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10時間目 裏切られた気分

さあ、来ました朝です!

眠いです!!

腰が痛くて動きたくないです!!!

ってか眠いです!!!!



全国の皆々様、私の気持ちがわかるでしょうか!?

マジで朝は苦手な私の気持ちがっ!!?


基本的に寝起きは機嫌が悪くなってしまう。

欠伸で涙が止まらない。

起きようとすると体の節々が軋む。

そして、伸びをすると足をつってしまう。


これは全部私事、月森拓海の朝ですっ!

さあ、私がバカだと思う方は笑ってください。

また、私と同じような症状の人達!!・・・お疲れ様です・・・。


ガバッ!!


俺は布団を自分の上から退けた。

カーテンの閉まった窓の外からはポツポツと水の当たる音が耳に入ってきた。


・・・はぁ、雨かぁ。



寝起きに雨、ここまで気分の悪い時はない。


ダル〜〜〜。バタンッ!!


急に俺の部屋のドアが開いた。


「お兄さまぁっ! 元気ですかーーっ!?」


恵魅だ。

おいおい、なんでそんなに元気なんだよ。

あれか?

最近出番が少なかった分、よく休めましたぁってオチか?

いいよなぁ。こっちは雨で気分・機嫌共に悪いっていうのに。

「お兄さま、元気ですかーっ!?」


あれか?

この後は『1、2、3、ダーッ!!』って言うんだろ。


「いちっ!」

ほらね。


「にぃっ!!」


当たったよ。


「さんっ!!!」


この次は平手打ちかな?

歯でも食いしばっとくかな。


「ハッスル、ハッスル!」


・・・違ったぁぁ!!

ヤベェ、違ったよ。

ってかお前がやるなよ。

あんたそれ女の子がやっちゃダメだよ。


あー、誰かこの阿保(×10)な妹の脳みそを診てやってください。

そして、俺の期待を裏切らないように教育してください。ってか、・・・あはは、殴りてぇ。


「お兄さま、おはようございます」

「ああ、おはよう」


チキショー、朝から変なツッコミさせるなよ。

あー、今ので絶対髪に負担をかけたな。

ああ、俺まだ15歳なのに・・・。


こんな計画的な高校生ってどう思います。


あぁ、全国のお父様方、髪は大事にしてください。


〜〜〜〜〜


俺達・・・俺と恵魅は下の居間に行った。


案の定、母さんは居た。しかし、恰好が昨日と同じだ。

いや、昨日はピンクのウェイトレスだったが、今日は黒です。


俺と恵魅は足を止めた。


「元気ですかーっ!?」


あんたもかよっ!!


「いえーいっ!」


お前は便乗するのかよっ!!


「いちっ!にぃっ!さんっ!!」


今度こそ『ダーッ!』って言えよ。


「ダー」


おっ、言った。


「ダーメだコリャ!!」


あんたがダメだぁっ!!

言えよ。いや、言ってくれ! 頼むっ!!

なんだよ、この裏切られた気分はっ!?


「ダメだこりゃ!」

「ダメだこりゃ!」

「ダムだこりゃ!」

「ダメだこりゃ!」


あー、二人で連呼するなよぉ。

俺がなんか惨めに感じるよぉ。


ってか今、ダムって言ったのどっちだよ。

あはは、やっぱり殴りてぇ。


〜〜〜〜〜


「それじゃ、行ってきます」

「はい、二人共行ってらっしゃい」


朝から疲れたぁ。

しかも、雨降ってるのがタチ悪すぎだろっ!


恵魅もまだ『ダメだこりゃ!』って言ってるし・・・。


何? どっちかを流行語大賞にでもしたいの?

まったく、朝からやってくれるよ。


「拓海!」


誰かが後ろで俺を呼んだ。

千鶴だ。


「あ、千鶴。おは」

「元気ですかーっ!?」


・・・お前もかーっ!!


何? 打ち合わせでもしたの?


「いちっ!にぃっ!さんっ!」


ウワァ、またこのパターンだよ。

今度こそ・・・。


「男子禁制混浴っ!!」


・・・はあ?


「男子禁制混浴!!」


いや、あのー、それって混浴って言わないんじゃ・・・。


「男子禁制混浴っ!!」

「男子禁制混浴っ!!」

「男子禁制混浴っ!!」

「男子禁制混浴っ!!」



だから、何だよ・・・?


「おっ、拓海!」


「あ、和彦おはよう。」

「うん。で、あの二人は何してるんだ?」

「和彦・・・お前だけはダークサイドに行かないでくれよ」

「はあ?」


〜〜〜〜〜


「あ、みんなおはよう」

「おはよう」


雨の降る学校に近い十字路、小雪と麻奈美に出会った。


「おはよう」

「おはようございます」


俺等は二人に挨拶した。


「拓海、拓海?」

「ん?」


小雪と麻奈美は目を合わせて、

「せーの」


・・・まさか?


「元気ですかー!?」


キターーーっ!!


何? みんなには俺の顔が元気に見えないの?

それとも、クラスの流行り?


まあ、確かにこんな挨拶があってもいいし、雨で元気がでないのも事実だよ。


でもさ・・・でもさぁ・・・。


「いちっ!にぃっ!さんっ!」


これはやめない? マジで!?


どうせまた裏切るだろ?

なら、次は何を言うのかな?


「ダーッ!!」


・・・普通だっ!!


ああ、なんか普通にいってくれたのに、また裏切られた気分だよっ!?


「12点っ!」


えー、採点っ!?

なんでっ!? 何が基準なの?


「えへへ、残念残念」

「次は頑張るですよぉ」


もぉ、好きにやってて下さい。

続きます。

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