやるんですか?」


小雪が俺に問題を聞いてきた。


「ん?ああ。これはね、Y=2XだからXが1の時はYが2だから、ここに点を置いて、次にXが0の時はYも0だから、この原点に点を置いて二つを直線で結べば答えがでるよ」

「へぇ、ありがとうです!」

「いえいえ」


俺は自分の勉強に戻ろうとした、が


「ねぇ、拓海?これ教えてほしいんだけど?」


お、千鶴が真面目に勉強しようとしてる。

昨日は始めて1分で寝てたからなぁ。


「これは、・・・つまり、Have toが付いたら(以下略)わかった?」

「まぁ、以下略って事でわかったかな!」

「ホントかよ?」

「うん!ありがとね!(以下略)」


うん。以下略はいらないね。


そんな授業風景に二日目にして俺は慣れた。

っつーか慣れざるを得なかった。


〜〜〜〜〜


「拓海君、あなた大分変わったわね」

「そう・・・なの?」

「うん!全然違うよ」


ふぅん・・・でも、それは俺がガキの頃だよね?

ま、どうでもいいけどね!


俺等は今、喫茶店に来ていた。


もちろんメンバーは麻奈美と小雪と、そして何故かウェイトレス姿の留美さんが目の前に座っていた。


俺は目の前にあるココアを一口飲んだ。


ああ、この甘みが何とも言えないんだよね。

やっぱり俺って究極の甘党なんだなぁ。


俺はこの一口のために生きてると言ってもいいだろう。

あ、あと肉まんもお忘れなく。


「拓海君?」

「ん?何?」

「すごく幸せそうだね」

「うん。この味に会うために生まれてきたのかもね」

「そこまでっ!?」

「お!麻奈美ナイスツッコミ!!」


(・・・拓海君、性格が変わっちゃってる)


俺は麻奈美がそんな風に考えていたことも知らないで、至福の時に浸っていた。


その時、

「あ、そうだ!」

と留美さんが大きな声で言った。


「ねぇ、四谷さんが風邪引いてたって知ってた?」

「え!?そうなんですか?」


俺は、


「うん。だから最近学校に来なかったのよ」


四谷さんって誰ですか?と


「そうなんですか。」


聞かずに


「最近出てこなかった訳だわ」


至福の時を


「確かにね」


楽しんでいた。


「今日辺り行ってみる?」

「そうですね。拓海は?」

「ん?うん」


というふうな具合で、俺は四谷さんの家に行くことになりました。


四谷さんって、誰?

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