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キミのとなりにいてもいい?

 キミと話をする。

 キミの笑顔を見る。

 キミの泣き顔を見る。

 キミと一緒にいる事を夢見て…願って…やっと叶った。これからもよろしくね。

「優梨!」

 朝一番。キミの声。

 急に幸せになれる、大好きな声。

「おはよう。良平くん!」

「あのさぁ…デートの事なんだけど…」

 キミは少しうつむき加減で言う。

私もまじまじと見れないけど、多分同じ。顔は真っ赤。

「うん…」

「今週の…土曜日にしないか?その日…ちょうど部活休みで…」

「土曜日?大丈夫だよ。」

「ホントか?」

 キミは、さっきとは正反対。嬉しそうに私の顔を覗き込む。

「うん。土曜日、デートしよう。どこで何時にする?」

「実はさ、アネキが遊園地のタダ券くれたんだ。」

「お姉さん?良平君、お姉さんいたんだ…」

「といってもとっくに成人してるけどな。んで、そのアネキが彼氏と遊園地に行く予定だったけど、彼氏の方が急に入院したんだよ。」

「えぇっ!入院?大丈夫なの?」

「軽い盲腸だって。でも、有効期限までに退院できそうにないからくれたんだ。」

「そうなんだ。私、遊園地スキだよ。」「よっしゃ、んじゃ土曜日に10時。迎えに行くよ」

「遊園地かぁ…懐かしいなぁ…」

「そんなに行ってないのか?」

「うん。中2が最後だったから…3年くらいかな。」

「優梨ってさ、絶叫系苦手だろ。」

「えっ…どうして分かるの?」

「優梨って怖がりっぽいかなって。正解?」

「うん…当たり…行くと絶対乗らないんだ…観覧車とかは乗るけど…」

「そっか。…実はさ…俺も苦手でさ…」

「えぇ?!」

 なんだか意外…てっきりキミは大好きかと思ってた…。

「…なんだよ…俺にだって苦手な物の一つや二つはあるんだよ。」

「そうなんだ…いや、なんか意外で…」

「なんかさ、あーゆーのって、心臓に悪いって」

 キミは少し言い訳。

 私はちょっと笑う。

「そうだね。乗る前の案内でさ、心臓の悪い人は乗らないでってアナウンスあるけど、心臓に悪いなら作るなって思わない?」

「あ、それ、同感!…やっぱ、優梨は面白いよ。」

「だからさ、それ、誉めて無いよ。」

「なんでよ?ベタボメの間違いじゃない?」

「…失礼な…」

 そう言って私たちは笑う。

 同じ話題で、同じ話で、同じ理由で笑いあう…これって、凄い事だよね。

 大好き。やっぱりキミが彼氏でホントに良かったよ。 もし、切ない思いを『恋』というなら、キミを愛しいと思うこの気持ちは『愛』だね。最近、実感するんだ。

「よっし、んじゃ土曜なっ!!」

「うん。楽しみにしてる。」

「おぅっ。可愛いカッコしてこいよ。」

「何よ。今で十分じゃない?」

 私は冗談っぽい笑顔で言った。

 でもキミは、真面目な顔で言った。

「うん。ホントにそうだな。」

 一瞬言葉の意味が理解できなかった。

 そして、私は顔が赤くなる。

「…そんな…冗談だよ。ちゃんとキレイにして行くよ。」

 するとキミはいつものおどけた顔で、

「俺、セクシーなのよりよりキュートな方が好きだぞ。」

と言った。

「なにそれ…まぁ、参考にするよ。」

と、私もまた冗談めいた言葉。

「ははは。んじゃ、期待しないでまっとくよ。」

…そう言ってキミは去って行った。

 キミの去っていく背中を見つめる。

 ちょっと脱力。

 キミの前で、緊張してる訳じゃない。

でも…きっと誰でもあんな事言われたらドキドキするよ。

「…いじわる。」

 キミの態度が無意識でも…計算していたとしても…それは同じ事。

 キミはいつも私の心臓の鼓動を焦らしてばかり…

 キミを思うだけで、ほぅら、また顔が赤くなるでしょ。

『セクシーなのよりキュートな方が好きだぞ』

 …キュートねぇ…

 私にはそんな要素無いんだけど?

 アイドルみたいに可愛くないし、スタイルも良くないよ…。

 メイクもほとんどしない。服だって特にこだわりはないよ。

「ふぅ…」

 小さな溜め息一つ…

「えぇっ?なんですってぇ?!」

「もう、亜花莉…そんなに大きな声出さないでってば。」

「だって、あんたねぇ…」

 今はお弁当時間。亜花莉と机をくっつけて食べる。

「初デートったら、一大事じゃない。」

「…だから聞いてるんじゃん…亜花莉はどうだったのよ。」

「…ウチらねぇ…」

 亜花莉の顔つきが変わる。

その顔は前に見た、満たされた…遠くを見つめる様な顔だった。

「ウチらの初デートは夏祭りだったわよ」「夏祭り?」

「そ。私ら付き合ってまだ3日でさー。まだお互いを名前で呼ぶのも恥ずかしかったのよ。」

「ふぅん…そんな時あったんだぁ…」

「当たり前よ。それでさ、私浴衣着ていったのよ。でも…真章…何も言ってくれなかった…」

「何も?可愛い…とか…いつもと違うじゃん…とかも?」

「そ。言わなかったのよ。こっちは結構頑張って着付けたり準備したりしたのにね。」

 そう言って亜花莉は苦笑い。

「ただでさえ付き合いはじめで会話もなかなか無かったのにさ、話のタネにでもならないかなって浴衣着たのに…」

「意外だな…田辺君ってずっと話してるのかと思ってた…」

「それは私も。友達の時はそうだったのに、恋人になったら急に態度変わっちゃって…」

「そうなんだ…」

「でね、祭りもそんなんじゃあんまり楽しくなくって、真章がたまたま友達と会って話し込んじゃったから私、人の少ない静かな所に行ったの。」

「えっ…田辺君に言わないで?」

「そ。無意識に見つけてもらいたかったのかな…とにかく一人で涼んでたの。」

「そうかぁ…」

 スキな人が居て、結ばれて、楽しい時間を過ごすハズだったのに…私だけ置いてけぼりにされたら…

 私なら…きっと耐えられないよ…

「でもね、そうしてるうちにだんだん空しくなってきたの。私は何を怒ってるんだろうって。真章は悪くない。きっと私だって近くに友達がいれば話だしちゃうな…って。」

「そっか…」

「それでね、帰ろうと思って歩き出したら、いきなり物音がしたの。」

「えっ…」

「近くに人はいないハズだし建物もないから怖くなって走り出したら、いきなり声がしたの。真章の声で、『亜花莉!!』って。」

「田辺君が…」

「息は切れてるし汗だくだし…こっちが『大丈夫?』って言ったら、なんて言ったと思う?『蛍じゃないんだから飛んで行くなよ。』って言ったの。」

「ふふふ。田辺君らしい。」

「まぁね。それで、『ごめんね』って言ったら『蛍は綺麗に光るだけど、亜花莉は光らなくても綺麗だよ。』って言ってくれた…」

「すごい…なんかドラマみたい…」

「それでね、話しなかったのはどこ見て話していいか分からなかったからなんだって。」

 亜花莉は嬉しそうに話す。

「ま、その後はあんたも知ってるとおりのラブラブカップルになりましたよー」


「そうだったんだ…なんか良い話。」

「でしょー。」

 亜花莉は嬉しそう。

「ま、そーゆー訳で、初デートって大切なのよ。」

「…うん…」

 分かってる。それは。

「…でも、私…可愛くなんてないから…せめて…」

「…せめて?」

 キミの隣りにいて…恥ずかしくない彼女になりたい。

 うつむく私に、亜花莉は私の気持ちが分かったかのように話かけた。

「…デートはいつ?」

「えっ…今週の土曜…」

「何時?」

「10時に迎えに来るって。でも…なんで?」

「土曜の8時に、私の家に来なさい。デートに行く格好でよ。」

「えっ…なんで…?」

「とにかくよ。ぜぇ〜ったいよっ!」

「うん…」

 その日はそれで終わった。

 それから、キミの事…キミとのデートの事を考えていたら…あっと言う間に土曜になってた。

 土曜日・午前7時57分・亜花莉の家の前。

 思えば亜花莉の家にはそんなに来た事は無かったな…

 ピンポーン…と家のチャイムを鳴らす。

 遠くの方で、ドアに近付く足音が聞こえる。それも、かなり早々と…

 バンッ!!と勢い良くドアが開いた。

「おはようっ!優梨!!」

 息を切らしながら亜花莉がやって来た。「おはよう…でも…どうしていきなり?」

「良いから早く入って!」

「うん…お邪魔します…」

 そう言って私は亜花莉の家に入り、2階の亜花莉の部屋に行った。

 部屋に入ると、亜花莉のお姉さん・光里(ひかり)さんがいた。

「優梨ちゃん。久しぶりっ。いらっしゃい!」

「あ、光里さん。お邪魔してます。」

 そう言いながら光里さんを見る。

 光里さんは亜花莉と5つ年が離れていて、今は短大を卒業して化粧品店に勤めている。

とても綺麗で大人っぽい。亜花莉の大人っぽさは、多分光里さんの影響だ。

「さっ、早速始めましょうか。」

 …えっ?

「さ、優梨、ここに座って。」

 …えぇっ…

「あの…一体…何?」

 私は亜花莉と光里さんを交互に見比べた。

 …なんか変な予感。

「優梨ちゃん、今日、初デートなんですってね。」

「え…まぁ…」

「優梨、なぁんにもしなくても十分可愛いんだけど、もっと可愛くして前野とベストカップルにしてあげる。」

 …変に楽しそうな二人。…もしや…

「あの…もしかして…メイクとか?」

「それだけじゃなくてファッションとかヘアスタイルとかもよ。」

 光里さんがいたずらっぽくウインク。

「んじゃ、優梨ちゃん、じっとしててね。」


それから、しばらくして、光里さんの手が止まった。

「さっ、できたわよ。優梨ちゃんっ!鏡みてみて。」

 光里さんから手鏡を受け取る。

 どうしてだろう。毎日見ているはずの自分の顔が…

「…これ…私?」

 …別人みたい…

「可愛いって、絶対!!さすがお姉ちゃんっ。」

「ま、優梨ちゃんはアンタと違って元がいいのよん。」

「なによそれぇ…優梨、どう?」

「…違う人みたい…」

 いつもの私は髪は下の方で2つに結んでいて、顔もしているのは洗顔ぐらい。 でも、鏡に写る私はパッチリとした瞳、キレイに塗られたファンデーション、可愛いピンクのチーク、グロスを塗った唇、ふわふわした髪…

 …私…良平君の隣りが似合う彼女になれたのかな?

「…私…可愛くなれた?」

「うん。すっごく。前野にはもったいない。私がデートしたいぐらいよ。」

「ホント…?」

「ホント!!もっと自信持ちなさいよ!」

「そうよ、優梨ちゃん。」

 光里さんが優しいまなざしで私を見る。

「ウチの店に来るお客さんは、みんなキレイだし十分そのままでも可愛いのに、自分に自信が持てないの。」

「自信?」

「そう。今の優梨ちゃんみたいにね。」

 光里さんはほほ笑む。

「私の仕事は、そんな照れ屋さんの背中を、メイクをすることでちょっと押してあげる事なのよ。」

「…後押し?」

「そう。だから、みんなそのままでも十分可愛いんだから、化粧をやり過ぎるとだめよ。自分に相応しい最小限のメイクをして、自分に自信をつければそれでいいの。」

「…光里さん…」

「でも、自信が有り過ぎるのも考え物だけどね」

 光里さんはウインク。

「そ。だから優梨も、自信持ってデートして来なさい。」

「ありがとう、光里さん、亜花莉。」

 9時57分。

 ピンポーン♪

 私の家のチャイムが鳴る。

 私はベッドの上に置いたバックを取り、玄関へ行く。

『すいませーん、優梨さん、いますかぁ?』

 外から聞こえる、キミの声。

 私はドアを握る。

 これから始まる、キミと私の時間。

 前野良平…せっかちで、ちょっと短気で子どもっぽいけど…憎めない…それがかえって愛しい、キミの名前。


今回は新キャラ・光里が登場しました☆おまけに亜花莉と真章の初デート秘話?も書いてみました♪

次回は、とうとう私も待ちに待ってたデート編♪どんな話にするか考え中ですが、できる限りラブラブにしたいです☆

それでは、感想&評価、あれば是非下さい!(かなり嬉しいです!)感想等くださった皆さん、ありがとうございました。心から感謝します!それでは…

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